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読んだ本『ロートレック荘事件』筒井康隆著

文字ならなんでも読みたい乱読派のギータです。

筒井康隆さんの著作は面白い。改めて。
筒井康隆さんは大学の先輩に当たる。ずっとずっと先輩で伝説の人なのだけど。
『文学部只野教授』の舞台であった大学の(そうとは書いてないが同大学出身なので)美学及藝術学専攻だった私に大ヒットし、それ以来筒井節にやられてます。
推理小説は読む方ですが、これは「やられた・・・」と思いました。
出だしは、普通です。とあるところに集まったところで人が死ぬ。ロートレック荘とタイトル通り、この荘が舞台の殺人事件。
ですが、読んでいくうちに誰がストーリーを進めている主役かわからなくなり、そこが騙されたにつながることになります。
私は通常読む速度は速いのですが、この本は速読おすすめしません。
わからなくなりますし、トリックを楽しめなくなります。
大切なのは心理。登場人物の設定が冒険的なんです。事故で障害者になった人物を出すってなかなか。その人に対する態度も綺麗事だけでない不躾さを描いています。画家ロートレックからヒントを得てます。ロートレックは病気により足の成長が止まり小さかったそうです。そのロートレックをコレクションし飾った別荘地が舞台。ロートレックの作品も出てきて、口絵もカラーで見られます。
こういう時にさすが美学及藝術学出身とにやけてしまう。その主人公も美学出身でその親友も芸術家という設定。これは私の勝手な萌えポイントなので気にせずに。

よくよく考えて読まないと今誰がストーリーを進めているのかわからなくなり、騙される仕組み。
推理小説としては面白い。最後の心理の吐露が最高でした。

あ〜騙された。面白かった。


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