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異世界へのエレベーター

かなり前のことになります。
その日は、入院した祖父のお見舞いに行きました。

私と妹は病院のエレベーターにのり、病室がある部屋の階のボタンを押しました。
が、押したところとは違う階で止まったそうです(後で妹が言っていました)

エレベーターが止まり扉が開きました。誰か乗るために人がいるわけではなく、そこは薄暗いような薄グレーのような色をした病院の廃墟のようなところでした。。

一瞬、あれ?と思うのですが、そこに吸い込まれるように私たちはエレベーターからでて、歩き始めました。

エレベーターが開いてそんなところだったら、
怖くて慌ててボタン押して、すぐに逃げようとすると思います。
ですが、へんだなと、頭のどこかでは思っているのですが怖いという感覚はありませんでした。。

歩きながら、あれは聴診器かな?などと考えることはできるけれどぼーっとしているような感じでした。
蜘蛛の巣のようなもの、黒っぽい鞄があって、
それらを観察するようにただ見ながら歩き続けました。

しばらく歩いたとき、ふっと、
あ、ここにいちゃだめだ。と思いました。
我に帰るようなかんじでした。
急に怖くなり、同時に妹も思ったらしく私たちは急いでエレベーターに向かって走りました。とにかく猛ダッシュしました
扉は開いていたと思います。

その後の記憶がはっきりとはありませんが
祖父のいる病室へ行くことはできました。
気持ちはお見舞いどころではなかったです。。(ごめんなさい…)

今でも妹と、この時のことを思い出して
「私たちどこへ行っちゃったんだろうね」
「戻ってこれてよかったね」
「なんで降りちゃったんだろう…」
「こわかったね…」
などと、話すときがあります。

空間と空間の狭間のようなところなのか
病院の未来または別の世界線なのか。。。?

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