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奪われた木々の行方

久々に「アジアンドキュメンタリー」を見た。タイトルは『森林伐採ーオリンピックのために』

インドネシアのボルネオ島は、アマゾン川流域と並ぶ巨大な森林地帯を有している。その中で暮らす先住民族は先祖代々、森の木々や農地を守ってきた。しかし、様々な企業が合法的に森林伐採を続けている。が実態は、政府と企業が結託して明らかに“違法”な手段で先住民族を騙して、彼らの土地や木々を奪っているのである。騙されて土地を追われた人々は、企業の雇用人となって働かざるを得ない状況が続いている。

そんな先住民族の3人の男たちが、奪われた木々の行く先を追って旅に出る。その途中、機械で大量に伐採され、丸裸にされた広大な山々の息をのむような光景が続く。やがてたどり着いた先は、港の貯木場。船に積み込まれた木材の主な行先は、日本だ。誰もが知る日本の巨大木材企業が買取り、やがて建設途中の東京オリンピック会場にたどり着く。

皮肉にも、映画の最初に「東京オリンピック2020」の公約がテロップで現れる。「持続可能なものを調達する」「伐採地の先住民族への配慮」しかし現実には、公約を破って先住民族を脅かし、持続不可能な状況に追いやっていた。オリンピック建設の関係者は木材の調達地すら知らなかった。

こんな感じで、おそらく地球のあらゆる場所で同じような事が行われているのだろう。

SDGs「サスティナブルな地球環境保護」を謳いながら、巨大ビジネスの陰で失われてゆく自然、先住民族の人権。
「この木々を使うものに天罰が下りますように」3人の1人が神に祈るラストシーンが印象的だ。

果たして「東京オリンピック2020」に天罰は下った。「大阪万博2025」は、大丈夫か?

#アニメの森

https://www.youtube.com/c/%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E3%81%AE%E6%A3%AE2021/videos

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