見出し画像

【超基本!の、てにをは】その3(終)

【01】さて最後に基本事項の確認。 中盤のシーンをまるごと使って復習しましょう。
官憲の目を盗んで出来立ての新飛行艇が出発
します。 飛行艇が進もうとして、その速度調節に手伝いのひとびとが必死で引っ張っいるその《重みの動き》。


【02】工場の裏から飛行艇は出発します。官憲の目が光る中、大急ぎで力一杯、扉を開ける女のひとびと。《作用と反作用》の動きの質感がほどこされた《運動の重み》


【03】飛行艇が川べりへと下っていきますが、この尖端部の「仰向け」の角度から「うつむいた」角度へと何の違和感もなく立体が「するりと」形を変える、それだけでも作画のすごさがうかがえます。


【04】「紅の豚」では波が「演技するモノ」になっていて、運動の躍動感を高めに高めます。


【05】見送るピッコロ一族。 「同じもの同士が、同じように振る舞う/運動の複数性」


【06】前からのカメラ、後ろからのカメラ。躍動感がすごいです。


【07】ここは見まがうことなくフルアニメになっています。 「リミテッドアニメはポイント的にフルアニメに変貌できる・やわらかさをもったリミテッド」。


【08】堤と堤の間をつなぐ橋や上水管が眼前に迫ってくる「全セル」ならではの表現。(厳密には空は背景美術で出来ています) 


【09】水の存分の演技を「橋」がポイント的に遮る。 この表現の面白さは、もっと厳密な定式ができそうですが、いまはそれどころではありません。


【10】フルアニメ全開です。


【11】川面、堤、並木の全セル表現。川面に落ちる橋の影までよく出来ています。


【12】「橋と波、そして小舟」のセルとしての演技。


【13】並木道から見た波頭の演技。「岸辺のふたり」みたい。


【14】前方に障害物発見。
並木のセルの簡略化した表現が愛らしい。


【15】飛ぶぞー。飛べるかな?飛べないかな?


【16】飛べなかった~。魅せますね、中盤のハイライトシーン。


【17】新しい装置が役に立つ。 支持するフィオ、指示を受けて装置を探すポルコ。
メカを操るってこういう隔靴そう痒感が起こりがち。
ガン●ムみたいに「人馬一体」とはいきません。


【18】でたー、3層構造の奥行き


【19】全セルの魅力全開

来たー!


【20】ホップ! まだ飛べない。 着水して波頭が立ちます。

ステップ! まだ飛べない。
宮崎アニメ特有の《飛べるかな?飛べないかな?》の《作用ー反作用》は、ここでしつこく表現されていますね。

ジャンプ! と行きたいところですが、まだ飛べません。


【21】今回はねばるなあ。
飛ぶカタルシスを演出するための「飛べないのかな?」が今回は引き延ばしに引き延ばされます。


【22】舟をよけつつ、斜めに軌道を。


【23】さてアニメはフルになって、そろそろ飛びますよ。


【24】お。 飛んだー。
もう図示しませんが、このカットの横に長い背景美術も見ものですし、飛行艇の軌道曲線・フォルムの付け方も見ものです。


【25】さてつづくシーンも見どころ満載ですが、全部解説しちゃうと自分で発見する喜びはなくなるので、ここでやめておきます


【26】
あらためてわたし・石曽根正勝 が提唱したい「てにをは」の基本は4点。
1リミテッドはやわらかくなる。
2斜め奥/斜め手前に注意。
3手前―中間―奥の三層構造。
4運動が複数にわちゃわちゃする=運動の複数性。
以上でした~。

ご清聴、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?