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マーズリターン

マーズリターンというのは、あまり聞いたことはありませんが、ちょうど9月2日にトランジットの火星がネイタルの火星とコンジャンクションするというタイミングだったので、その瞬間のチャートを見てみました。

火星回帰のチャート

アセンダントは蠍座27°、Mcは乙女座7°、太陽が乙女座10°、月が蠍座19°です。

グランドクロス

目立つアスペクトとしてはトランジットの月と天王星のオポジション。そしてこれはネイタルのAC~DCの地平線とほぼほぼ重なっています。

ネイタル太陽とトランジット土星のオポジション。そしてその二本の軸が2°のオーブで直行してるので、グランドクロスができていますね。まだまだ続く不動宮グランドクロスの一環という感じです。

ぱっと見た感じでは、なんだか大変そうだなという感じがします。

火星が次にまた返ってくるのは、2024年7月31日ということなので、このマーズリターンのチャートはこれからの1年11ヶ月を占うチャートと言うことになるのだと思われます。

アセンダントのサビアンとルーラー

アセンダントがこのチャートの始まりを表わしますから、まずはそのあたりから見てみます。アセンダント蠍座27°のサビアンシンボルは「行進している軍楽隊」でした。

行進している軍楽隊
自分で確信を得た考え方や生き方を、多くの人に宣伝して、広めたくなります。他人の考え方を変えてゆくことに興味があり、自分が信じている信条を、他の人も体験してみるべきだと考える傾向があります。

サビアン占星術 松村潔

ここから始まるのは、アウトプットという感じでしょうか。自分の考え方を人にも伝えたくなるというようなことが書かれています。たしかに、世界の状況などを鑑み、もの申したいという思いはあるので、そういう気持ちを持ちながら動き始めるのかも知れません。

アセンダントルーラーは冥王星と火星です。冥王星は3室にありますから、自分の考えを表現することのために生きるという感じですね。また火星は7室ですから、誰かに絞って、エネルギーを傾けるという感じでしょうか。誰かということについては、これはと思った人にアクセスするということでいいのではないかと思っています。

他者について掘り下げることは、結局自分を掘り下げ、磨くことにつながっていくことですしね。

Mcのサビアンとルーラー

そして、次に注目するのが、MCです。これはこのチャートにおいて目指すところという事になりますが、Mc、乙女座7°のサビアンシンボルは「ハーレム」でした。

ハーレム
人間関係の互いに依存しあう関係性を利用して、心理的、情感的にもっと大きな振幅を作り出し、この中で非日常な体験をしようと計画します。男女関係のゲームなど関わりやすい人です。誘惑する性質があります。

サビアン占星術 松村潔

こういうのは、どう解釈したらいいのでしょうか? ひとつ前の「メリーゴーランド」では情感や言葉で遊ぶイメージというような感じで、ひとつあとの「最初のダンスの練習」では「情感や生命力を活発化させるために、ひとりで自発的に盛り上げようとします」なので、「ハーレム」の段階ではまだ他者との関わりの中で、練習しているというようなところがあるのかも知れません。

予定通り、これから新しく仕事として星読み的な事を立ち上げていくとしたならば、人と関わりながら、なんらかの回路を開いていくというような感じなのかなと思いました。

太陽のサビアンシンボル

続けて、太陽が乙女座10°「影の向こうを覗く二つの顔」でした。

影の向こうを覗く二つの顔
この度数の人は、自分の限界を超えようとして、実力を超えて無理をしますが、そこで自己の"影(抑圧された無意識)”の像をかいま見るような怖い体験をしがちです。その体験は人生観を作り出す上で大きな影響を与え、臆病になることもあります。

サビアン占星術 松村潔

太陽はMCから3°進んだ所にありますから、これも先ほどの情感と生命力を活発化させて、非日常的な体験を通して開こうとした回路の一環で、さらにその先に入り込もうとしてるのかも知れません。

太陽は誇りと尊厳ですから、ちゃんと無意識の領域にも向かい合うこと、その世界を掘り進んでいくことに挑戦することで、自尊心を培うことができるのだろうと思います。怖い世界ではあっても、そこに向き合うべしと思っているようですね。

まさに、占星術を掘り進めていくということは、今まで見えていなかった潜在意識、無意識の領域に入っていくことになるのだと思います。それとともに、外に出て行くということの恐れというのもありそうですね。持論を公の目に触れるところに公開するということについてのためらいというのは、このnoteを書くことの中で、感じています。特に、「月は欠損という考え方について」とかを公開するときには、マジでそのプレッシャーを感じました。

しかし、そのプレッシャーを超えて出していくというのが、10室の意味でしょうね。10室のハウスルーラーは火星ですから、まさにドンピシャで今課題に取り組んでいるということだと思います。

月のサビアンシンボル

月は蠍座19°「聴いてはしゃべっているオウム」でした。

外にはうかがい知れない集団的な意志を、鏡のように映して表現できる人です。巫女的な受容性があるのですが、自分ではあまり意味がわかっていません。しかし意味がわかると逆に伝達力の正確さを失います。

サビアン占星術 松村潔

この月はアセンダントの8°手前、ネイタルのアセンダントの割と近くです。

このサビアンシンボルを解釈していくならば、無意識領域にアクセスして、それを言葉にすると言うような感じでしょうか。まさに巫女的な感じですね。エドガーケイシーは眠る巨人と言われ、眠りながらチャネリングをしたと言われていますが、なんとなくそんなことが浮かびました。

どちらかというと、頭で理詰めで理解していくと言うよりも、感覚的に、直観的に、言葉が降りてくるというようなスタイルなのかも知れません。これがアセンダントのすぐ近くにありますから、直観を信頼するというようなスタンスを大事にする方がいいのかも知れませんね。

双子座火星

以上のことから、この火星回帰のタイミングで、これからやるべきこと、大事にするべきスタンスというのが、示されているチャートだったと思いました。

火星自体は双子座ですし、それ自体のサビアンシンボルは「産業労働者のストライキ」です。

この度数の人の中には、個人には能力の差があり、また努力の違いも違うにもかかわらず、それを無視して権利を主張し、社会的な立場の逆転をはかる人もいるでしょう。下克上の考え方はいい面もあるので、穏和な使い方を考えましょう。

サビアン占星術 松村潔

ひとつ前の「古風な井戸」では公平に分配しようとする人が描かれています。この「産業労働者のストライキ」では世の中の不平等に対しての不満が見えますし、心の底では平等に、フェアな関係性を作りたいと望んでいるという感じですね。そのためになら、挑戦することもやぶさかではないと言う感じです。ひとつ後ろの「矢で満たされた矢筒」では目的を達成するために、戦いも辞さずという姿勢になっています。

そういう点では、これからの約2年の火星のテーマとして、進んでいく方向性というのが、おぼろげながら、見えてくる感じがありますね。

直接、他者や社会と闘うというのではなく、無意識の領域に向き合い、無意識領域にアクセスして、言葉を繋ぐというようなことを通して、人の意識を変えていけたらいいなと言う感じでしょうか。

グランドクロスが見えますし、簡単な道のりではないのかも知れませんが、ハイリスクハイリターンですし、それだけ課題が明確に示されていると言うことでもありますし、そこを絞って、しっかりとクリアして行けたらと思っています。そのためにも火星のエネルギーもうまく使えるようにしたいと思います。

最後に

そして今思い出しましたのが、ミカミ・ポーラさんの「双子座火星の人はねえ、割とずけずけ物を言う人が多いんだよね。」という言葉。

ああ、たしかに「月は欠損」というテーマに関してとかも、こうやって実際に書いてしまうところとか、この双子座火星のエネルギーを使ってるという事になるのかも知れません。今になってそういうことかとつながった感じがします。

それと、それに関連してもうひとつ、思い出すポーラ先生の「水星と火星がオーブは少し広いけど60°(セキスタイル)のアスペクトがあるので、こういう人は年齢を重ねて経験が増してくると、そのずけずけ言う言葉の中にも、水星的な知性がキラリと光ると言うようなところが増えていくのではないかと思うんですよね。」という言葉。

この水星と火星のアスペクトが効果的に作用し始めているとするならば、いいなと思います。読んでくださった皆様はどのように感じられるでしょう? 9室水星に対しては、火星のフォローも入りますし、それはこれからの具体的な展開にとっての原動力となってくれるのかも知れませんね。


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