絵本 クヌギ森のオバケランチ その2

画像1 「あの時、みんながボクに注目してくれて、とてもうれしかったなー」 「また、みんなと一緒になにかしたいなー」
画像2 そう言うと、セミのオバケはカブトムシの周りをウロウロして、離れる気配はありません。 「大丈夫?」テントウムシとゾウムシも心配そうにカブトムシを見つめています。
画像3 「このままじゃ、カブトムシはすっかり弱ってしまうね」 「どうかな、セミのオバケのために、もう一度、みんなで何かをしましょうか?」 「そうだねー」 と昆虫たちは話し合いました。
画像4 「ねーえ、セミのオバケちゃん、ボクたちと一緒に遊ぶかい?」
画像5 すると、セミのオバケはうれしそうに「うん、ボク、オバケランチごっこをしたいんだ!」
画像6 「こっち、こっちー」とセミのオバケは、クヌギ森の奥へどんどんと進んでいきます。 クワガタはカブトムシを背負って、みんなの後についていきました。
画像7 しばらく行くと、突然、カフェのような場所に着きました。 「いらっしゃいませー、オバケランチへようこそ!」 オバケのセミはすっかり、その気になって、昆虫たちをおもてなしするのでした。
画像8 「では、まず、カブトムシさんのために、元気が出るスープですね」 とセミのオバケはスープを持ってきました。
画像9 クワガタはカブトムシに、スープをひとすくいして、飲ませてあげました。 少し元気を取り戻したカブトムシは、クワガタに優しくされて、少し照れました。
画像10 「おまたせしましたー、お次はオムライス、クヌギ森の特製ミツ入りです」
画像11 たっぷりおおきなオムライスを見て、昆虫たちはお腹がグゥ~。 おいしそう!
画像12 さあ、大変、昆虫たちは我先にと、オムライスに飛びつきます。 ムシャムシャ、モグモグ、おいしい、おいしい。 その様子を見て、セミのオバケはとてもうれしそう。
画像13 「はい、それではデザートのプリン、クヌギ森の特製ミツ入りですよー」
画像14 昆虫たちは、だれが真っ先に食べるのか、にらみ合っています。
画像15 「私が先に食べるのよ!」 「ボクだー!」 と、昆虫たちはケンカしながら、プリンを奪い合っています。
画像16 昆虫たちと仲良く過ごせて、満足したセミのオバケは、す~っと、みんなのそばを離れていきました。 それに気づかず、クワガタとカブトムシはプリンの取り合いのケンカを始めています。 その間、テントウムシとゾウムシは、プリンを美味しくいただきます。
画像17 元気100倍のカブトムシがクワガタを投げ飛ばしたところで、決着がついたようです。 でも、すっかり、プリンはなくなってしまったのですけどね。
画像18 ふと、プリンが乗っていたお皿を見ると、セミの抜け殻がひとつ、ポツンと落ちていました。 「あの時のセミだったんだね・・・」 みんなでセミの抜け殻を見つめ、あの夏を思い出したのでした。
画像19 すっかりお腹いっぱいになった昆虫たち、また、それぞれの寝床に帰っていきました。 いなくなってしまったセミ、気になりますか?
画像20 大丈夫、今年もたくさんのセミたちが、クヌギ森には生まれるのです。
画像21 おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?