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TVアニメ「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」第12話感想 Season2待ってます

TVアニメシリーズ「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」第12話を迎え、区切りとなりました。個人的には、シーズン2を待ちわびております。小説5.5巻だけで映画を作るとか、あるいは夏休みの周の帰省with真昼で映画1本作るとか、そういう企画もあっていいと思います。

私はこのアニメーションの第1話からこの沼に入り、小説を一気に買い集め(電子媒体ですが)一気に最新刊まで読破して、この記事を書いています。ですので、先取りしているといえばしています。新鮮な気持ちでこのアニメだけを見ていたのではないため、小説を読まずにこのシリーズを見ていた方とは異なる部分もあります。

この第12話で気になったことはいくつかあるのですが、順を追ってみていきましょうか。

「かわいいひと」


まず、冒頭です。こういうお話の切り方は見たことなかったな、というのが素直な感想です。真昼のささやき「かわいいひと」→周くんのこうげき!と思いきや寸止め→真昼のカウンター、までの38秒間(1フレーム3K換算で)114コマ分、第11話のお尻に入れられず、第12話の冒頭に持ってきた、というのは、「句跨がり」としてもやや大胆な解釈ではないかと思います。

第11話のバスケットボールの場面など、思い切ってカットしてこの場面を入れるのでもよかったかもしれません。しかし、制作スタッフはこのエピソードを第12話の冒頭に持って来た。持って来たかった。そう解釈するなら、たしかにこの場面は真昼によるカミングアウト、周の覚悟と告白、までつながる物語をぐいぐい牽引してくれる力が、確かにあります。

この場面での「かわいいひと」という真昼の一言は、周の何かに触れました。だから彼はあれほどの反応を見せたのです。誘惑というより「赦し」、つまり周くんに真昼がGOサインを出したような場面であったように思われます。

セックスよりも難しい「魂のふれあい」


このような「ふれあい」特に「魂のふれあい」ともいうべきことがたくさんあるのがこの作品の特徴だと思います。「セックスに至らない」「手を出さない」「へたれ」であることは、2人のコミュニケーションにおいてあまり重要ではありません。むしろ安易で一方的な押しつけの性交渉が強い絆を生むものではないのです。

時にそれは「同意の無い性交渉」そのものであり、処罰の対象にさえなり得るようになりました。漸く、って感じですが、

視線を交わすだけでも、手を繋ぐだけでも、セックスと同等かそれ以上の「ふれあい」になるのだということを描き出した一場面であったかと思います。

2023年放映予定のTVアニメに「経験済みなキミと経験ゼロなオレがお付き合いする話。」がありますが、(これも一気買いして読破してしまいました)このお話でも同様のことが描かれます。

コロナ禍において物理的な「ふれあい」「接触」が極端に制限された中で生まれてきた、作中で「目が合う」「視線を交わす」「息が合う」といった「物理的でないふれあい」「非接触のふれあい」の意味を探るような作品が出て来たことが注目すべき点かもしれません。

体育祭での会話

体育祭の時の会話にも、まだ語られていないエピソードがあることが匂わされました。それも、当事者の口からでは無く、傍観するしか無かった者からの情報として、この先に課題として残されました。

樹と千歳のエピソードです。

このお話も重要かつ内容が濃いもので、放っておくには惜しいですが、いざ描くことになると、その部分だけは明らかに「周と真昼」の物語から外れていくことでもあるため、果たして匂わせるだけのような場面を作ることがよかったのかどうか、わかりません。

その一方では、騎馬戦がカットされ、周の友人になる人物2人の登場が無くなりました。尺を合わせるためであればもっと時間と物語のデザインを考えた方がよかったのではないかと、そんなことを考えてしまいました。

告白

体育祭のあと、ずいぶん遠回りしたというか、順番が狂った感じで周は真昼に「付き合ってくれ」と告白するわけですが、それが2人にもたらすものがどのようなものだったのかは、実はこれまでのお話だけでは語れず、ここから先の2人の物語が語られなければわからないのです。

ただ、少なくとも言えることは、周と真昼は自分たちの絆に「恋人」という意味を付与することで、少しずつ変わっていくだろう、ということだけです。
小説ではさらに先のことが語られますが、それについてはここでお話しすべきことではなく、小説の解題などで触れていく方がよいでしょう。

TVアニメ「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」第12話の感想でした。

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