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地主とは?地主の歴史やビジネスモデルを解説します。

地主(じぬし、じしゅ)とは、土地や建物を貸し付けて、それで得た地代(賃貸料)を主たる収入として生活する人のことを指します。

日本では、明治時代の地租改正(1872年)で、田畑の永代売買が解禁され、土地の所在や面積、持ち主を明記した地券を交付し、私的な所有を認めたことから「地主業=不動産賃貸業」がはじまったとされています。

地主(じぬし)の由来は?

地主は古来より、その土地の主(ぬし)となって守護する神ともいわれ、その土地や屋敷を守護する役目でした。

地主という言葉は8世紀頃より見られますが、元々は、班田収授法に倣い、大化の改新(701年)により本格的な土地所有の制度ができたことにはじまります。土地はすべて国有であり、国から人民に分け与えられました。

その後、10世紀頃に田堵(たと)といわれる有力百姓層が田地を経営をするようになりました。これが地主の原形です。

中世(11世紀~16世紀)になると、荘園制の下で、貴族や武士が地主の権利や得分を指すようになりました。

その後、戦国時代から江戸時代(16世紀~19世紀中頃)には、封建社会の下で、領主が地主となって領有権を持ち、農奴から地代(物納:石高や物品)を収取しました。また太閤検地(1582年~)により日本で初めて土地調査が行われ、一筆という単位が生まれました。

明治維新後(19世紀中頃~)は、士農工商の廃止や地租改正によって土地の私的所有が生まれたほか、物納から金納へ移行し、税金を納める形となりました。また戦後は地籍調査(1951年)が行われ、現在の公図や登記簿ができました。

地主学とは?

地主学は、日本で土地や建物を所有する人たちの歴史、慣習や風習、行動様式等を基にして、彼らが所有する不動産の規模や、種類によって「どのような考えの違いがあるか」を調査・研究する学問です。

ここでは現在の地主の種類、ビジネスモデルを簡単に紹介します。


地主の5つの種類

地主は大きく5つの呼称に分けられます。

・地主:土地や建物から賃貸料を得て生活をする人
・家主:建物(主に居住用)を建てて賃貸業をする人
・大家:貸住居、貸アパート、貸マンションを所有する人
・地権者:土地を所有する権利を持つ人
・投資家:不動産などに投資をする人

諸外国では、個人の土地の所有が認められない国や、建物にしか資産価値がない国など、土地に関する権利や、建築の法律や慣習等に違いがあります。

ここでは日本の地主に焦点を当てていきます。


地主のビジネスモデル

地主のビジネスは、基本的に家賃を得て生活をする賃貸業です。

地主の主な収入源は「賃貸料」です。

賃貸業のビジネスモデル(※不動産オーナー経営学院)

ビジネスの基となる社会システムは「資本主義」です。

日本では中世より、領主が国を治め、土地の管理を任された地主が耕地を小作人に貸し、田畑を耕し、小作料を収取するという「封建主義」でした。

近代の地主業(20世紀初頭)

明治維新後は、株式会社の制度が導入され、一般人にも商売をしたり、土地を所有して貸すという地主業ができるようになりました。

そこで明治新政府は、そこで税の中心を年貢(ねんぐ)から地租(ちそ)に変えて、お金で税を取るようにしました。明治以降、日本は大きく発展し、地価が大幅に上昇したため、その後、土地にかかる税を、地租から固定資産税に変えました。

そして20世紀にはいると、地主は商売をするための建物として、自己使用あるいは家を貸す貸家業が主流となりました。ただし、20世紀初頭では高い建物を建てたり、地主業を投資として考えるには至らず、あくまで商売を営む、家を貸すという平屋が中心でした。

近現代の地主(20世紀後半)

戦後になると、資本家がビルやマンションを建てて人に貸すという賃貸業の原型が生まれ、戦後の高度経済成長期には人口の増加に伴い、住宅にも賃料を支払う賃貸業のビジネスモデルが生まれました。

現代の地主(21世紀)

21世紀初頭に金融ビックバンが日本でも起こり、海外で普及していた金融という概念が賃貸業にも導入されました。

一般の個人でも事業用の不動産投資ができるようになり、21世紀初頭には鑑定手法に「利回り」という評価軸が導入されました。

2003年には不動産REITという証券化ファンドがうまれ、新たな金融の仕組みやお金の運用方法が広まっていきました。

さいごに(筆者の紹介)

私の家業は創業90年になる。

戦前は家族で旅館業を営み、戦後の高度経済成長伴い借金をしてビルを建てた。

1991年に借地借家法という法律ができ、所有権の制度は徐々に整えられつつあるが、私の一家はそれ以前(1990年)に祖父が亡くなり、相続が発生したため、バブル期の高額な相続税や不動産の共同所有により相続争いが起こってしまった。(私は税理士や弁護士では解決しづら、この共同所有とならないための不動産対策を伝えたい)

日本は未だ旧法借地権や、戦後の混乱の中で国から払い下げで得た土地や、届け出をしない未登記の土地がたくさんあります。正しい不動産の知識がないまま不動産を相続をすれば、思いもよらぬ相続税が国から請求されることになる。しかも相続税を1年以内に現金で納付しなければならないというものだ。

諸外国と比べて日本の地主がどうして地域に対して貢献しないのか、資産、お金持ち、というイメージが先行するのか?を検証していきます。

2022年 地主に対するイメージ調査
回答数:178名(全国の経営者向け)
アンケート実施期間:9月1日~9月7日)
アンケート調査方法:JCCS

資産や土地建物:45%
投資やお金:29%
不労所得や安定:13%
負動産、怖い、相続:13%

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