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アニメーターの賃金は本当に低いの?

「アニメーターの賃金が安い!」とよく言われていますが、はたして本当にアニメーターの賃金は安いのでしょうか?

一般社団法人日本アニメーター・演出協会の『アニメーション制作者実態調査2023』によると、アニメーターの平均年収は422.5万円、新人扱いである動画マンの平均年収は263.2万円とのことです。

『アニメーション制作者実態調査2023』より引用
『アニメーション制作者実態調査2023』より引用

また、アニメーターの1ヶ月の平均作業時間が「198時間」というデータも出ています。

『アニメーション制作者実態調査2023』より引用

これらのデータを統合すると、アニメーターの平均時給は1,778円、動画マンの場合は1,107円という計算になり、一応、最低賃金はクリアしていると言えますが、一方で技術力に見合わない給料だとも言えます。

ちなみに、国税庁の令和4年度の調査によると、令和4年の日本人の平均給与は458万円とのことです(アニメーターは422.5万円)。

さて、この数字を見てあなたはどう思いましたか?

正直、僕は「思ったよりも低くない」と思いました。もちろん人によって極めて厳しい賃金で働いているケースもあると思いますが、こうして数字を見てみると、少なくとも全体としては賃金が向上しているように思います。

その理由として考えられているのが、動画配信サービスの登場によるアニメ業界全体の成長です。まずシンプルに、動画配信サービスによる配信収入で、アニメ制作会社に直接お金が入るようになってきました。

また、動画配信サービスの登場で、海外展開しやすくなったのも特徴です。実際、アニメビジネスが躍進した理由として、海外展開に拡大が考えられています。

このようにして、業界全体が大きくなったことに伴い、アニメーターの賃金も少しずつ向上しているのです。

とは言え、高度な技術力を有しており、かつ日本のコンテンツ産業の中核を担うアニメ業界に携わるアニメーターが、日本人の平均収入以下であって良いのでしょうか?

そして、そもそも、なぜアニメーターの賃金はこれほどまでに低いのでしょうか?

次回に続きます。




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