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2022 年上半期に読んだ本のまとめ

2022 年 1 月に転職して技術書をたくさん買える環境になったので、いろいろな本を読みました。簡単にまとめてみます。

話題になっていたため読みました。データエンジニアとしての職務経験はなかったので全体的に新鮮でした。データレイク・データウェアハウス・データマートの違いやそれぞれの役割をやんわりと理解することができたので大変役に立っています。常識なのかもしれないですが、データレイクにはとりあえず全てのデータを生の状態で入れるべき、という点が、そういった考え方をしたことがなかったのでとても参考になりました。

気になっていたので読みました。機械学習に関連するプロセス全体の中でパターンとして抽出できそうなものを紹介してくれています。

機械学習プロセス全体に対してある程度の理解がある人を前提としているので入門で読むにはやや辛いと思います。

また、広範にわたってカバーしているので、個別具体的な領域(MLOps、特徴量エンジニアリングなど)について詳しく学びたい場合は別の書籍を見ることも考えた方が良さそうです。逆に全体的な設計をする人にとってはとても参考になる本だと感じました。

個人的には Google ほどの規模の会社でないとその状況は発生しないであろう、デザインパターンとして挙げるにはやや限定的なパターンも含まれているように感じました。(今後多くの企業が遭遇することを見越して書いてくれているのかもしれないですが。)

前職の上司からお薦めされたので読んでみました。歴史的に産業構造の変化に伴って組織のあり方も変わってきていて、昨今の情報革命に伴ってティールな組織が増えていくであろう、といったことが記載されていました。

昨今のビッグテックカンパニーは強力な成果主義で定量化された目標を設定し、ひたすらその達成に邁進することを目指した組織が多いです。
この形態の問題点は、定量化された目標に反映されないが意義のある取り組みは全く評価されないこと、文化が必ずしも重要視されず、仕事場では仮面を被っていて十分に自己組織化されていないことが挙げられています。

ティール組織では以下の工夫などを行うことによって成果主義組織の課題を超越するといった主張がされています。

  • 少人数のチーム単位

  • メンバーの自己組織化を育むプロセス

  • メンバーが強い権力を持つ

  • セルフマネジメント

  • 組織文化の醸成

とても長い(600ページ長)のでやや要旨を掴みづらい印象でした。
サマリ版とかも出ているようなので読んでみたいです。
組織が歴史的にどのように進化していったのか、ティール組織とは何なのか、についてかなり細かく触れていてとても面白かったです。

Google のソフトウェアエンジニアリングについて、文化、プロセス、ツールの 3 つの観点からプラクティスを紹介した本です。

文化の章はソフトウェアエンジニアリングに向き合うにあたり必要とされる考え方(謙虚・信頼・尊敬)やリーダーシップ・組織論について記載されていて、マネージャー層(非エンジニア)でも読める内容になっています。

プロセスの章はソフトウェアエンジニアリングの各プロセス毎に Google がどのようにトレードオフを吟味し、どのようなスタイルをっているのかを紹介してくれていて、特に単一の答えを提示するわけではなくトレードオフの観点をきちんと提示し、こういった考えで今のスタイルになっている、といったところがクリアに書かれていた点が大変印象的でした。

ツールの章は Google が内製しているツールがどのような社内のペインを解決するために生まれたものなのか、について記載されています。ここは正直、内製するのは難しい規模のツールも多いので普通の企業は SaaS を選択することになる気はしますが、やはりトレードオフにどう向き合ったかがきちんと記載されていて、SaaS 選択するにしても大変参考になる内容だと感じました。

一番最初に書かれていた、『ソフトウェアエンジニアリングとは、時間で積分したプログラミングだ』という定義が、今までソフトウェアエンジニアリングとプログラミングを明確に区別していなかった自分にとってはとても納得感があり記憶に残っています。

話題になっていたビジネス書だったので読んでみました。

日々の忙しさに忙殺されている人は仕事を自分で選んでいない。
『選ぶ』ことを選ぶべき、といった点が忙しかった時に自分は確かにできていなかったなと思い、心に残っています。

本当に大切なことを選ぶのは難しいので、どのように捨てるか、についてたくさん言及があります。特に現状維持バイアス(所有しているというだけで価値を高く感じる)に対しては、持ってなかったとして金を出してでも欲しいか?を問うテクニックは参考になりました。
また、試しにやめてみて、何か問題が起こるかみてみる、『逆プロトタイプ』という考え方も参考になりました。

全体的にキャッチーな言葉で書かれておりとても読みやすかったです。
「より少なく、しかしより良く」を目指したいと思える本でした。

バックナンバーを全部読んでいてこれより良い深層学習本を知らないので読みました。

今回は強化学習についての内容が 7 ~ 8 割で残りが深層強化学習といった構成になっていました。

大学で強化学習、深層強化学習については学んでいたので、内容自体は特に学ぶことはなかったのですが、数式の導出や数式と数式、手法と手法の繋がりというか文脈、背景といったものがきちんと説明されていて、パズルがはまったような感覚を覚えることができました。

実装もミニマムなところから無駄なく深層強化学習まで伸びていくいつもの方式になっていて、コーディング自体も楽しく進められそうでした。

今後深層学習を学ぼうと思う人が入門としてこの本を読むことができるのは大変羨ましいとしか言いようがないです。

AWS x MLOps の本ということで読んでみました。

1 章で MLOps やデータサイエンスの導入、2 章がデータサイエンスの各種ユースケースに AWS が活用できることの紹介、3 章 AutoML についての言及でした。
4 ~ 9 章は基本的には SageMaker の使い方で、10 章以降はパイプライン、ストリーミング、セキュリティといった内容でした。

完全に個人の感想ですが SageMaker を使うと sdk にかなり依存してしまってつらそうだなと思っていたのですが、読んでいてもやはり結構辛そうに感じました。

SageMaker を使うと OSS ベースで書く場合に比べてかなり記述の量が増えているものの得られるメリットが限定的なように感じたので、イマイチどういった状況で使うことが想定されているのかが掴みきれておらず、読んでもあまり分からなかったというのが正直なところでした。
ある程度自分で機械学習モデルを作る人はメインのユーザーではないのですかね。

マネージド活用の流れは遅かれ早かれやってくるとは思うので定期的に使用感はウォッチしたいと思いますが、まだその時期ではないかなーという印象を得ることができたので、良かったです。

Google の (当時の?)CEO であるエリック・シュミットが書いた本です。

Google 創業期の話や大事にしている価値観が書かれていて面白かったです。
多分 Google のソフトウェアエンジニアリングの文化の章に書かれていることと内容はそこまで変わらないのですが、エンジニアが書いた隙のない文章で読むのと、文庫で読むのは同じような主張であっても書かれ方や読んだ時の印象が違って面白かったです。

DevOps プラクティスを知りたかった & アンチパターンを踏んでないかを知りたかったので読んでみました。

可視化されていないメトリクス、整理されていないデータ、頻繁すぎてもはや意味をなさないアラート、業務時間外のデプロイ、機能しないポストモーテムなどエンジニアの心にグサグサくるリアルなアンチパターンが載っていて親近感を沸かせながら読むことができました。(それが良いことなのかはわからないですが。)

当然と言えば当然ですがアンチパターンを紹介するだけでなくどう向き合うのかについても記載されています。ステークホルダーに対して働きかけることのできるような影響力のあるメンバーでなく一開発者単位でも実践できるようなことから記載があるのがありがたかったです。

文化や組織運営についても言及がありましたが、この辺は Google のソフトウェアエンジニアリングでも言及されている内容に近く、ある程度文化面はプラクティスが確立されてきている印象を抱きました。

記事を書いたので省略

記事を書いたので省略

記事を書いたので省略


以上、全部で 12 冊でした。 2 週間に 1 冊くらいのペースですかね。
下半期も同じくらいのペースで読みたいです!

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