精神科で救われる漫画が読めなかった話

私が死の淵を彷徨っていた頃……とはいっても超健康体で自殺未遂などはなく、漠然とした希死念慮を抱えて自傷行為に走っていただけの頃のこと。

私はある精神科系の漫画を読んでいた。
自身の心理学の勉強に役立つと考えたからである。

ここでは漫画の名前はあえて出さない。
その特定の漫画を批判したいわけではない。
ただ設定が当時の私には苦しかった。

概要を簡単に説明すると、精神科の先生に焦点をあてたものである。
やってくる患者たちの苦しみに寄り添い、患者たちはその人とのカウンセリング、関わり、サポート、日常生活での生活の変化によって救われていく。

普通のストーリーとしては申し分ないし、内容もとても勉強になった。

しかし、当時薬を飲みながら希死念慮と戦い、いつ終わるか、いつ完治するかわからないものを抱えていた私としては……

精神科に通って終わり(完治)を迎える、または迎えるだろうと匂わせするストーリーと、
支える人が周りにいるという描写が苦しくてたまらなかった。

そういう話を描くなというわけではない。
話をまとめるにはそうするしかないし、私だって今ならそう描くだろう(治らない様をそれで描いたところで漫画特有の無駄な引き延ばし感が拭えないし)。
ただ、私には合わなかっただけの話である。
もしかしたら同じ感想を抱いたものもいるのではないかと思って書いてみた。

苦しくなってからはその本を読まなくなった。
おそらく元気になった今なら読めるだろう。
その漫画を読むと勉強になるし。
しかし、当時は漠然と思っていた。

私にはなぜ"周りの人"がいないの?

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