ふざけるなよ:Anizine
「身も蓋もない」と言う言葉があるけど、あれ、面白いよね。
そう言ってしまったら表現が露骨過ぎてどうしようもない(から、やめよう)という意味だけど、構成するパーツが「身と蓋」だと考えた場合、存在がないという面白さが立ち上がってくる。
「クルマのことをそんな風に言ってしまったら、ボディもシャーシもない」とか、「1960年代をそうまとめてしまっては、サイモンもガーファンクルもない」などと状況に応じて使い分けるのがいいのではないか。ではないかってこともないんだけど。
昨日、カフェで60代くらいのおじさんが家族に向かって「ふざけろ」と言っているのを聞いた。最近あまり聞かないけどけっこう好きな表現。ふざけたことを言われた人がふざけた人に対して「ふざけるな」という言い方と、「(いつまでもそうして)ふざけていろ」という否定と肯定が同じ内容を示すところにグッとくるのだ。
という話を友人にしたら、「You're kidding. と No kidding. みたいなものか」と言われて納得したことがある。冗談を言ってるんでしょう、と、冗談を言わないで、が同じ意味なのは「冗談」という存在そのものがややこしいからややこしいのだ。その説明もややこしいけど、それでいいのだ。
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