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ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展@大阪国立国際美術館


最初に


大阪国立国際美術館ピカソ展行ってきました。

正式名称は、
「ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」
2023年2月4日(土)– 2023年5月21日(日)

ドイツ生まれの美術商ハインツ・ベルクグリューン(1914-2007年)のコレクションを収蔵展示する美術館として1996年に開館し、2004年から現在の名称に改名。

今回は、そのコレクション97点をまとめて紹介する日本初となる展覧会です。
ピカソと同時代に活躍したブラック、クレー、マティス、ジャコメッティなど
ベルクグリューンが愛した作品と日本の国立美術館が所蔵する11点展示。

ピカソが一番多いというように、初期作品から晩年まで揃っているため、作風の移り変わりが見られます。

作品勝手にピックアップ


序 ベルクグリューンと芸術家たち


ピカソの「眠る男」と
マティスの「パ リ 、 ベ ル ク グ リ ュ ー ン 画 廊 の 展 覧 会( 1 9 5 3 年 )の ためのポスター図案」
1942年
がお出迎え。

「眠る男」パブロ・ピカソ 1942年 墨、紙



「パリ、ベルクグリューン画廊の展覧会(1953年)のためのポスター図案」アンリ・マティス 1952年 切り絵、画用紙

I. セザンヌ― 近代芸術家たちの師


印象的な作品は
ピカソ達が尊敬したいたセザンヌの作品。「庭師ヴァリエの肖像」水彩で美しい色彩が印象的な肖像画。
みんなが尊敬したのがわかる。すごい、美しいし、スケッチも構図も素晴らしい。

「庭師ヴァリエの肖像」ポール・セザンヌ作 1906年 水彩、鉛筆、紙

II. ピカソとブラック― 新しい造形言語の創造


ジョルジュ・ブラックとキュビズムを探求した頃。

ピカソの「座るアルルカン」水彩で赤い背景に黒インクのアルルカン道化師が座っている作品。
赤い強い色の背景に人間は影のよう。目線を斜め下方向にぼんやりしている若そうなアルルカン。
赤なのに青の時代のような雰囲気です。

「座るアルルカン」パブロ・ピカソ 1905年 水彩、黒インク、厚紙

びっくりの「アビニョンの娘達」のスケッチ「女の頭部」2点。
最初のは、赤い線と黒い線は印象的だけど、割と素の表情がわかるものですが、2点目はもう土偶みたいな顔になっています。

「女の頭部」パブロ・ピカソ 1906-07年 テンペラ、黒インク、紙



「裸婦(《アヴィニョンの娘たち》のための習作)」1907年 パブロ・ピカソ 油彩、カンヴァス

III. 両大戦間のピカソ― 古典主義とその破壊

ナチス占領下、4年もの間自由に動けず、こもって絵を描き続けたピカソ。
移住も進められたそうだけど、それはせず、発表はできないまま創作活動をしていたんですね。

「座って足を拭く裸婦」
これはローマ古代彫刻「棘を抜く少年(スピナリオ)」をなぞったものだそうです。
学生のころ、この棘を抜く少年の研究をいている人がいたな〜。有名だったのかと今さら認識。
ピカソ、変な絵を適当に描く人ではないですからね、ということがよくわかるコレクションでもあります。

「座って足を拭く裸婦」1921年 パブロ・ピカソ パステル、紙

個人的に気になったのは、「踊るシレノス」
シレノスはギリシャ神話に出てくる太鼓腹の背の低い森の神である。牧羊神パンの息子でもあり、シレノスは大変に賢く、
ディオニュソスにぶどうの秘密を教えたそう。
ディオニュソスとシレノスは、地中海沿岸を旅し、人々にぶどうの栽培を教えました。
二人の後には、酔い、踊る人々がついてまわるディオニュソスの信者たちである。
信者の中には、サテュロスやバッカンテ(バッコスの巫女)たちがいた。
踊る人たちの一団ですね。楽しそう。


「踊るシレノス」1933年 パブロ・ピカソ グアッシュ、墨、紙

IV. 両大戦間のピカソ― 女性のイメージ

女性関係も派手なピカソ。
「泣く女」のモデル写真家で画家のドラ・マールが美しい。「緑色のマニキュアをつけたドラ・マーラ」が素敵でした。
つい、緑のマニキュアを買おうかと思ってしまったくらい。

「緑色のマニュキュアをつけたドラ・マール」 1936年 油彩、カンヴァス

戦時中の大きな作品 ナチス占領下で描かれた大作
「大きな横たわる裸婦」は圧巻

「大きな横たわる裸婦」1942年 パブロ・ピカソ油彩、カンヴァス

V. クレーの宇宙

パウル・クレーの作品はタイトルと作品が結びつかないので、クレー作品群を見終えて頭が疲れていました。

神智学に興味のあったらしいクレーの一面が見える作品?
「黒魔術師」

「黒魔術師」1920年 パウル・クレー 油彩転写素描、水彩、チョークで地塗りをした紙、厚紙に貼り付け

何があったのか気になる作品
「知ること、沈黙すること、やり過ごすこと」

「知ること、沈黙すること、やり過ごすこと」1921年 パウル・クレー   油彩転写素描、水彩、チョークで地塗りをした紙、厚紙に貼り付け


色彩が美しい「平面の建築」

「平面の建築」 1923年 パウル・クレー 水彩、鉛筆、厚紙に貼った紙/水彩・ペンによる上下の縁取り下辺に水彩・ペンによる第ニの縁取り


これのどこが中国?と思った「中国の磁器」も気になった作品。

「中国の陶器」 1923年 パウル・クレー 水彩、グアッシュ、ペン、インク、石膏ボード、合板の額

ちょっとシュールと思ったのが
「少女たちの光景」1923年
少女が数人描かれているのですが、よく見たら全員お腹あたりが空白ちょんぎられている。
1人は空白の腹部あたりから血が流れているようです。
普通に喋ったり、歩いたりしているのでさらに怖い。

「少女たちの光景」1923年 パウル・クレー 油彩転写素描、鉛筆、水彩、厚紙に貼った紙/水彩、ペンによる上下の縁取り/下辺に水彩、ペンによる第ニの縁取り

VI. マティス― 安息と活力

マティスは明るく楽しい気分になりました。
「ニースのアトリエ」は美しい色彩の室内で、窓から外も海が広がり明るい陽光が差し込む1枚。
こんなところで絵を描いたら、そりゃ美しい明るい色彩になるでしょうね。

「ニースのアトリエ」 1929年 アンリ・マティス 油彩、カンヴァス

でもちょっと不穏な作品も
「家に住まう沈黙」1947年
2人の人物が隣り合って座っているけれど、なんだかシーンとした感じです。
愛のない感じがするのは気のせいだろうか?
そういえば、マティスは恋多き人だったような?
そして奥さんはとても嫉妬深い人だったはず。
なんとなくそんな家はこんな感じだろうかなんて想像してしまいました。
想像です。


「家に住まう沈黙」 1947年 アンリ・マティス 炭、紙

VII. 空間の中の人物像 ― 第二次大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ

ジャコメッティー「広場Ⅱ」1948ー49年ブロンズ
彼らしい細長い針金のような人物がブロンズの板でできた広場の上を数名歩いている様子。
針金みたいなのに人が生きて動いている様子が見えてくるから不思議です。

「広場II」 1948-49年 アルベルト・ジャコメッティ ブロンズ

全て、素晴らしいコレクション。
写真もコレクションに関しては撮影可能でした。
他の美術館からの貸し出し作品は不可でしたが。

ハインツ・ベルクグリューン氏について


コレクションを作ったベルクグリューン氏は美術批評家でもあり、ギャラリストでもあった人。
ユダヤ系だったので世界大戦中はアメリカへ移住。カリフォルニアで美術を学び、サンフランシスコモダンアート美術館で働き、
その後、第二次対戦後、ヨーロッパへ戻り、フランスシテ島でギャラリーを開いたそう。
なんかいいですね。シテ島でギャラリー。
ピカソに気に入られてお抱え画商になり、20世紀フランスの絵画を数多くコレクションしていたそうです。
メトロポリタン美術館にもクレー90点寄贈したりしたそうですが、大きな美術館で作品が埋もれることを危惧して
コレクションをあちこちで展示。

ドイツで当時118点からなるコレクションは、1997年に一般公開されました。
2000年、コレクション165点(ピカソが85点)プロイセン文化遺産財団に売却しています。
現在は、ベルリン国立ベルクグリューン美術館に所蔵されています。

ピカソ展は人出が多いようでした。今日は平日で混雑というほどではなかったです。
これから春休み混みそうですね。混雑状況を見てお出かけください。

大阪国立国際美術館のHP


  
ピカソとその時代
ベルリン国立ベルクグリューン美術館展
2023年2月4日(土)– 2023年5月21日(日)


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