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原料も悪:Anizine

先日、ある人が「今日は次女の演奏発表会でした」という投稿をしていました。写真には内容に無関係な植木鉢の写真が添えられています。ここから読み取れることは何でしょう。

ソーシャルメディアに慣れている人、もしくは他人との距離感を間違えない人であれば、その母親は「子どもの習い事の発表会があった事実」だけを言いたかったのだとわかります。

しかし、そこにあきらかに距離センサーの壊れた人々が「エリちゃん、何歳になったんだっけ」「うちの子も聖心の初等科だよ」「今週の金曜日、白金台の『サロン・ド・ミュー』に子どもたちと行くでしょ。15時だったよね」というコメントをつけるのです。

子どもの名前や、通っている学校を表に出していない母親の努力は水の泡。「聖心初等科に通っているエリちゃんが、金曜日に行くカフェの場所」までわかってしまいます。どうしてこういうことが起きるのでしょう。個人的にLINEをしているなら構いませんが、ソーシャルメディアでは他の人がやりとりを見ることができます。もしエリちゃんを誘拐するなどの目的を持った人がいたとしたら、金曜日の15時に白金台に出かけて行くはずです。

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Anizine

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。