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口半開きにしてないと英語ネイティブからハブられる

最近、英語を楽しんでいる。

友人がスカイプで40分5000円の英会話レッスンを受け始めたので、アウトプットとして学んだ内容を私にそのまま教えてもらっているのだ。

レッスン内容は一般的に日本で主流のカリキュラムとは異なる。「正しい発音」「英語ネイティブの世界観」が主な内容で、初日から目が覚めるような発見が盛りだくさんだった。

例えば、日本人の多くは「外国人が日本語を学ぶのは難しい」と考えている。しかし、友人の英語の先生は外国人に向けて日本語レッスンもしていて、実際は英語圏の人が日本語を習得するのは難しくないそうだ。

漢字・カタカナ・平仮名など「文字を書く」ことはたしかに覚える内容が多いけれど、「話す」ことに関しては日本人が英語を習得するよりも容易だと言う。

なぜなら「日本語の音は少ない」からだ。

日本語の母音は「あいうえお」の5音で成り立つ。これに対して英語は母音が30音くらいあるので、音のバリエーションが日本語よりも圧倒的に多い。つまり、英語ネイティブは自分たちが普段使っている音を日本語の発音にそのまま当てはめることができるのだ。

一方日本人は、普段全く使わない方法で英語の「音」を表現することになる。私も正しく発音することと生まれて初めて向き合い、その難しさ・面白さを体感することができた。

例えば、日本語で言う「あ」の音に近い発音は英語で3つある。

1つ目が[a]という発音記号。「on・hot・not・all・walk・August」などで使う音だ。この音を出す際は、あくびをするように喉の奥を開く必要がある。例えるなら、カラスの鳴き声「ア〜」、日本語で「あぁ〜なるほど」と言うときの「あぁ〜」の音にも近い。

この「喉で音を作る」という発音方法が日本語にはないので、最初とても違和感がある。口の中がまったく違い、新しく音を作り出す体感がとても刺激的だ。

2つ目は[ʌ]という発音記号。「up・cup・hut・but・love・rubber」などで使う音だ。この音を出す際は、口を半開きにして顎を落とし、喉から音を出す。例えるならゴリラが出す「ヴッヴッ」というくぐもる、篭ったような音だ。

この音は男性の方が出しやすい。低い音なので女性には出しずらく、私もコツを覚えるのに少し時間がかかった。今でも慣れてない。

3つ目はæという発音記号。「Ann・fan・man・band・sand・ crash・staff」などで使う音だ。この音は「え」の音に近い。例えるなら「あっかんべ〜」のときの「べ〜」の音に近く、喉は使わずに長めに拍を取る。3つの中では一番自然に発音できやすい音だと感じた。

先生いわく「英語が話せる」と自負する日本人の大半が、日本語の発音を英語にそのまま当てはめて音を出しているため、実際は通じない・ネイティブからバカにされるという状態だそうだ。

さらに英語の世界観を知ることは想像以上に重要だ。

例えば、英語は「息が続く限り一気に言葉をつなぐ」と言う特徴がある。日本語のように句読点で切って話すのではなく、息が続くところまで一気に話して、息継ぎをするタイミングで切る。

そのため、英語ネイティブは自分が話す意思がある時に息をいっぱい吸い込み、口を半開きにしてタイミングを狙っているのだ。つまり「口が半開きである=話す意思がある、次俺話すよ」の意思表明なのだ。

反対に、日本人の多くは「口を開けているとバカだと思われる」と思っているので、普段は口を閉じている。その様子が英語ネイティブからは「この日本人は話す意思がないのだ」と勘違いされ、会話からハブにされてしまうのだ。

これは本当に興味深い事実で「英語が話せる」と自負している日本人の多くが認識していないのだと先生は言う。

このように「英会話」とは単語を覚える、文章の成り立ちを覚えるだけではまったく意味がなく、むしろ世界観を知ることの方が重要な要素だったりする。

そして、やったことがないことをする、新しい世界観を知る体験は脳が開くような快感がある。

テクノロジーを議論する際に「英語を学ぶ必要があるか」という内容が最近よくテーマに上がる 。「シンプルに言葉をやり取りする」ことが目的であればテクノロジーが補完してくれるので学ぶ必要はないだろうけれど、真にコミュニケーションをはかることが目的だったり、脳の進化を求めるのであれば言語を学ぶことは深い意味があると私は思う。

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