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写真の部屋

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。
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2021年9月の記事一覧

隠す:写真の部屋

写真には、じっくりと見たことがないモノが写っていると楽しいものです。ただし、人によっては見たくないかもしれない。ですから安全のために黒いマスクをかけておきます。 さっき、新宿で見つけたんですが、若い女性が俺の隣でスマホで撮っていました。どこかのインスタにでもアップされていることでしょう。しないか。 > > > これより下に行かないで。

光を求めて:写真の部屋

写真家の習性として、勿体ないから明るいうちに何か撮ろうと思ってしまうが、結局、暗くなっても撮ってる。

東海道の車窓から:写真の部屋

大阪に行ってきた。新幹線の車窓から写真を撮る。東北・北陸新幹線に乗ることが多いので、普通の人とは違って東海道の風景の方が新鮮。 いつか、友人と一緒に新幹線に乗り、それぞれが窓から撮った写真を見比べてみたい。反射神経も必要だからなかなか難しい。

白バック:写真の部屋

スタジオの白バックは、RGB値「5」くらいの差でも大きく変わってしまう。これらを撮ったときはほんの少しだけ色を感じさせつつ、文字の白抜きができるギリギリの明るさにしている。 シンプルな白バック撮影は単純ゆえに奥が深い。

え、そこから:写真の部屋(短いので無料記事)

渋谷で写真を撮っている写真学生らしき数人を見た。 全員が左手でレンズを上から持っていた。プロでもたまにそういう癖がある人はいるけど、彼らは全員同じことをしていたから、今後もその集団では誰も気づくことがないだろうと思う。 「え、そこから」と思ってしまう。これは写真の技術ではなくて力学の問題。カメラとレンズを保持するときに安定感が必要なのは言うまでもないけど、なぜわざわざ物理に逆らった持ち方をするのか。 レンガを持ち歩くとしたら手のひら全体で下から支える。上から指先だけでつ

トリミングの答え:写真の部屋

よく、トリミングをするかしないか、という議論が起こる。 「撮るときに完全なフレーミングを想定する習慣をつけないと、写真が巧くならない」という陣営と、「不要なところをカットしてよくなるのであれば、そうした方がいい」という陣営の不毛な戦いが繰り広げられる。 Arnold Newmanが、ピアノの横に座るStravinskyを撮ったよく知られている写真がある。素晴らしくデザイン的な構図の写真なんだけど、元になったコンタクトにはピアノ全体が映っている。比率もかなり極端な横長にして

説明を減らす:写真の部屋

ある人から、「写真って知性が出ますね」と言われてハッとした。写真には関係ない仕事をしている人の言葉は、いつも新鮮だ。俺の写真の知性の欠如を言われているようで怖かったけど、くわしく聞いてみた。 その人は、写真を見ながら推測したいのだ、と言った。ここにいる人は誰なんだろう、いつどこで何をしているんだろう、などと。それが撮る人によって、「説明されすぎている写真」には何も感じないと言う。それはよくわかる。みんなで遊びに行ったときにみんなの集合写真を撮るのは記念だからいいけど、見知ら

場所による光の違い:写真の部屋

今日はたくさん写真を並べてみます。 これはHawaiiに行ったときの写真です。オアフにあるファッションブランドの店内に、俺が撮った写真を飾ることになりました。別に設営のために行く必要もなかったのですが、Hawaiiは楽しいに決まっているので行ってみました。 あまり見たことがない短パンスーツを着ているお兄さんがいたので、「かっこいいな、それ」と言いながら撮らせてもらいました。 次はParis。ポンピドゥーセンターの外観はふざけているので毎回レンズを向けてしまいます。建築家の

アメリカの画角:写真の部屋(無料記事)

状況が落ち着いたら行こうと思っているアリゾナで撮影するにはどんなレンズが必要かを、古い写真を見ながら確認中。デジカメはレンズのデータが残るから便利だ。この時も使わないとは思ったけど一応12mmを持って行った。しかしまったく風景が画角に収まらない。アメリカは広大だ。 写真は、Elmgreen & Dragsetの「PRADA MARFA」。 定期購読マガジン「写真の部屋」へようこそ。

寄る癖を直す:写真の部屋

ひとつのフォルムに割り当てられるピクセル数を考える。 たとえば人の顔を画面一杯にアップで撮るとしたら、顔の再現に割り当てられる画素は、4000万画素などといった「カメラが持つ総画素数」になる。全身を写したとして画面の中での「顔」が10%だったら、割り当てられる画素数は10%になる。 最初に買ったデジタル一眼レフはNikonのD100だった。600万画素。これで風景を写すと遠景はやや描写が弱く感じたので、どんどん近いものを撮るという悪い癖がついてしまった。小さいモノを寄りで