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◉詩/見え方の全て

見え方の全て

ソレは存在ではない
ソレは作用である
ソレをみることは決してできない

全身で
ソレになる以外にない、
在る とも言えない、
言葉では言い表せない、
ソレだけが アル、
何もない世界

そこには識別もないので
アル を アル だと識別しない
青一色の世界の青は
識別されない

悟った人はこれをみて
彼岸からこう言うだろう
悟りなどない と

神は解釈しない
ブラフマンは解釈しない

わからないままで
よかったのだ

右を見たら右が見え
左を見たら左が見える
これが、見え方の全てだ
これ以外全て、
思考の産物である
五感を鏡として使えば
時間は流れない
宇宙は膨張しない
膨張する空間そのものがない
鏡には奥行きがない

世界は錯覚だ
E=mc²すら言葉に過ぎない、
言葉の虚しさの中で
Eは千切られ
mは砕かれるだろう
世界は錯覚だ
世界は錯覚だが
同時に

同時に「私」は
見えている世界の中に生まれた

見えている世界の
中に生まれた「私」が
ニホンジンなら
ごはんの上手な炊き方は
わかっていた方がいい
なぜなら
ニホンのお米はおいしいから

かくて 宇宙は
無限でありながら
一人一人の中で閉じている
綺麗は汚い汚いは綺麗 ※

2024年10月

※シェイクスピア『マクベス』より

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