電波ちゃんとロックの出会い
わたしの心に到達出来るもの。
それは一番は音楽である。
わたしの暗闇を壊してくれた存在。
それは 「LUNA SEA」だった。
わたしは高校時代とあるストリートライブに通うことが生きがいと言っても過言では無かった。
絶対に売れる。
そう確信していた。
容姿もよくそこはかとなく可能性を感じたから。
キラキラしていたね。いつも。
わたしはそのキラキラさに憧れたが、反面自分の闇が浮き彫りになるようで、なんとなく気恥ずかしかった。
彼らはライブハウスでもライブをしていた。
わたしは、バンドサウンドがすきなのだろう。
そして、今思えばロックがあの頃からすきだったのだろう。
基本青春っぽいラブソングとか、しんみりした泣ける人生応援歌とか、たまに爆発したロックな曲とか。その、基本青春っぽいラブソングには全く共感出来なかったけど、まぁ、そういう恋愛をしてきはったんやろうと。なまぬる〜い気持ちで聴いていた。
ライブハウスのライブの方が楽しい。
ぐらいの感覚だった。
バンドサウンドがよかった。
そこでわたしはLUNA SEAに出会っていた。
ボーカルがふざけて、カバーした「TRUE BLUE」
当時はLUNA SEAは「過去のバンド」扱いだったのだろう。そこにコアなLUNA SEAファンがいたとは思えないような空間で。
LUNA SEAは、あくまで、「ネタ」みたいな感じだったよね。
でも、それがLUNA SEAに触れるきっかけだった。
よくよく考えるとわたしは小学生の頃、河村隆一という存在に心惹かれていた。
でも、CDを買ったりだのするほど、自分に素直に行動出来るタイプではなかったから。
なんとシャイだったのだろうと思う。
ごめん、話は突然ストリートライブに戻る。
ストリートはストリートで空気感が、すきだった。
人を集めてみんな彼らの演奏に聴き入る。
時折、足を止め聴いていく人々
気づいたら、歩道橋にまで人だかり
都会の雑踏に咲く花のようにそこだけが華やかだった
次第に染まっていく夕暮れの茜色の空、、、
今、彼らの曲を聴くと何だか気恥しい気持ちになることもあるが、当時はそれがすべてだった。
しかし、途中からそこはわたしの居場所ではないと悟る。
わたしは暗いから。わたしって暗かったくせに明るいふりをしているダサい人間だったから。
忘れてた。そのことをね。
深い闇へひとりで堕ちてしまった。
そして、心の中に宿していた蝋燭(ろうそく)が消えた瞬間、わたしの世界は静かに終焉を迎えた。
たとえば、蝋燭(ろうそく)がふっ…と消えるその瞬間。それに似たものを感じた。
世界は灰色になった。空は暗く重く、心も闇に蝕まれていった。
学校へは行かなくなった。
誰も信じていなかった。
自ら社会のレールを踏み外すということを決断した。
その覚悟をするまで。
葛藤しながらその決断をするまで。
はじめて死にたいと思った頃だった。
どこまでも長い闇が続きそうで、抜け出すには相当の時間が掛かるだろうと。
素直に自分と向き合ってこなかった代償だと思った。
それからは家に引きこもりテレビドラマや映画を観て感情移入をすることを覚えた。
作品を観てボロボロ泣くこと。そしてその作品が伝えたいことを考える。
なんとなくすっきりした。なんとなく救われた。
ただの娯楽ではなくなった。
レンタルショップにもよく通った。
色んな映画や音楽に触れてみようと。
17歳のカルテは何度も観た。
アメリは自分の暗闇や空虚を肯定するものだった。
あとはあんまり覚えてない。
ペイ・フォワードとか考えさせられるものがすきだった。
そして、どうせ死ぬならなんとなくすきな気がしたかっこいい音楽を聴こうと思って「LUNA SEA」の「PERIOD」を借りた。
それが本当のLUNA SEAとの出会い。
わたしはそうして彼らの歴史を遡っていったのだ。
あの日、音楽を聴いてはじめてボロボロ泣いた。
ライブハウスにいたあいつらはネタ扱いしていたけど。
これがあれば、いくらでも生きていけるかもしれない。
そう思えた。
それから様々な音楽を聴くようになっていった。
暗闇には暗闇を。
痛みには痛みを。
暗闇には明るさが勝つ?
痛みは我慢しなければいけない?
そんなことはない。
心の周波数を合わせてみて。
怖れずに、心の周波数を合わせて。
あなたの耳にはどんな音楽が流れてくる?
あなたの心にはどんな音楽がフィットする?
まだ流行りを追いかけるの?
一般的なイメージを気にするの?
そんなくだらないもの捨ててしまえ。
明日には野垂れ死ぬかもしれない。
それなら夜な夜なすきな音楽を聴こうぜ。
そうすれば、そのうち朝が来るから。
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