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とんたた

 子ども食堂。お鍋いっぱいのそうめんを茹でる。
 たくさん入れすぎてしまって、そうめんはお鍋の中で固まってうどんになった。みんなでやわらかいうどんを食べる。そうこうしているうちにアイスがきてピザが来ててんやわんやの大騒ぎになった。
 大騒ぎの中、七夕の短冊の願い事を書く。願い事が思いつかなかったのでこう書いた「いい願い事が思いつきますように」願い事は言葉にするという過程が1番難しい。そういう意味でとても欲張りな願い事だった。
 人の名前が覚えられない。何度も聞く。
 子どものパワーをまともに受けると疲れるので、かわしながら遊ぶ。かわしすぎて亡霊のようにならないようにたまにアティチュード込める。その場に居続けるための疲れない力の流れ。
 次の予定の時間になって、帰らせたがる親と、まだいたい子どもの攻防。飛行機見に行くよ、とか言葉で釣るけれど、子どもは興奮状態で目も合わない。お母さん行くからね、と姿を消してみても、お母さんがいなくなったということはまだ遊べるってことだやったーなどと言っている。これは興奮を一旦鎮めないといけない。子どももわけがわからなくなっている。冷静にさせる時間もないので大人3人でなんとか靴を履かせて、押し出すようにする。最後は力技。
 蜘蛛がいるので来てと言われて行ってみたら、ハエトリグモ。蜘蛛がいるから退治してという意味だったけど「これはハエとか家に入ってくる虫を食べてくれるいいクモで、益虫って言うんだよ。かわいいね。」と言えば、しげしげクモを眺めていてかわいかった。
 子ども食堂の手伝いなんて、頼まれた時はできないと思っていたけれど、やってみれば楽しいのだった。

 先日バーで知り合って連絡先を交換した人から、福岡に来て間もなくて友達もいないので、一緒にお店巡りをしてくれませんかと言われる。酔っ払って陽気に踊る明るい人、という印象を与えてしまっている。
 そう言われるのは去年から2人目だ。前は、シェアハウスの内覧に来た人に、その人は結局住まなかったけれど、友達になって福岡をいろいろ教えてと言われた。私はお店を一緒に巡ってくれそうな人、なのだろう。お店については何も詳しくないのだけど。
 とりあえずなんでも快諾する。楽しそうならなんでもオッケー。

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