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アニメーターの低賃金を解決する方法②:労働基準法と下請法の強化

アニメーターの低賃金を解決する方法として、前回は労働組合の強化を取り上げました。

今回は、法律面の強化について取り上げます。

結論から言うと、労働基準法と下請法を強化するのです。

以前の記事でも紹介した通り、多くのアニメーターで労働基準法や下請法が適用されず、それが原因で劣悪な労働環境となっている背景があります。そこでアニメ業界に対する特別措置として「作画業のフリーランスアニメーターには特例で労働基準法と下請法が適用される」というように法律を整備するのです。

もしくは政府主導で、動画1枚あたりの単価を正当に設定したり、それが難しい場合は時給制を導入したりするのもアリです。これで、新人アニメーターの賃金をある程度まで高めることができます。

と、ここまで簡単に説明してきましたが、実際に行動に移すのはかなり難しいです。

まず第一に、現在の日本政府はとにかくスピードが遅いです。何かしら法律を導入するのにも数年以上要してしまいます。

また、アニメーターの賃金が上昇するのが困る企業が一定数います。具体的には、製作委員会に参加するような企業です。アニメーターの賃金が上昇することで、純粋に、アニメ制作費が上昇してしまうため、ビジネスとしての旨みが薄まってしまいます。

このように、労働基準法や下請法の強化で「困る企業」が出てくるのも事実です。しかし法整備で、アニメーターの労働環境を半強制的に改善しないと、これ以上は持続可能性が担保できないのも事実です。

これから数十年以上にわたって、日本のコンテンツ産業を発展させるためにも、政府指導でアニメーターの労働環境を守ることには、大きな投資効果が見込めるのではないかと考えます。

一方で、個人的には、アニメ制作会社を政府主導で支援する必要は無いと考えます。なぜなら、補助金漬けでゾンビになった企業が、これまでにたくさん登場しており、アニメ制作会社もその流れに乗る可能性があるからです。

アニメ制作関連の資金調達に関しては、政府で何かしら介入するのはアリだと思いますが、アニメ制作会社を守る必要はないと考えます。そしてこれは、音楽制作会社、芸能事務所、出版社でも同じです。

次回に続きます。

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