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デジタルネイチャーというまやかし

落合陽一氏が話している動画を見まして、あちゃーと思ったので、どこにあちゃーと思ったのかということを言葉にしてみようと思います。

まず、動画というのは、これです。

それとこれ。

これを見て思ったことは、この人の世界観の先にあるのは、ニーチェが言うところの畜人の世界なんだということです。

デジタルネイチャーということの本質は全部が記号であって、デジタル環境がどんどん進化して、人間の理解を超える所まで来たときに、人間はデジタルの世界の中に吸収されていくしかないということを言ってるように思います。

中身のないまやかしで満足できる人ならそれでもいいのかも知れないけれど、それはある種のディストピアではないですか?

彼の根本的な間違いはすべてはデジタル信号に置き換えられると思ってるところかも知れません。しかし実際は、素粒子で作られた現実の世界は、記号としてのデジタル信号とは本質的に違うんだよね。それは虚の空間が裏にあるからです。素粒子は波動関数を用いないと計算できませんが、波動関数には虚数という概念が出てきます。

科学者的には、これは数学的手続き上の計算に過ぎないとしていますが、本当にそうでしょうか? そこの所をどう理解するかということが、この問題を語る上での鍵だと思います。

現実とデジタル空間をごっちゃにしてる時点で、この人の世界観は破綻しています。だからこの人のいうような選択をしていったとしたなら、最終的に恋愛か戦争しかないという末世的な未来イメージにならざるを得ないのだと思います。

デジタルネイチャーという環境と実際の目の前にある環境には絶対的な差異があるということがわかるかどうかは、もう理屈ではないのかも知れません。その直観性を維持している人が今どんどん減ってきているということが怖いところだなと思います。そして、お金は彼みたいな発想をする人のところに集まるようになってるしね。

こういう詭弁を見抜けない人がどんどん増えきてるということが、シンギュラリティの速度ともシンクロしていて、かなりヤバいところまで来てるということなんだと思いますが、それが今という時代なのでしょう。そして、今となってはこういう話ができる人も少なくなってきてるわけで、はてさて、どうする?って感じですね。

今、見えてると思っているものは脳の中で信号化されて作り出した像であって、リアルな存在とは違うのです。

その信号化された映像や感覚刺激がすべてだというなら、デジタルネイチャーに絡め取られていくのでもいいと思うけど、実際はその像とは別に、虚の次元(死)に裏打ちされた存在の重みがあって、そこにこそクオリアがあるんだよね。それはたんなる像ではなくて、そのクオリアのエリアにこそ人間が人間たる意味があるのだと思うのです。

クオリアとデジタル信号との差異がわかるかどうか、そこのところがわかるかわからないか、それが問題なのでしょう。実存に裏打ちされない信号で生きているとしたら、それはゾンビと何ら変わりません。

それは果たして人間と言えるのでしょうか? 一番人間として大事な部分をそぎ落としてしまった結果現われるのは、まさしく畜人であり、それはニーチェが予言した通りの世界が今まさに目の前に展開されているということだと思われます。

そもそも、死生観が幼稚すぎるんだと思います。しかしこれもまた時代の要請というか、必要なプロセスとしての白羽の矢が立った人ということなので、この人が悪人ということでもないんですよね。まさに時代の試練であり、もしくは先に進むための試験とも言えるかも知れません。

でも、だからこそ考えないとね。自分で考えないといけません。

一見頭の良さそうな人の、都合のいい論理に巻き込まれないようにね。畜人と超人の境目がそこにあると言っても過言ではないのかもって思います。

超人は存在の本質を見抜く視力を持った人であり、次元を超えた視点を手に入れられるかどうかは、ひとえに次元を超える感性を持っているかどうかというところに寄るようにも思えます。

そのことをずっと言ってきたのが、ヌーソロジーであり、半田さんだったのかと、今になってつながって来ていて、ここ2~3年、特にシンギュラリティがもう来ちゃうという今だからこそ、ヌース的な次元を超える視点を思考的に理解しておくことは大事なことだと思います。

昨日、書いた原初舞踏も、その虚の裏打ちされた世界に侵入するための方法論のひとつだと思うんですよね。僕は実際に経験してしまったので、それをいかに表現していくか、言葉にしていくかということを考えています。そうして「器官なき身体」という領域にはいることが、ニーチェのいった超人であり、ヌーソロジーのいう変換人であり、そこに進化の鍵があるのだと思います。

デジタルネイチャーの先には何もないよというのが、今日言いたいことですね。いや、これはほんと大声で叫びたいくらいの話なんですが、まあぼちぼちといきます。

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