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村上隆 もののけ 京都 に行こう! @京セラ美術館

2024年9月1日まで京都市京セラ美術館で『村上隆 もののけ 京都』が開催中。
(展示期間、約半年。長いなっ!)

村上隆の日本での8年ぶりの個展。
新作あり、京都っぽさあり。
アートオタクのわたくし。
僭越ながら、「ここ、すごっ!」という作品を3つほど!


1、ドクロを探せ!

最初に目に飛び込んでくるのは、『洛中洛外図』。
この展覧会のための新作で、13mにも及ぶ大きな作品。圧巻です。
展示エリアの床には華麗な流水紋。ただし奇抜なカラーでこだわりたっぷり。

床と作品の境目がわからなくなってくる。

作品はご本家の『洛中洛外図屏風』を元に村上隆ワールドが炸裂しています。
「死を暗示するドクロが作品に描かれていて、ぜひ探してほしい」
と作者からの挑戦状あり。
みんな必死になっていて、いい誘導だなと思いました。

ただ、ここでドクロ探しを終わらせてはいけない、と気づいた私。
作品以外にもよ〜く見ればドクロにあふれていて。
ドクロ、ドクロ、ドクロ•••
こだわりが詰まった展覧会のオープニングでした。

2、金箔と絵の具の関係

金箔が貼られた作品をみて、ふと思ったこと。
金箔の上から絵を描いているのか、絵以外の部分に切り絵のように金箔を貼っているのか?
日本美術って近付いて観ることができないことが多いから、あんまり考えたことなかったな。

よ〜くみてみる

絵と金箔の間に切れ込みみたいな線が見えるし、カンヴァスの端も絵の具と金箔に段差はないように思える•••たぶん•••

正解は•••
村上隆さんのYouTubeチャンネルに載っていました!

こういうのも展覧会で放映してくれたらいいのに。

なお、日本美術の金屏風(風神雷神図屏風とか)は金箔の上に絵の具をのせているのだとか。(学芸員の友達にききました。)

それって•••ものすごい高価ってことじゃん。これから金屏風を見るたびに、お金持ちだったんだなぁ〜と下世話なことを考えてしまいそう。
(もちろん、現代とは金の価値というか価格は全然違うと思うけど)

3、展覧会をみおえて、さよならする前に一言

今なお活躍している作家の展覧会では、作家さんの「今の声」が聞けたりする。今回の展覧会でも村上隆さんからのコメントが作品として展示されています。

村上隆さんのコメントは手書きで、一文字ずつ色が違っている上に文字が小さくて。まぁ、なんというか。とても読みづらい(笑)

海外のお客さん向けにコメントは英訳されていて、そっちの方が読みやすいというか(笑)日本の展覧会で英語のキャプションを読んで理解する、という初体験をしました。

『展覧会をみおえて、さよならする前に一言』という作品がありまして。
あんまり見かけないタイトルですよね。

この作品は展覧会開催にこぎつけるための作家の苦悩が表現されていて、というか書かれていて。
作品の筆が進まないという苦悩よりも、開催のための資金面での苦悩、という鑑賞者側にはあまり馴染みのない部分が垣間見えます。
「いくら足りなかった」など白塗りではあったものの赤裸々に書かれていて、その生々しさがリアルだなと思いました。
実際、展覧会開催のために「ふるさと納税」も取りいれたということで、展覧会を開催してくれること自体にありがたみが増してきて、また美術館に行こうという気持ちにもさせてくれます。

後ろにいたカップルが、
「村上隆で個展を開催するのに苦労するなら、日本のアーティストで誰なら個展ができるのだろうか」
と話をしており、まさにその通りだな、とうなずいてしまった。

村上隆さんは海外でも(むしろ海外の方が?)知名度が高い方なので、円安の今、
海外のお客さんにもぜひ足を運んでもらって、展覧会が黒字で終わってほしいな、と思った今日この頃です。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございます!Dank je wel !



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