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数える:エジさんが来る

「マスター、この前、日本の曲を聴いていたら『幸せを数えたら片手にさえ余る』という歌詞があったんですよ。とても違和感があります」

「懐かしいなあ。ばんばひろふみの『SACHIKO』だね」

「ええ。英語で happiness は数えませんからね」

「幸せがひとつある、というのは歌詞の世界ではありうるけど、日本語でもあまり数えることはないね」

「日本人からすると、可算と不可算の使い分けはややこしいみたいですね」

「まあ、そういう習慣がないからね。複数形ですら使わないし」

「僕たちにとっても不思議ですよ。ひとつなのか複数なのかわからないものを取ってきてくれと言われても」

「そんなに数が大事なのか、と思っちゃう。日本語はハイコンテクストで空気を読む文化だから仕方ないんだよね」

「そっちはそっちで難しいです」

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エジさんという人が、役に立たない英語を教えてくれます。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。