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BUCK-TICK TOUR 2020 ABRACADABRA ON SCREEN in 福岡・その2

こんにちは、hirokoです。
思いがけないニュースに翻弄され、書きかけだったBUCK-TICKフィルムコンサートレポ。本編終盤~アンコール編でございます。
すでに記憶が曖昧で、これは果たしてレポと呼べるのか?って感じですが。
よろしければどうぞ。

フィルコンレポその1(開演前~本編中盤まで)はこちら。

***

ダンス天国で虹色の光に圧倒された後、しん。と静かになるスクリーン。

MOONLIGHT ESCAPE
マントを羽織り、マントに包まれ、マントを翻すあっちゃんの美しさ!
マント=ファントム(或いは魔王・魔女)的なイメージが強かったんですけどね。この曲のマントは温かくて優しい。
傷ついた子供をそっと包み、外界から守る毛布のような。
旅立つ子供を見守り導く、月の光のような、温かさ。
あっちゃんの伸びやかな声が胸に響いて胸がいっぱいになる。
その傍らで、今井さんはどんな時もマイペースに足を上げ、くるくると廻る。

ユリイカ
今井さんの力強い声。
カメラに近づいて、観客を優しく誘うあっちゃん。
ヒデさんのピースサイン。
ユータの笑顔。
絶対的な安心感をくれるアニイのドラム。

目の前に観客はいないのに、いつものライブと変わらず全力のパフォーマンス。素晴らしい映像と音、演出。
自分たちも全力で楽しみながら、画面越しに一緒に楽しもうとしてくれているのに、立ち上がることもできない、声も出せない、思いきり動けない悔しさと悲しさがこみ上げて、涙が止まらなくなった。

普段ならステージと観客がひとつになって、笑顔で最高に盛り上がる場面。
なのに明るい光に照らし出されるのは、静まり返った会場。
スクリーンと会場の温度差がやりきれなかった。

きっと、多くの人が感じていたはず。
消えない変な緊張感と、思うように動けないもどかしさを。
楽しくて幸せなのに、それを表せないジレンマを。
これまで「当たり前」だった歓声、拍手、曲に合わせて動く快感。
それがあんなにも貴重で楽しくて幸せなものだったなんて、と愕然とした。

スクリーンで繰り広げられる世界が美しく素晴らしいものであればあるほど、静かに観なければならない苦しさが募って(家でライブ映像観て踊ってしまう人間なので)我慢していたものがこの曲で一気に決壊。嗚咽をこらえるのに必死でした^^;

でも。それでも。きらきらと輝き、LOVEやPEACEの文字で埋め尽くされるスクリーンを見ていたら。
どんな状況であれ、世界は美しい。
愛を、喜びを、平和を、希望を、恋を胸に抱いて、この一瞬を彼らと生きよう。だって、彼らは私たちに歓びを、楽しさを、届けてくれているのだから。それを全身で享受しよう。
そんなことも思ったのでした。(愛には愛で応えたい♡というお魚のサガが発動。)

忘却
痛みも、優しさも、通り過ぎるもの。
終わりへと向かうもの。
儚いから、何気ないから、美しい。
あっちゃんの声が会場を包む。
儚くて、切なくて、これで本編終わりだなんていやだ。
お願いだから、ここで放り出さないで。
と泣きながら祈るように思っていたら、聞き覚えのあるチャイムが鳴り響く。

Luna Park
なにもかもが儚く消えるのだよ、と言ったそばから
次の始まりと希望、生きる歓びを予感させてくれる。
ともにいるよ。ともに行くよ。パレードは続くよ。
そんなふうに、ふわりと包み込む優しさ。包容力にまた泣く。

時々「無題」とか「愛の葬列」とかで本編終わらせて、とんでもない闇に観客を置き去りにするくせに(そこも好き♡笑)こんな途方もない優しさで包んでくれる人たち。その愛に、優しさに、泣く。(結局ずっと泣いてる。)

この3曲は涙で画面がほぼ見えておりませぬ。
まさかフィルムコンサートでこんなに泣くとは思わなかったわ・・・。

換気のため、ここで15分の休憩です。

という休憩のアナウンスもまた、あっちゃんの声。
一旦落ち着こう、と席を立つ。

休憩終わりのアナウンス。

あと5分で上映再開です。
ロビーにいらっしゃるお客様は、お席にお戻りください。
・・・焦らないで。

もう!もう!!この最後の「焦らないで」!!!
その前の、ちょっとした間!!!
あっちゃんなの。あっちゃんなの!
あっちゃんなんですよ!!!(さっき泣いたカラスがもううるさい)

低音で、優しくて、愛おしすぎてニヤニヤするやつ。
なんだかなぁ。あっちゃんが喋るだけで、壊れるなぁ。
涙もあっという間に乾くなぁ。
泣いたりニヤニヤしたり、ご本人いないのに情緒が大忙しですわ。

で、再び照明が消えてアンコールスタート。

登場したユータと今井さんが、いつもみたいに客席の写真を撮る。
今井さんはいつもよりも長めに、会場を舐めるように、じっくり撮る。
(そんな今井さんを撮るユータ)
撮り終わってオッケー!って感じで親指を立てる今井さん。

観客は目の前にいないのに。今、私たちの目の前にはいないのに。
いつものコンサートと同じように、一緒に楽しんでるって思わせてくれる。
普段あまり感情をあらわにしない今井さんが淡々とやってくれるから、その優しさが余計に沁みる。(今井さんのこういう優しさもまた破壊力抜群なのだ。)ヒデさんはゆるっと眺めてんだろうなぁ、とか、いつもの景色を想像して頬が緩む。あぁもう好きだ、この5人が好きだ。と心の中で叫ぶ。

FUTURE SONG
今井さんが唄う。心なしかいつもより気合が入っている。
5人が見据えているのは、指し示しているのは未来。
先が見えない今だからこそ。

蹴散らせ 退くな 怯むな 進め 未来だ
蹴散らせ 弾けてみせろ そうだ 未来だ
(作詞:今井寿/櫻井敦司・作曲:今井寿)

もうやめて、また涙でスクリーンが見えなくなるから。


MISTY ZONE
腹に響くアニイのリズム、斬りつけるようなギター、あっちゃんの低音ボイス。ただただしびれる。

ミナシ児たちの憂鬱
今井さんの声が呪文みたいに響く。音に飲み込まれて茫然自失。
この歌詞まるっきり今の状況みたいだ。
未知のウィルスは敵なのか?本当に闘わなくてはならないのか?
「平和共存」「welcome to my territory」
これ、これからの世界で大事なキーワードなんじゃないか?既存の小賢しいやり方なんか通用しない、まったく新しい時代の幕開け。そんなことを思う。

GIRL
「とてもいい予感がする」と歌うひと。
こんな時だけど。こんな時だから。甘い香りや髪を揺らす風、青い空、そんなささやかな宝物を、恋心を、大切にしていこう。そう思いながら祈るように合わされるあっちゃんの手をみつめる。

Romance
紫っぽいピンクの照明。
床に映し出される曼荼羅風のアラベスク文様。
世界が一転。ここでロマンスくるかー!
あっちゃん選曲だよね。ってにやりとする。
「あぁ」という一言だけで、無限の表現を魅せるあっちゃんにうっとりする。2004年のPVより美しいってどういうことだろう。

世界は闇で満ちている
白い光に包まれて歌うあっちゃんの美しさ。
「或いはアナーキー」の映像を彷彿とさせる神々しさ。

世界は闇で満ちている 君が輝くために
(作詞・作曲:今井寿)

この人たちが唄う光の歌は、闇の中で煌めく光のように優しい。
ギラギラと容赦なく照らす太陽のような、押し付けがましさが一切ない。
その優しさに、救われる。

New World
完全に泣かせに来ているとしか思えない選曲です。
いや、もちろんね、希望を、未来を、見せてくれているんです。
その示し方がね、優しくて泣けるんですよ。

闇はある。あり続ける。
みんな一人だし、何処から来て何処に行くのかなんてわからない。
でも闇を切り裂いて、新しい世界を創る力持ってんだろ。
そう言われているようで、胸が震える。
世界はちいさくて、かなしくて、おかしくて、やさしい。
優しいあっちゃんの歌声のあと、ステージを横切るようにダッシュする今井さん。その力強いギターに泣く。優しさと強さのコントラストもまた絶妙。

ステージを去る5人に涙が止まんなくて。会場が明るくなってもぼおっとして、一瞬どこにいるのかわかんなくなってました。外に出ても明るくて、また混乱しちゃって。なかなか現実に戻るのが難しかったです。

それぞれの動きとか衣装とか、全然覚えてなくて。
でも時折アップになるアニイの足元と渋い表情でベースを爪弾くユータの、兄弟が刻むリズムがものすごく体に響きました。今思うと、これは会場が静かだからこその恩恵だったのかもしれません。

ヒデさんのくしゃっとした笑顔。くるくる回って足を上げる今井さん。
いつもと一緒だね!って思う反面、最後の最後に見せたあっちゃんの寂しそうな表情が忘れられません。切なくて、愛おしくて、逢いたいが募りました。早く笑顔の5人に逢える日が来ますように。

これからのツアーも滞りなく、楽しく、無事に最終日を迎えることができますように。たくさんの幸せを、美しい世界を、ありがとうございました。

なんか読み返したら泣いてるばっかりですが。
最後まで読んでくださった方、長々とお付き合いありがとうございました。
お疲れさまでした!

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