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アニメーターの低賃金を解決する方法③:クラウドファンディング

アニメーターの低賃金を解決する方法としてクラウドファンディングが挙げられます。一般的にアニメビジネスは、アニメ作品そのもので稼ぐわけではありません。アニメはプロモーション手段の1つであり、その後のグッズ販売やイベントなどの二次収入によってビジネスが成立っています。

そのため、アニメ制作会社にはあまり利益が入らず、グッズや音楽を制作する会社に利益が回る仕組みになっているのです。アニメーターの賃金を上げるためには、アニメ制作会社に利益が直接入る仕組みを作る必要があります。その際に最も有効な手段だと言えるのがクラウドファンディングです。

クラウドファンディングでは、不特定多数の人々から資金調達する方法で、代表的なサービスとしては、 CAMPFIREやMakuakeなどが挙げられます。また近年ではアニメファンドというアニメ専門のクラウドファンディングサイトも登場しました。

この仕組みであれば、アニメ作品及びアニメ制作会社に、ファンが直接支援することが可能です。私の記憶に新しいのは『クドわふたー』という作品のクラウドファンディングで、なんと7800万円以上の資金調達に成功しました。

これまでアニメを制作する際は、複数の企業によって出資する製作委員会方式で資金調達するのが一般的でした。しかし、クラウドファンディングであれば、ファンから直接資金を調達することができます。クラウドファンディングを活用することで、アニメーターの賃金問題を解決できる可能性があるのです。

一方で、懸念点もあります。現時点でアニメ系のクラウドファンディングの大半は、リターンの際にグッズに頼っています。つまるところ、実質的にグッズの前売りをしているわけです。当然、これではグッズ制作に資金が用いられてしまうため、アニメ制作会社に対する利益率が薄くなってします。

とは言え、アニメーターのドキュメンタリー映画を制作するANITABIのプロジェクトを含め、近年は、アニメ関連の意欲的なクラウドファンディングプロジェクトが展開されるようになっています。クリエイターやファンの方々も、ぜひクラウドファンディングに注目してみてはいかがでしょうか?

次回に続きます。

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