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あの夏の思い出
夏が毎年やって来る限り
私はあの頃の夏をいつだって思い出せる
竜宮城の真珠は途絶えない
遥か遠く海の深底に沈む楽園の地
その重さは計り知れない
脆さ儚さ全てを抱えここに来た
信じるものなどなにもなかった
好きなものさえも
見せかけの透明衣に隠して
移り変わる情景に目が離せなかった
弾け飛んだ真珠を飲み込んで
生み出したものは
誰も愛せない
私は誰の事も好きになれないんだと
素直に心を差し出して
優しく受け取ってくれるような
ぎゅっと優しい手のひらに包まれたい
今日という一日が永遠に続くのならば
あっという間の二週間だった。
これほどまでに真剣になれる出来事は
もう起こらないと思っていたから。
あなたが残していったひとつひとつを思えば
全てが尊くて必要で
終わりは呆気なく
早々と通り過ぎていくものだと思っていたけど
こんなにも一分一秒あなたと過ごせる一瞬を
大切に紡いでいくことで
確かに二週間という期間は早すぎたかもしれないけれど
どれもが大事で充実した
短く長いあな
あなたがいない世界は
失ったまま時間が止まったものを
追いかけ続けた経験はあるでしょうか