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『引き金は日照時間と松果体』人生釣り三昧#58

おはようございます。

 落合博満さんについて書かれた本を読んでからすっかり虜になりYouTubeでも関連動画を見漁っていた時、イチローさんとの対談動画を見たのですがインタビュー当時25歳のイチローさんが仕上がり過ぎていて先週に続き圧倒的敗北感を感じているかずおかです。
#比較相手が強すぎる
 

さて。
 

今回は『引き金は日照時間と松果体』というテーマでお話ししたいと思います。
 

最近、ヤマモトさんのブログを拝見して同じような定説に同じような疑問を抱いているなぁと思いながらまんまと反応してしまったわけですが現時点の知識、経験だと僕は春の引き金をこう考えているというお話です。
 

勿論異論は認めますし、結局環境的要因によっても考え方は変わってくる話だと思うので答えはフィールドの数だけ存在すると思っています。
 

それではよろしくお願いします。


▼春は唯一無二の季節▼

バスフィッシングにおいて『春』は春夏秋冬の中でも特別な時期です。
それは生物にとって一番重要なイベント繁殖活動が行われるから、これに尽きるといっても過言ではありません。
 

この時期になると毎年特大サイズの釣果を目にするだけでなく『春とは何か?スポーニングとは何か?』について個々の考え方を目にする機会も増えます。
 

その際、目にする情報は他の時期の攻略情報に比べて圧倒的に学術的かオカルト的な話が混ざり合っているのもこの季節の特徴ではないでしょうか?
 

経験則で成長するタイプの人は一見オカルト的な意見を述べている事も多いですが実は本質を捉えていたりする事もあります。
(漁師さんとか関西人に多い印象です)
 

僕自身、学術的な側面から釣りを見る事が増え、年々釣行時に起こる現象や過去の経験に対して納得する事は増えているように感じます。

釣行頻度自体が減っているのが残念ですが一釣行の質は年々高まっているという事です。
 

釣りという遊びは基本的に競技であっても人間対魚類という構図で成り立っているわけで人間対人間でないが故に様々な憶測や「魚はこうであってほしい」という人間側の希望的観測でものを語られます。
 

一見信用できそうな科学者が証明したデータでも月日が経った後に「あの理論は間違っていた!」という事が証明されることも多いので色々な立場の人が色々な目線から研究を続けています。
 

僕なんかは結局生き物が相手で彼らにだって個性が存在すると考えているので全てが科学で証明できるとは思っていませんが、
『釣果は科学で証明できる現象が積み重なって成り立つ』とも考えています。
 

個性というのは人間でいうせっかちやおくびょうといった性格面、瞬間記憶能力やショートスリーパーといった特殊能力的な意味合いです。

特に特殊能力的な個性は種類によって割合は違うけどゼロではないという面で科学を狂わせる事も多々あるでしょう。
 

長く釣りをしていると魚にも性格があると感じている人は多いと思います。

一方、特殊能力についてはそれほど出くわす場面も意識することもない方が多いとは思いますが個人的には何かしらあると思っています、全くの未知数ですが…笑
 

とはいえそれらの個性によってバスが空気中に生息圏を拡大することや羽や腕といった新たな器官を手にすることはありません。
 

それは進化の領域なので魚類の可能性としてゼロではありませんが僕らが生きている時代でそれが起こる可能性は限りなくゼロに近いでしょう。
 

例えば秋に繁殖活動を行うバスがいるというのは個性の範疇だと僕は思います。

環境的に繁殖活動を行えないと言い切れないのがその時期だと思いますしそのように産卵時期をずらす個体が居る事で種は絶滅の可能性を減らしているわけです。
 

すみません、話が魚の個性について逸れたので春の話に戻します。


▼魚を呼び覚ます引き金は何なのか▼

釣りを始めてしばらくの間はネスト、スポーニングといったワードすらまともに知らず恥ずかしい話それらの現象と向き合うようになったのは専門学生になってからだったような気がします。
 

その時、最も重要だと考えていたのは『水温』
もっと正直に言うと他の要因について知らなさ過ぎたという方が正しいかもしれません。

 
ここ数か月、釣行機会がグンと減り本と向き合う機会が増えたことで色々な発見がありました。
 

現時点での結論で言うと『全ては繋がっている』という何とも言えない結論に至っているのですが、本当に考えれば考えるほど一つの現象を起こすに至った要因は複雑に絡み合って存在している事を感じます。
#それを知った時釣りの計り知れない奥深さに再び気が抜けます笑

 
この勉強期間で産卵に向けて魚を呼び覚ますトリガーについても色々と考えてみたわけですが一番要因として強いものと感じたのが『日照時間』
 

魚にはどうやら第二の目と呼ばれる光感覚器があるようです。
それが松果体といって脳の頂部にある小さな感覚器です。
 

生きた魚の頭を上から見ると、頭頂部の皮膚に色素がなく骨を通して内部が透けて見える部分があります。
この下にあるのが松果体。
 

透けて見えているところは松果体窓といって松果体に光を透過させる仕組みになっているようです。
#生き物ってすごい
 

ここからが重要です。
 

松果体は単に明暗を知るだけの光感知器で、目のように物の形や色を識別する感覚器ではありません。
 
しかし、明暗の長周期(日周変化や季節変化)の検出をして生殖器の成熟などホルモン分泌に関係します。

 

つまり生殖などの生理変化を制御する機構に関わっている器官なのです。
 

この説明の後に本では「釣りとは直接関係ない器官のように思われるが魚の生活の為に知っておきたい感覚器である」と書かれていましたがバスフィッシングの春を紐解く上でかなり重要な器官になるのではないかと僕は思いました。
 

これについては松果体の性能がどれほどの物か示した内容を見ていないので何とも言えませんがトップウォータールアーへの反応限界水深にも関係しているかもしれませんよね。
 

日中が主戦場のバスフィッシングにおいては明らかに色効果よりもフラッシング効果の方がコールアップ力(気付かせて引き寄せる力)は高いと感じるわけで、バスの目線位置を考えても目線を変えず先立ってフラッシングに気付ける器官としても使われている可能性もあるなぁと感じました。
#知らんけど
 

といった具合で松果体の存在と役割を知ることで日照時間が一番のトリガーのでは?という気付きに繋がります。
 

水温ベースで話を進めると時間帯や天候によって水温の変化が激しすぎるこの時期の浅場に特大サイズを中心とした第一陣が接岸する理由にイマイチ納得できないんです。
 

シャロー越冬型の個体に限って言うのであればいち早く水温の変化と上昇を察知できるので水温ベースで考えても辻褄が合うのかもしれませんが大多数の個体が最深部とはいかずともそれなりの水深から接岸することを説明できません。
 

フィールドにもよるとは思いますが5~10mの水深まで深くなると感知するのに必要な水温まで上昇するのは早い地域でも4月以降だと思いますし、
そもそも地域によっては5月でもかなり寒い地域もあるはずですがバスは普通にスポーニングシーズンを迎えていたりします。
 

そう考えると実際に産卵を行うとなれば水温は必要な要因だと思いますが接岸させるのに必要な要因は別の要因と考えるのが自然ではないでしょうか?
 

ここからは接岸のロジックを語るのに日照時間だとしっくりくるよという話をしますがもっと厳密に言うと重要なのは『全天日射量』です。

少し認識が間違っているかもしれませんが簡単に言うと日照時間は「日が出始めてから日が沈むまでの時間」で全天日射量は「しっかりと日の光を地表が受け止めた量」的な感じだと思ってください。
 

要するに全天日射量が高い時期ほど水を温める効果が高く、日射が持つ力を魚に対して伝える時間が長いという事です。
 

実際、日照時間だけを見ると掘り下げていっても月別までの単位でのデータしか見つからず国内では12月、1月が一年の中で最も長くなる場所が多いようです。

実際そう感じない人も多いと思いますが天候的に晴れる日が多いので月単位での日照時間ではそれなりの数字になってしまうんだと思います。
 

これだと納得できないなぁとさらに掘り下げて調べていた時に目にしたのが『全天日射量』でした。
 

これについては観測データの総量が少ないのが残念でしたがデータを見る限り7月頃を頂点に減少傾向へと移り、再び上昇傾向の動きに転じるのが2月。
 

そう、2月なんです。
 

数十年のデータを単日単位で見る事が出来ればさらに核心へと迫れる気がしますが恐らく2月の中でも中旬以降、上昇傾向に移るのでしょう。
 

そこから3月、4月と一気に数値が上がるのでそれが伝わる水深も徐々に深くなり水温の上昇も同時に起こるので複雑になるのですがこの日射量の変化と増加を察知できる魚も徐々に増えていくつまり本格的なスポーニングシーズンに突入するわけです。
 

2月後半~3月上旬というのは全天日射量が増加傾向に切り替わるのを察知できる一部のシャロー越冬個体のみが動ける期間でありそれが毎年釣果に表れている、ということですね。

一部のシャロー越冬個体もしくはいち早くその変化を察知しなければならない魚だからこそ必然的にサイズもそのエリアの最大級になりますし逆に20~30㎝といったサイズを接岸エリアで狙っても最大サイズを釣るよりも難しいと思います。
 

個体ごとの行動時間差についてもまた別の機会に掘り下げていきたいですね。
 

厳密に言えば水温、水量、水質といった要因が複雑に絡み合っているとは思いますがどれが一番重要な要因なのか目途が立てばそれを基準にまずは考える事が出来るわけです。

潮回りも明らかに魚に限らず生物の行動に影響を及ぼしていますがオカルト的な解説も多く僕自身体感していても科学的、理論的に説明できないのがもどかしいです。
 

潮回りは接岸というより魚に口を使わせるために要因として活用する知識の一つなのかなとは思いますが…
#絶対に話が逸れるし長くなるやつだから今回は割愛
 

その中、『松果体と全天日射量の関係性』というのはバスを呼び覚ます引き金として現時点で一番自分を納得させることが出来ています。

 
難しい話をしているんだろうなとも思いますが、本当はもっと複雑に絡み合う要因を一旦置いて考えやすいように抽出した内容を書いているつもりです。
#全てを一度に書こうと思ったら間違いなく本が一冊できる
 

ただ、この全天日射量を実釣前の予測として活用することが現在は難しいというのも悩みです。
潮回りや気温、風量というのは便利な事にアプリやサイトで登録地点の正確な情報を簡単に取得することが出来るようになりました。
 

しかし、全天日射量については予報どころか過去データにおいても単日単位で過去を振り返る事すら容易ではありません。
もしそれらを分かりやすくまとめている、もしくは予報しているようなサイトがあれば教えて頂きたいです。


▼今週末の検証結果はまた来週▼

そんなこんなで今回は『引き金は日照時間と松果体』というテーマで久々に釣りに関する僕なりの考え方を書いてみました。
 

これは世に出回っている情報を僕なりに整理して経験と照らし合わせながら解釈した結果辿り着いた一つの考え方です。
 

当然これが正解なのか、間違っているのかは僕自身どちらも絶対とは言い切れません。
しかし僕が自分自身の釣果を納得させるためにはひとまずこの考え方だとしっくりくるのでそれを書き起こしてみました。
 

今週末は数か月振りのレンタルボート釣行です。
 

初日は1人で、二日目はお初な方との釣行。
二日目は間違いなく楽しんじゃうので初日はこの冬色々と感じた疑問を実際に現場にぶつけてみながら釣りを展開したいなと思います。
 

釣果以上に魚の動きを捉えたいですね。
 

例年ではありえないような減水状態とのことですが満水状態で大苦戦した昨年とは違った展開になるのは間違いなさそうでいずれにしても楽しみです。
 

また何か発見があればnoteを通して話したいと思いますので見て頂けると嬉しいです。
 

それでは今回はこの辺で。
 

でゎでゎ👋

 
 
参考文献:川村軍蔵.魚の行動習性を利用する釣り入門-科学が明かした「水面下の生態」のすべて-.講談社.講談社.2011

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