◉詩/ニルヴァーナ あるいは言葉の向こう側へ
ニルヴァーナ
あるいは言葉の向こう側へ
意味について
言葉で伝えようとする その無意味さ、
という意味を生じさせてしまう
ジレンマを抱えながらも
それでも伝える、を選択するのは
そのジレンマが
次元への感受性の未熟さに過ぎないから。
物理的な痛みは
甘んじて受けるしかない
時折襲ってくる、強い恐れも
脳のメカニズムに変調をきたした結果としての表れ
その耐え難きを
道端にうずくまって堪(こら)えている
足音が遠ざかっていく
その痛みを
苦しみに変えない方法が
一つだけある