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米国アニメ市場急成長でソニーとバンナムが波に乗る|アニメ業界ニュースまとめ#2

今週もアニメ関連ニュースをキュレーションしていきます。


今週のホットトピック:アニメ関連サービス・商品に関する米国市場レポート(2024年版)(2024年7月)

ジェトロ(日本貿易振興機構)が日本のアニメとマンガのビジネス状況の最新調査「アニメ関連サービス・商品に関する米国市場レポート(2024年版)」をリリース。2030年には2023年の2.8倍となる約1兆円の市場規模になる見込み。

ジェトロによる北米の日本アニメ市場に関するレポートが、2016年ぶりにリリースされた。

現在、日本のアニメ市場は急成長しているが、実は国内事業で大きな成長は見られない。

急成長の要因は海外事業にある。その中でも米国は非常に重要な存在で、2030年には2023年の2.8倍となる1兆円の市場規模になる見込みだ。

また、本調査を読み込むと、配信とマーチャンダイジングの伸び代が大きいことがわかる。

そう考えると、クランチロールを保有するソニー、米国でもある程度のグッズ展開ができるバンダイナムコなどの企業が成長するのは間違いない。特にソニーに関しては、ほぼ確実に市場成長の波に乗れることだろう。バンダイナムコに関しては、米国内のグッズ企業とどのように折り合いをつけていけるかが鍵になる。

アニメ「鬼滅の刃」が成功した五つの要素とは?―台湾メディア

台湾の女性ファッション誌『Bella儂儂』は、アニメ『鬼滅の刃』の成功理由を以下の5点にまとめて考察しました。
和洋折衷の歴史的要素:大正時代の日本を舞台にし、西洋と伝統が融合したキャラクターデザインが特徴。
魅力的なキャラクター:個性的で感情移入しやすい炭治郎、善逸、禰豆子などのキャラクターが多く登場。
シンプルな戦闘方法:理解しやすい呼吸法を用いた戦闘シーンが、視聴者を引き込む。
予算を大量に投入した戦闘シーン:大規模な戦闘シーンが話題を呼び、視覚的にも楽しませる。
壮大なフィナーレ:最終章『無限城編』が映画3部作として制作され、最後の大決戦が期待されている。

これらの要素が組み合わさり、『鬼滅の刃』は大成功を収めました。

ChatGPTによる要約

以下4つはともかくとして、一番上の「和洋折衷の歴史的要素」が、台湾などの海外ファンにとって刺激的だったのは間違いない。たしかに今回の『柱稽古編』は、和(昼)と洋(夜)の対比が強調されていたように思う。

キャラクタービジネスの市場規模 前年からの増減は?

矢野経済研究所(東京都中野区)は、国内のキャラクタービジネス市場を調査し、セグメント別の市場規模推移、キャラクター別の動向、将来展望を発表した。2023年度のキャラクタービジネス市場規模は2兆6969億円と推計した。

IT mediaより引用

キャラクタービジネスの市場規模は前年比2.2%増の2.7兆円とのことだが、成長率に注目すると、他の領域に比べてやや低い。もしキャラクタービジネスに新規参入するなら、マス向けではなくニッチ戦略を用いるのがおもしろいかもしれない。

『地獄先生ぬ~べ~』2025年新アニメ化決定

『地獄先生ぬ~べ~』の新アニメ化が2025年に決定し、ティザービジュアルと第1弾PVが公開されました。本作は真倉翔先生と岡野剛先生によるオカルトコミックで、霊能力教師「ぬ~べ~」が妖怪や悪霊と闘いながら生徒を守る姿を描いた学園ヒーローアクションです。1993年から1999年に「週刊少年ジャンプ」で連載され、累計発行部数2,900万部を誇る人気作品です。

ChatGPTによる要約

またまた旧作のリメイクアニメ化が決定。ティーンエンジャーなのかキッズ向けなのか、はたまた大人向けなのか。どこにメインターゲットを設定しているかは、今後発表されるであろう放送帯で明らかになりそうだ。

再アニメ化「らんま1/2」山口勝平、林原めぐみら主要キャスト続投で10月放送開始 制作はMAPPA

再アニメ化が決定した『らんま1/2』が、10月5日深夜0時55分から日本テレビで放送開始されます。原作は高橋留美子氏の人気漫画で、主要キャストとして山口勝平(早乙女乱馬役)、林原めぐみ(らんま役)らが続投します。制作はMAPPAが担当し、オープニングテーマはanoが担当します。新アニメはNetflixでも独占配信予定です。監督は宇田鋼之介、シリーズ構成はうえのきみこが務め、キービジュアルと第1弾PVも公開されました。

ChatGPTによる要約

既に再アニメ化が発表されていた『らんま1/2』で、ほとんどのキャストが続投されることが発表。ネット上ではキャスト続投について賛否両論だった。

たしかに、高橋留美子作品がリメイクされるのは私も嬉しいのだが、これではアニメ制作会社のIP保有が一向に進まない……。いつまで経っても、IPを保有する出版社が強いままだ。

「音楽産業の新たな時代に即したビジネスモデルの在り方に関する報告書」を公表しました

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/musicindustry_2407meti.html

経済産業省は、ストリーミング時代を迎えて、大きく外部環境が変化している音楽産業について、産業界を取り巻く状況の定量的な分析や、新たなトレンドの可視化を目的として、デスクトップ調査、関連事業者へのヒアリング調査及び有識者による研究会を実施し、それらの調査結果等に基づく現状認識や調査等を通じて得られた課題意識等を、報告書としてとりまとめ、公表しました。

経産省公式HPより引用

経産省が音楽産業に関するレポートを発表。YOASOBIや米津玄師の活躍が取り上げられた。全体的に見ても、アニソンの海外展開が目立っており、今後もアニソンが日本の音楽産業を引っ張っていくのは間違いない。

一方で、本レポートは課題として「キャラクタービジネスの経験がある人材が少なくなっていること」を挙げており、これがキャラソンが世に出ていない原因だとしている。たしかに、最近はキャラソンがめっきり減った。

東宝、営業利益34.1%増 コナン映画や自社制作アニメがけん引

東宝は2025年2月期第1四半期(2024年3月~5月)の決算を発表し、営業収入は859億7600万円(前年同期比15.9%増)、営業利益は245億7600万円(同34.1%増)、純利益は161億4900万円(同31.4%増)となりました。映画営業事業では、『名探偵コナン』などのヒットにより営業収入と利益が大幅増。TOHOシネマズの映画興行事業は入場者数減少で減収減益。一方、TOHO animation作品の好調により映像事業は大きく成長。不動産賃貸事業は東京楽天地の貢献で増収減益となりました。

ChatGPTによる要約

映画興行事業が減収減益で、映画営業事業では増収していることから、相対的に見てアニメ事業の調子がいいことがわかる。特にToho animationを中心とするアニメ事業の売上高は前年同期比79.6%増と大きく伸びている。

戦後日本のアニメの発展とその役割―中国専門家

中国メディアの文化縦横は、日本のアニメの発展と役割についての記事を掲載しました。戦後の日本アニメは、当初は疑問視されていたが、現在では世界中で愛される文化となり、国家イメージの戦略的要素となっています。華東師範大学の潘妮妮副教授は、芸術家と政府、大衆の三者関係を指摘し、日本のアニメは手塚治虫氏の影響で深い哲学的内容を含むようになったと述べました。日本アニメの独自性や対外イメージの構築は、中国にとって重要な教訓となるとしています。

ChatGPTによる要約

今週、キュレーションする記事の中でもっとも興味深い内容。日本のアニメ作品は海外とは異なり、手塚治虫の影響で、哲学的かつ深い内容を含むようになった。

たしかに宮崎駿は、アニメで世界を変えようとしていた。その「アニメと社会の関係」が、日本特有のオリジナリティを生み出したと考えられる。

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