くだらない結論:Anizine
「ゴールデンウィークが終わったらグランピングに行かないか」
「また、おかしなことを言い出すなあ」
「だって連休中は混雑するだろう。『この時期は混みますよ』って言われている時期に行くってどういうことなんだ」
「そこしか休めない人がいるってことだよ。口の利き方に気をつけろ」
「というわけで、グランピング行くか」
「行かないよ。グランピングなんて概念に納得いかないから」
「何がだよ」
「野外のテントで寝るんだろう。それをグランにしてみたって変わらないだろうが。ホームレスが高級なテントに替えたみたいなことだろう」
「そういうことを言うな」
「昔ある作家が『高級お下宿』という看板を見た、と書いていたけど、そういうことだ」
「面倒臭いことを言ってないで、彼女を連れてこいよ」
「イヤだよ」
「ほら、人間を東京、ゴリラを大阪だとしたら、浜松あたりの顔の彼女、いただろう」
「お前、顔に拳を強めに当てる結果になるぞ」
「暴力やめろ」
「じゃあ言葉の暴力もやめろ」
「わかった。お前は八歩譲って、グランピングの楽しさを認めろ」
「絶対に認めない。ゴージャスなカプセルホテルみたいな矛盾はイヤだ」
「かたくなだな」
「人生は選択だからな。他人に流されるヤツは後で必ず文句を言う」
「それはわかる。本当は行きたくなかったんだよな、っていうヤツな」
「それなりに場を楽しんでおいて、『あの集まり、最低』とかいう」
「品がないよね。そういうスタンス」
「だから行かない」
「そろそろ結論にいくか」
「いこう」
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。