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『物価高に苦しむ企画者の話』人生釣り三昧#78

今年も新たな歴史を生み出しつつエースで主砲の活躍を見せる大谷翔平と三冠王こそ逃したものの歴史を塗り替えたアーロン・ジャッジの活躍が両者異次元すぎるので今年ばかりはMVPも2人受賞でいいんじゃないかなと思っているかずおかです。

#大谷翔平の活躍に慣れつつあるのが問題

さて。

今回は『物価高に苦しむ企画者の話』というタイトルで数か月前から話題になり続けている物価高について僕の目線だとこんな感じで頭を悩ませていますというお話でもしようかと思います。

誰かのために書くというよりかは自分のために書き残す話ですね。
数年後、もしくはもっと先に自分がこの時どんな心情で仕事をしていたのかを思い出せるように書きます。

それではよろしくお願いします。

▼コスト高騰も円安も止まらない▼

今ではすっかり140円台が当たり前になってしまった円相場ですが丁度一年前ごろまでは、それこそ今年の2月頃までは110円台を維持していました。

数年前から人件費や原材料等の価格高騰はジワジワと響いていましたが今思えば大したものではなかったのかもしれません。

売価にしても5~10%程度の値上げで済んでいただけ可愛いもんだったなぁと思います。

ところがどっこい3月頃から加速的に円相場が値下がりし始め、この半年で一時的に145円を超えるほどにまで円安が進みました。

それと並行しながら原材料の高騰も収まることなくダブルパンチで僕らの生活に影響を及ぼします。

コスト高騰で5~10%、円安で約25%。
単純計算ですがこの春から30~35%近く商品の仕入れ値が変わっているんです。

今回最も恐ろしいなと思っているのは「これだけ値段が上がっているのにモノの完成度は変わっていない」ということ。

むしろ価格を可能な限り変動させないように容量を減らしたり完成度を落としている商品というのも多々あるかと思います。

この辺は商品を作って売るまでのスパンによって値上げにもタイムラグが生まれるわけですがそのスパンが早い食品を始めとした生活必需品から順次値上げラッシュが始まっていますよね。

ウチの場合はこの秋冬発売している物は大体半年前に発注をしていて、この春発売した物は昨年の秋に発注しているような流れで企画を進めています。

そういった半年、一年スパンで物を作って販売しているメーカーはおそらくもっとも影響を受けるのが来春なのではないかと自分で企画をしていて思います。

この秋冬に出す新商品にもかなり影響は出ていましたが利益を削ったり、少しだけ値上げすることで対処出来る範囲だったとも言えました。

ところがどっこい、メーカーが多少頑張ったとて国内経済がこんな状況なので当然市場の熱量も低く海外需要を除いた国内需要については結構厳しい状況っぽいわけです。

そうなると来年はこの秋冬以上の値上げラッシュと改善しないであろう市場の状況を踏まえても益々販売状況は悪化するのではないかと考えるのが自然で実際にそうなると思います。

永遠にこの状況が続くとは思えませんが少なくとも同じ物作り、同じ売り方をしている限りは最低数年程度苦しむことになりそうです。

#いつまでも釣りバブルの名残に浸ってたら簡単に死ぬ思います

▼どうなる2023年▼

そんな感じで不安要素満載な2023年ですが時期的にも来春の企画は大詰め段階、発注間近なわけでございます。笑

いつもなら企画進行当初の段階で販売価格もある程度目途が立つのですが企画途中でも円相場の変動激しく、修正後に見積もりを確認するたびに価格が上がる方向で変わってしまうのでとにかく価格設定が難しすぎるのです。

この悩みは新商品に限った話というわけではなく、既存品の中でもロングランで生産を続ける商品があるのでそういった商品への影響もかなりのものです。

販売数が20~30%ダウンしても値段が20~30%アップしていると売上的にはそこまで落ち込むことも無くそれなりの金額に到達するわけですが企画側の目線で見ると利益率も当然気にしなければいけません。

売上はある程度キープできたとて間違いなく今のままだと利益が落ちてしまうのでどう補填していくか…
考えなければならないのですが今の仕組みである以上、早々に良い案が思い付くわけでもなく結構追い込まれているように感じます。

単純に値上げをしなかったとしても国内経済の状況的に、ユーザーの懐事情を考えるとほぼ間違いなく来年以降は一段と厳しい状況に陥るでしょう。

釣りはあくまでも余暇。
自身の生活で精一杯という方が増える中、どれだけの人が釣りにお金を落としてくれるのか…

落としてくれるとしてもその使い方は間違いなく消極的なものになるでしょう。
実際に余暇市場は景気の良し悪しや人口の変動によってモロに影響を受ける市場なので…

▼革命は起きるのか▼

そんなこんなで頭を抱える日々が続いていますがこの数年間を過ごして世界を良くも悪くも前に進めていくのはやはりウイルスと戦争なんだと改めて痛感しました。

これまでの歴史を振り返っても大抵、時代の転換期にはいずれかの出来事が関わっています。
長い歴史の中で見れば今回の数年間で起こった出来事というのもその出来事の一つに過ぎないのかもしれません。

長い歴史の中で売買の基本的な仕組みを変え続けなかった釣り業界ですがメーカーが生き残るためにもいよいよ仕組みの根底変えるべきタイミングなのかとも思ったり。

従来の問屋を介して小売へと卸していく方法、注文や文書のやり取りはFAXも多い、国内の釣具店(特に個人店)は明らかに以前に比べパワーダウンしており力を取り戻す可能性は限りなく低い。

在庫負担の軽減とこれまでの付き合い的な人情の部分を以外に今のシステムを保ち続けるメリットって本当に何だろうと思います。

お客様第一主義とはよく言ったものですがそこで言うお客様が小売店・問屋なのであれば今のやり方を続けていくべきでしょう。
#遅かれ早かれ沈むとは思いますが

ただ、そのお客様がエンドユーザー(釣り人)なのであればこのやり方はお客様第一主義ではないのではないかと個人的には思っています。

小売りや問屋を介さず、公式通販サイトや直営店を中心にエンドユーザーへの直接販売が出来れば間違いなく販売価格は値上げどころか大幅に下げる事も可能になります。

少なくとも今の仕組みについて議論しながら解決策を見出すよりかは建設的な意見が飛び交いそうな気がしません?

間違いなく最初は大きな費用とエネルギーが必要だとは思いますが営業部の人材とそれを抱えることで発生するコスト(人件費・経費)を企画販促側や直営店スタッフ、流通事務作業等に全て割けると考えれば悪くはない話かと。

なにより今後も縮小することが確定している国内釣り市場のことを考えるとそちらの方がイノベーションは起こせそうだし未来も明るそうじゃないですか。

業界の中でも20~30代の割合は決して多くないと思いますが従来式の販売方法へ違和感を抱き、僕と似たような考えを持っている人も少しはいるのではないかと思いたいです。

他の市場と違ってターゲットが魚であり自然相手の遊びなのでそちら側の変化や進化に期待するのはナンセンス。
どうにかこの仕組みを変えてやりたいなと入社一年目から思う気持ちが年々強まる今日この頃。

このままだと話がどんどん逸れていきそうなので今回はこの辺で締めたいと思います。笑

というわけで今回は『物価高に苦しむ企画者の話』というタイトルで今の状況に置かれて頭を抱える僕自身の心境についてお話してみました。

少しでも明るい未来がやってくるようこれからも頑張ります。

それでは今回はこの辺で。

でゎでゎ👋


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