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ショートストーリー

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ちいさな物語を書いています。 月や星、魔女をモチーフにした作品が多いです。 目標はいつか一冊の本にすること。
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2021年1月の記事一覧

140字小説「蒼」

深い深い海の底 太古の記憶を宿したアンモナイトが呟く 『水底に届く微かな光 果てしなく深い…

140字小説「絶対言わない」

好き、と自覚する前に 友達になった。 好き、と気づいた時にはもう あなたの隣に彼女がいた。…

140字小説「いずれまた、どこかで。」

旅の途中、幾度となく交わす別れの言葉。 「さようなら。いずれまた、どこかで。」 だけど、…

ため息

がりがりがり。 あぁ、またやってしまった。 あと少しだったのに。 今度こそ。と次の包み紙を…

140字小説「おしまい」

遮断機が上がると急ぎ足でやってくるあなたを、いつもこの窓から見てた。「もう会わない」って…

140字小説・負けず嫌い

会えるのは嬉しい。 一緒に過ごす時間は楽しい。 そのくせ、別れ際にそそくさと背を向けるの…

140字小説・Once upon a time

遠い昔に始まったそれぞれの旅。 道標は、震える心、溢れる涙、消えることないこの胸の炎。 生まれ落ちた瞬間、忘れてしまったものを取り戻せ。思い出せ。 細胞に刻まれた記憶。 生まれる前の大事な約束。 どれもが壮大で緻密な「わたし」という神話の欠片。 僕たちは、約束を叶えるために生まれてきた。 13/100

140字小説・星に願いを

「帰りたい」 どこにいても、誰といても、何をしていても。 不意に浮かぶそんな気持ちを、僕は…