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冬が来る前に

坂の細い道を…
って紙ふうせんの曲。
古いフォークソングだけれど、
あの曲がなんだか好きだ。
少し切ない雰囲気、
人恋しくなるそんな季節だ。

コスモスがたくさん咲いている
休耕田かなんかに保育園の子供達が
歓声を上げていた、
ちょうどお散歩にはいい陽気、
そんな様子を眺めながら、
少し仕事の手を止めて東の空を眺めた。
少しだけ雲のある空は抜けるように高い。

何者でもないこと、
肩書なんかも必要ないし、
別に偉くなくてもいい、
正しくなくたっていいし、
自分である事に拘りたいな…

ふっと我にかえり仕事を続ける。
誰がいるわけでもなく、
ひたすらにひとりぼっちの作業だから、
気持ちだけは解放的に。
でも気持ちはどことなく徒然に…
秋だからだね。

少し離れた怪しいマッサージの裏口から、
女性が出てきた。
少し大きめのTシャツに下は下着だけで
洗濯したタオルを干している。
秋だね、秋だからだね…。
と視線を逸らした。

昼には仕事を終わらせて、
明日の仕事の準備に、
昼下がりなのに、
どことなく夕方のような日差し。
西日が眩しく、
乾燥した風は心地よく、
でも動けば汗ばむ陽気だ。
コンクリートブロックを荷台に積みこみ、
コンビニに寄りお茶を買って飲んだ。
すぐ寒くなるんだからな、どうせ…
とまだこぬ冬に思いを寄せる。
金木犀の香りが鼻先をくすぐる。
冬が来る前に…さて何かしなきゃね。

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