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山王美術館に行こう! @大阪京橋駅から徒歩5分

大阪の京橋駅から徒歩5分にある山王美術館に行ってきました。

ホテルモントレ創立者の個人コレクション美術館です。
以前はホテルモントレ難波に展示スペースがあったようですが、移転して今は京橋にあります。

2024年7月29日まで『山王美術館コレクションでつづる印象派展』が開催中。

西洋美術オタクのわたくし。
僭越ながら、「うぉ〜!おもろ〜!」を3つほど!
(館内の写真撮影はNGでした)


1、印象派展の先入観をくつがえす

スタートはミレー、ゴールはルドン。
こんな展覧会はあまりお目にかかれないと思います。

美術史の勉強をしていると印象派=モネ。
だから印象派展はモネの作品からスタートするのかな、なんて先入観を持ってしまいがちな私。いい意味で最初から裏切られました。

印象派も突然出てきたわけではないので、当時の画壇(画家たちによって構成されている社会的範囲。画家仲間の社会)を知ることはとても大切だと改めて気付かされました。

あと。
美術史を勉強しているが故の弊害だと思っているのだけど。

私は歴史を勉強していると
レアリスム→印象派→新印象派→ポスト印象派→象徴主義→•••
のように、一つが終わったら次の表現方法が生まれて•••なんというかロケット鉛筆みたいに考えてしまいがちで。

モネは1840年〜1926年、ルドンは1840年〜1916年と同じ時代を生きていて。
モネが亡くなった後、ルドンが象徴主義を生み出したわけではなく、同時並行でお互い刺激し合いながら活躍していたことがわかる説明パネルがあり、小さい展覧会だけれど学ぶことが多い展覧会だなと思いました。

2、コレクターの好みを探る

山王美術館はホテルモントレ創立者の個人コレクションの美術館。
作品収集の基準は自分の好みが全て。
こういう作品が好きなんかな、というコレクターの傾向を予想するのも楽しみ方の一つ。

今回の展示で私が感じたのは、
①エコール・ド・パリが好き
②バレリーナが好き

①は大正解でして。
山王美術館は春と秋の年2回企画展をおこなっていて、来年春はエコール・ド・パリ展でした。2025年3月スタートです。

②はドガの作品が多いな、と思ったのと常設展でも小磯良平のバレリーナを描いた作品が多数展示されていたので②の予想を立てました。
これもいつかの企画展で答え合わせをしてくれないかしら。

3、常設展の正解かも

『山王美術館コレクションでつづる印象派展』の展示作品数は29点。
展示室は1室のみでした。
企画展の展示点数としては少ないという印象かもしれません。
(チケットは1,300円で一般的な企画展よりはお安いです。)

ただ、うまいなぁ〜と思ったことが。

3階と5階では常設展をしていて(各フロア展示室は1室)、
それぞれ4階の印象派展と関連した常設展となっていました。
3階は「印象派展」によせて 日本洋画コレクション
5階は「印象派展」によせて 日本画コレクション

印象派展は1室だけなので体力は有り余っています。
まだ元気だし、せっかくだから3階と5階も観るか〜となるわけです。
そうすると、印象派展に関係のある作品が展示されているから、3階から5階で一連の企画展を観たような満足感にひたれるのです。なのにチケット代は1,300円でお得!みたいな。

他美術館で企画展のチケットを買った時に「このチケットで常設展も観れます」と案内されることがあります。が、企画展を見終わって疲れたし、常設展まで元気があるかしら、いやないから帰ろと私はなってしまいがち。

企画展の規模を縮め鑑賞者の体力を温存させ、企画展とつながりを持たせた常設展まで誘導する仕掛け。
「うまいっ!」とならざるを得ませんでした。


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