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シドニーの家族

今日は上野に用事があり、午後の空を見上げるとかなりヤバ目。写真に撮る分には面白いのですが早めに脱出しなくてはと思いました。しかし時すでに遅く、俗に言うゲリラ豪雨で動けなくなりました。アプリでタクシーを呼んで雨宿りをしていると隣に外国人観光客の家族がいました。私たちがバリ島やハノイなどで体験する、あの「アジアの洗礼」を感じていたはずです。

彼らはシドニーから観光でやって来たそうです。もし次に行く方向が渋谷方面なら私が呼んだタクシーに一緒に乗っていってはどうかと提案するつもりでした。しかし欧米人の観光力をあなどってはいけません。土砂降りの雨の中、「次の行き先はまだ決めていないけど、目的もなくブラブラするつもりだ」と言うのです。

私は軒先から到着したタクシーに乗る数秒間でさえ辛かったのに、彼らは傘も持たずに「ブラブラしようとしている」のです。ヨーロッパなどでも多少の雨ではみんな気にしませんが、日本人は素早く傘を取り出します。昔、三木聡監督と話していたとき、「ほんの一粒か二粒、雨が落ちてきた瞬間に慌てて傘を開く奴が気に食わない」と言っていたのを思い出しました。

渋谷に着く頃には雨もやんでいましたが、シドニーの家族が「ブラブラ」を満喫できていたらいいなあと思います。上野だったので「アブアブ」かもしれませんが。旅先では日常とは違ってトラブルも不快な体験もすべて思い出になりますから、「あのときのトウキョウはスコールがすごかったなあ」と思い出せれば、それが楽しいのです。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。