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「地力移植」の観点から音ゲー歴を振り返る

こんばんは。あんでぃです。
早いもので気がつけば自分も修士1年目が終わろうとしていまして、音楽ゲームサークルに所属していられるのも残り1年ちょっと。僕はこういう時期を迎えるとつい人生の振り返りを文章に残しておきたくなるタチで、どこかで音ゲーについても書き残しておきたいなと思い、今時間を見つけてこうして筆を取っています。

ただ時系列順につらつらと思い出を綴ってもいいといえばいいのですが、とはいえせっかくインターネットに公開する以上、何かしら人に与えられる情報が欲しいもの。そこで今回は「地力移植」に注目してみることにしました。

音ゲー界隈ではよく、「破壊」という単語を目にします。大体の場合は原義ではなく、他機種から持ち込んだ地力で通常では考えられない速度で上達していくことを指します。しかし、一言に「地力」といっても機種ごとに得られる地力は様々で、機種によっては非常に独自性が高く、他の音楽ゲームに生きないような部分が伸びることも多くあります。では、どの機種ではどういった地力が得られて、どの機種と相性が良いのか?僕自身、気がつけば10機種以上に手を伸ばしてきた人間になっていましたので、今回はこの点にフォーカスして、触ったことのある機種を順番に振り返ってみようと思います。

地力をもらった音ゲーたち

1. 太鼓の達人

本格的に始めた時期:中2
最高到達点:金九段
最も印象深い曲:D's Adventure Note

最初に触った音楽ゲーム。最初は友人のスマホを借りて休み時間に時折プレイする、程度だったのですが徐々にハマってしまい、中2からは放課後にゲームセンターに通い詰める日々が始まりました。数々の黒歴史思い出がありますが、一番輝いていたのはキミドリver. で「亜空間遊泳ac12.5」を乗り越えて金八段を取得した頃だったでしょうか。当時はスマホはおろか写真撮影機能を持った携帯すら持っておらず、デジカメをゲーセンに持参してリザルトを撮影、パソコンに読み込ませてツイートをする、といった今では考えられないアナログなことをやっていました。
肝心の腕前はモブの一言で、人段位に挑める実力はついぞつきませんでしたが、音ゲー人生の出発点としては最高だったと感じています。その理由が以下。

ついた実力:リズムキープ力、リズム把握力
地力移植先:全部

よく言われることですが、太鼓の達人は単純なゲーム性ゆえに「曲に合わせて16分を刻み続ける」「12分、16分、24分の混じった複雑なリズムを把握してその通りに腕を動かす」といったような力がものを言います。

ネクロファンタジア(おに)
Pastel Sealane(おに)

これはいうまでもなくどの音楽ゲームにおいても最重要となる能力で、またこうした能力を伸ばすのに太鼓の達人ほど適したゲームもありません。「デバイス慣れ」や「認識難」の要素が極めて小さく、リズム周りの力を純粋に問われるからです。音押し・スコアラー寄りの地力形成に大きく寄与した機種であったといえます。

また、地味にリズム把握との関連で見逃せないのが、「他の機種で2種類の操作を「ドン」と「カッ」に置き換えて考えることで、リズムをより感覚的に捉えられるようになった」という点。これが最も活きた機種がオンゲキ、そしてArcaeaでした。

例えば、この譜面。

Viyella's Tears[MAS]

鍵盤と壁が入り混じっていて人によっては最難所となりうる地帯ですが、ここで鍵盤をドン、壁をカッ、と考えてやり、「ドドドカドカドドドカドカ」と頭の中で唱えるとあら不思議。リズムおよび大枠となる手の動かし方のイメージが一瞬で固まり、あとは鍵盤の位置に注意するのみ、となります。Arcaeaでも同様に、譜面研究の際にフロアをドン、スカイをカッ、と置き換えて考えると一気に解像度が上がることがよくあります。

2. REFLEC BEAT

本格的に始めた時期:中2
最高到達点:名誉師範(groovin' UPPER)
最も印象深い曲:RAGNAROK

太鼓の達人同様に、僕の青春を彩ったゲーム。これをやりに中学の近くのやたらとタバコ臭いゲーセンに足繁く通ったものです。当時のリフレクビートの段位道場はゲージを残すだけではダメで、相手のリフレク名人(CPU)のHPを0にする、すなわち一定の達成率を獲得する必要があったのですが、名誉師範ボスのHAERETICUSのまあ難しかったこと。どうでもいいですが、今大学院でラテン語の研究をしているきっかけの一つは間違いなくリフレクで出会ったMAX MAXIMIZERの楽曲群でした。もし修論をうまいことラテン語の研究で書き終えた暁には謝辞に名前を載せようと思います。

ついた実力1:上下振り
移植先:Arcaea

まず、リフレクは非常にざっくり説明すると降ってきたオブジェクトを所定の位置でタップするだけの単純なゲームなのですが、その最大の特徴が、「TOP」と呼ばれる▼マークのついたノーツおよびそれに対応する画面上の判定位置です。

ローング チェインに 2トップ

上の画像で、赤・青のノーツと緑の▼つきノーツの2種類が存在することにお気づきでしょうか。前者は画面下部の判定ラインに重なった時にタップしますが、後者はそのやや上、画面両端にある同じく▼のついた丸印と重なった時にタップします。早い話が判定ラインが2箇所に存在するわけで、上位譜面では混フレやらトリルやらによってこの上下を素早く往復する動きが要求されるようになります。こうした上下振り耐性は当然同じく判定ラインが複数あるゲームに生きるわけですが(あまり真面目にプレイしませんでしたが、今は亡きBeatstreamも内側と外側にノーツを判定する箇所がありましたね)、その最たるものはやはりArcaeaでした。先ほど太鼓の話をするときにチラッと出しましたが、Arcaeaにも画面上と画面下に2つの判定ラインがあり、それぞれが異なる種類のノーツに対応しています。

やや歴史を感じる画像

上のラインでとるノーツをスカイノーツ、下のラインでとるノーツをフロアノーツと呼称しますが、このスカイとフロアが混ざって降ってくる配置に素早く適応できたのはリフレクのおかげで間違いないでしょう。詳細はまたArcaeaの項で述べますが、一般的に見てもかなり速いペースでポテンシャルを伸ばせた理由の一つであったと思います。

ついた地力2:フリック
移植先:OverRapid、ユメステ

リフレクをご存知ない方はさっきの画像と説明を見て「どこにフリックが???」とお思いになったことでしょうが、実はこのゲームには「ジャストリフレク」と呼ばれる、下のように金色のノーツが降ってきた時にそれをJUSTのタイミングでフリックで取ることでボーナススコアが加算される(ついでに、対人戦の時は相手に対する妨害としても機能します)システムが搭載されており、乱打の中で素早く特定のノーツを弾く行為がうまくなります。

これだけでも例えば下のような譜面と対峙する時に有利になるのですが、

血を着飾る栄華のために[STELLA]

ジャストリフレクの本質は「下向きフリック」が鍛えられることにあります。先ほどJUSTのタイミングで弾く、と述べましたが、実はこの時下に弾くか斜め上に弾くかで微妙に挙動が異なります(深掘りするとリフレクの対戦の話を始めないといけなくなるので詳細は省きます)。この「下に弾く」という動作はなかなか身につけられる音楽ゲームが少ないですが、「後続のノーツを巻き込みづらい」という非常に大きなメリットがあります。これはOverRapidで特に役立った能力で、OverRapidというゲームは6レーンの鍵盤ゲームにもかかわらずレーン幅が非常に狭く、かつ判定が非常に緩いため、乱打の中のフリックを横に弾くと頻繁に巻き込みが発生してしまいます。ですが、リフレクビートで培った下フリックによってある程度これを回避することができました。

なお、残念なことにCHUNITHMやCytusIIの横フリック、そしてプロセカの方向指定フリックには現時点では全くもって対応できていません。

3. SOUND VOLTEX

本格的に始めた時期:中3
最高到達点:インペリアル(VF 20.2)
最も印象深い曲:snow storm -euphoria-

リフレクの次に入った機種で、現在でもプレイしているメイン機種の一つです。一時は離れてしまいましたが大学に入ってからまた積極的にプレイするようになり、EXCEED GEARで無事インペリアルを達成することができました。クリアゲーとして遊べる時期が比較的長いゲームでありながらスコアゲーとしての楽しみ方も充実している点が本当に面白いですよね。心はいつまでもGRAVITY WARSに囚われているので、当時やり込んだ曲にEXCEED譜面がついたり、そのリミックスが収録されたりするたびに歓声と罵声を浴びせています。

ついた地力1:4k
移植先:主にCHUNITHM、オンゲキ

下の画像は、このゲームを初めて最初の頃にやり込んだ譜面です。さて、レベルは幾つでしょう?

凛として咲く花の如く スプーキィテルミィンミックス[EXH]


答えは当時で15段階中の9、現在ではなんと20段階中の11です。このようにこのゲームはかなり速い段階から固定4鍵を要求してくるため、必然的にこちらも4kには抵抗感を覚えなくなっていくことになります。

極端な4kの例(SEED (DJ Noriken Remix)[EXH 14])

そしてこの地力もまた汎用性が極めて高い。特にCHUNITHMでは4k、もしくはそれに近似できる配置がかなり定数上で高く評価されており、ボルテの地力転用が大きな効力を発揮する機種であると言えます。

Jade Star[MAS 13+]

ついた地力2:片手トリル
移植先:全部

これはどちらかというと昔の譜面の特徴なのですが、この「片手トリル」もボルテでは比較的下の難易度から情け容赦なく置かれています。

Diamond Dust Black Diamond Dust[EXH 12]
PULSE LASER[EXH 12]

ご覧のように、いずれもトリルが他のデバイスと複合しており、しっかりと片手でリズムを刻まねばなりません。これはリフレクとは違っていて、リフレクでは例外こそあれ基本的にはトリルは両手で取るようにできています(タッチパネル式ということもあり、ロングノーツとトリルが複合したとしても、ロングノーツを押さえている手でトリルの片方を捌ける)。

実際、片手で速さを制御しながらトリルを処理するというのは簡単ではなく、慣れるまでには時間を要しましたが、一度掴んだ勘はその分他のほぼ全てのゲームに活きています。体感として最も役に立っているのはやはりCHUNITHMでしょうか。

Ai Nov[MAS]
親薬でトリルをすると意外と届く
ホーリーサンバランド[MAS]
こういう配置でもトリルのスピード制御は非常に大事

それよりは機会は少ないですが、beatmania IIDXでもちょくちょく片手トリルの力に感謝することも。

Votum stellarum[SPA]

ついた地力3:固定と崩しの往復
移植先:オンゲキ

上の二つに比べると地味ではありますが、ボルテからオンゲキに入った人が異口同音に役立ったと評価している地力です。ボルテではずっと鍵盤に手を置いていればいいわけではなく、つまみがきたら手を離し、つまみが終われば素早く鍵盤に手を戻して次の配置の準備をする、といったように固定と崩しの往復が要求されます。

PUPA[MXM]の突き指地帯

これは鍵盤だけが降ってくる箇所でも同じで、白鍵盤に人薬を、その下のFXに親指を置いておくのが基本形ではありますが、これだけでは押せないような配置が頻繁に降ってくるので、その都度手の形を変える必要があります。

OUTERHEΛVEN[MXM]
固定で押せる人類は存在しない

ところで、この2点は全く同じことがオンゲキにも当てはまります。オンゲキも壁が降ってくれば鍵盤から手を離し、壁が終わればすぐに鍵盤に手を戻す、という往復の動作を頻繁に要求してくる機種ですし、鍵盤だけを取っても固定で押すべき配置とあえて固定を崩して押すべき配置の2種類が存在します。

Good bye, Merry-Go-Round.[MAS]
固定で押す派閥と崩す派閥の論争が絶えない
What color…[LUN]
どう見ても崩し想定だが何故か固定派閥が一定数いる

したがって、ボルテをやっていた人間はほぼそのままの考え方でオンゲキの譜面に挑むことができます。個人的にもこれは鍵盤地力よりもはるかに大きなアドバンテージであると考えており(実際、インペリアルといえどVF20.2程度では、レベル15を相手にすると普通に押し負けます)、オンゲキの複雑なデバイスに適応した瞬間に異常なスピードでレートを伸ばしていくインペリアルの根幹であると思っています。

4. Cytus

本格的に始めた時期:大1
最高到達点:レベル9中位の曲でTP100が取れるくらい
最も印象深い曲:Where you are not

僕を知っている人はちょくちょく僕がCytus老人ムーブをしていることにお気づきだと思いますが、太鼓のところで触れたように僕は中高時代スマホを持っておらず、そのため人のスマホを借りてFDやHalloween Partyをひたすらプレイするだけのキッズでした。本格的にスコア詰めを開始したのはiPadを買ってもらった大学1年の頃で、この間にChapter1を理論値で制覇するところまで行けたのは我ながらなかなか頑張ったと感じています。続編であるCytus IIに全く適応できなかったこともあり最近まではCytusの恩恵を他のゲームで感じたことはなかったのですが、いざ振り返ってみると意外といろいろなところで密かに役立っていました。

ついた地力1:縦連
移植先:全て

皆さんが音楽ゲームで一番気持ちよくなれる瞬間って、なんですか?僕は「ギリギリ間に合う速さの縦連を片手でしばいて全部光った時」です。色々なゲームで発生するのですが、これの原点はどこだろう?と考えると、どう考えてもCytusなんですよね。思春期から逆張りであったところの僕は下のようなトリル想定の配置を片手一本で押し通すことにえも云われぬ快感を覚えており、結果として縦連がかなり得意になった、という経緯です。

Halloween Party[HARD]
BPM155の16分16打
AREA 184 -Platinum mix-[HARD]
BPM184の16分5打 右手で取ると理論値通過

この恩恵は本当に大きく、いわゆる「人種差別配置」、すなわち対策や経験でどうにもならない配置にも立ち向かえますし、運指を組む労力を大幅に軽減できたりもします。

Bioslaves[MXM]
最も有名な人種差別譜面 最後の12連打を片手で通すと気持ちがいい
Outer Wall[SPA]
古い譜面に混じっている大量の縦連もお手のもの
Good bye, Merry-Go-Round.[FTR]
直後に流石に片手では追いつかない連打が降ってくるが、この白鍵3つを片手縦連で処理できると移行がスムーズ

ついた地力2:目押し
移植先:全て

Cytusが誕生したのはまだまだ音楽ゲームというものが世間にそこまで浸透していなかった時代のことでありました。そして、CytusはRayarkという企業が初めて世に出した音楽ゲームでもあります。こうした作り手、受け手の未成熟な部分が何を生み出したか。そう、音ズレです。

16分程度の音ズレは当たり前、1打目からずれている譜面があったり、同じ音の繰り返しなのにだんだんずれていく譜面があったりと恐怖体験には事欠きません。頭がおかしくなるので推奨しませんが、どうしても気になるという方は以下のリンクを踏んでみてください。ちなみに僕はこの譜面理論値済みです。

言うまでもなく、そういう譜面で理論値を狙う際に最も有効な手段は目押しになってくるわけですが、今思うとこの経験が太鼓で培われた音押し地力とうまいこと相互補完しあってくれていたのかもしれません。

実際問題、音ゲーをしていて「よくわからないけど見たまま押さないといけない」配置に出会うことは珍しくありません。

HAPPY NEW SHOW TIME![OLIVIER]
何分なのかいまだに把握していない
Fly Like You[MXM]
こんなんばっかり

本来地力が音押しに偏っているのであればこうした配置は苦手なはずですが、意外にこうした配置に苦労した記憶はあまりなく、見た通りに手の速度を調整して光らせることができます。ビートマニアのいわゆる「ジャリ系」譜面もどちらかといえば得意寄りです。この辺りはCytusでの苦労が報われているのでしょうか。

ついた地力3:下から上へ流れていくノーツへの対応
移植先:Phigros

ここまでCytusのゲーム性について一切触れてきませんでしたが、その最大の特徴は「画面を上下に往復する判定ライン」です。ポップしてくるノーツがその上下するラインに重なったところで画面を叩く、というのが基本のゲームシステムです。

Cytus豆知識:一番上のノーツの名前は「TAP」ではなく「CLICK」である

したがって、当然演奏時間の半分は「下から上へ」操作することになりますが、実は音楽ゲームの基本は「上から下へ」であり、その逆を求められることは多くありません。DDRをプレイするわけでもないので、Cytusのこの側面を他の機種に活かすのはなかなか難しいかな、と思っていたのですが、つい最近活用場所が見つかりました。Phigrosです。

破天荒なギミックの数々で知られるPhigrosですが、その最もポピュラーなギミックの一つが「上下反転」、すなわち判定ラインが画面上端になり、ノーツも下から上へと流れるようになる、というものです。Phigrosを始める前はここへの適応が鍵になりそうだなあと思っていましたが、いざやり始めると意外に押せるんですよね。始めて数日で出した15初APもこの反転ギミック満載のNO ONE YES MAN[IN]でした。

NO ONE YES MAN[IN]
上下に同時にノーツが降ってくる

あまり一緒に論じられているところを見たことがないこの2機種ですが、意外に地力互換性はあるのかもしれません。ところでPigeon GamesさんRayarkコラボは

5. beatmania IIDX

本格的に始めた時期:高3
最高到達点:SP十段
最も印象深い曲:Broadbanded

受験期に「腹ごなし」として始めた音楽ゲーム。昼飯を食ってすぐに自習室に向かうと寝るので、音ゲーをして腹の調子を落ち着かせてから自習室へ、というループを確立していました。受験後はしばらく遠ざかっていましたが、BPLをきっかけに熱意が再燃。BISTROVERで復帰した後受験期から大好きだったBroadbanded(SPA)をクリアし、程なくして自分では手が届かないと思っていた☆12にランプをつけることに成功、さらにはRESIDENTにて十段合格と、順調に実力を伸ばしています。

ついた地力:指の独立性
移植先:SOUND VOLTEX

単純な鍵盤力という点では、SP十段程度で移植できる地力などたかが知れています(KALPAやOverRapidに多少生きている点は否定しませんが、とはいえ☆12の二重乱打に押し負ける人間がオバラピの19↑に挑む上で地力を活かせるかというと甚だ微妙です)。

FestA of PandemoniuM[MAS]
多少ビートマニア地力が活きたと思われる稀有な例

しかし、それとは独立に☆11-☆12下位と向きあうことで得られたものがあります。「指の独立性」です。

俗に「空POOR」と呼ばれますが、ビートマニアではノーツが降ってきていないところを押すと怒られます。つまり、基本的に全押しなどによる誤魔化しが許されず、降ってきたものに忠実に指を動かすしかありません。

Rave*it!! Rave*it!![SPA]
全押しできたらどんなに良かったか

そうなると必然的に「指を一本一本しっかりと別々に動かす」ということに意識が向くのですが、これが最も活きたのはSOUND VOLTEXでのインペリアル狙いにおいてでした。インぺ狙いをする場合レベル19の鍵盤と向き合うことになりますが、こちらも高速高密度を特徴とするものがほとんどで、適当に指を動かしているとすぐに巻き込み・ハマりが誘発され大量失点を喫してしまいます。しかし、指を独立して動かすことに慣れてくると、こうした失点は必然的に減ってくるもの。実際に僕はVF19.7ごろから、ボルテで19を触る日は必ずビートマニアを2-3クレ触ってからボルテをプレイするようにしていたのですが、果たして効果はてきめんで、2週間程度でインペリアルまで駆け上がることができました。

6. ワールドダイスター 夢のステラリウム

本格的に始めた時期:M1
最高到達点:星章95%
最も印象深い曲:Fernweh

現在ちょうどリリース半年を迎えアニバーサリーイベントを開催しているホットな機種、ユメステ。リリース当初に話題性とMika Picazo大先生のキャラデザに惹かれてインストールしてみたところ、意外にソシャゲ部分もしっかりしていて面白く、今に至るまでプレイを続けています。

ついた地力:フリーレーンへの全般的な対応力
移植先:CHUNITHM

僕が最近になってCHUNITHMの殻を破れたのは、ほぼ100%ユメステのおかげです。レート16.3前後で彷徨っていた当時(といっても数ヶ月前の話ですが…)の僕が抱えていた問題点は主に3つ、「判定が合っていない」「エイムが合わない」「運指の切り替えができない」でした。判定は合わせれば良いとして、後ろの2つは実はこれまでまともに向き合ったことがない問題だったのです。そもそも、これまでメインにやってきたボルテやIIDXといったゲームはいずれも固定レーンで、「エイムを合わせる」といった概念がありません。リフレクやCytusにしてもいずれもノーツの当たり判定は広めで、CHUNITHMで直面するような小粒抜けのような現象は起こりえませんでした。また、CHUNITHMでの「運指の切り替え」はボルテの「崩し」とはまた訳が違います。後者は崩すといっても「固定4k」という基本形が一応は存在しますが、前者にはそれがなく、4k、5k、ホールド絡み、エアー絡みなどが刻一刻と切り替わる中でより臨機応変な対応を求められます

これらをまとめて解決してくれたのが、家でプレイするユメステでした。CHUNITHMの「抜け」の原因あるあるとして「手が十分に開けていない」というものがあります。僕がこれに気がついたのはCHUNITHMではなく、ユメステの乱打を通してでした。

Surges[OLIVIER]
ユメステ内屈指のチュウニズム譜面として有名

ユメステ内での同時押しの抜け、あるいは巻き込みと戦っているうちに自然な手の開き方が体に染み付き、気がつけば以前は見るたびに顔を顰めていた下のような3つ同時押しの対処までできるようになっていました(その「自然な開き方」を人薬でやって間の中指を下ろすだけなのでそれはそうなのですが)。

ネ!コ![ULT]
神譜面

また、「横に広い2つ同時押しを片手で処理する」という能力もしばしばCHUNITHMでは求められますが、これもユメステ内部でしっかりと履修することが可能です。

フォニィ[OLIVIER]

また、上位譜面ではフリーレーン→5k、4k→5kというような切り替えも頻出で、この5kは4kを移動させて押すべきか?薬指を生やすべきか?親指を生やすべきか?ということを各配置について考える必要があります。いうまでもなく、そのままCHUNITHMに応用可能な力です。

Get to Act Life♡[OLIVIER]
Odin[MAS]
4kからの移行時に無意識に親指が生えてかなり感動した

CHUNITHMでお悩みのそこのあなた、お家でできるCHUNITHM対策にユメステ、いかがですか?

地力をぶつけた音ゲーたち

ここからは逆に、これまで見てきた音ゲーたちが「活きた」音ゲーたちを手短に紹介します。時系列順に思い出を語るだけになりますが、ご容赦ください。

7. CHUNITHM

本格的に始めた時期:高1
最高到達点:16.78
最も印象深い曲:Gate of Fate

高1くらいの頃から触れてはいたものの長らく停滞の時を過ごし、先述のようにユメステの影響で修士1年の冬にしてようやく地力が花開いた機種。一番嬉しかったのは「昔曲が好きなだけで特攻していた曲に正面から向き合えるようになったこと」ですね(GoF紫とか)。最近は弟も受験の傍ら熱心にプレイしているようで、兄弟競い合って実力を伸ばしています。15の下の方ともある程度戦えるようになってきたので行けるとこまで行きたい気持ちが強いです。

8. OverRapid

本格的に始めた時期:大3?
最高到達点:9050くらい
最も印象深い曲:Re:Re:Re:Try!!

リフレクのところで触れた、フリックつき6kゲーム。なんといっても某異常鍵盤遊戯に劣らぬ高密度の譜面群と判定のゆるさが特徴的で、多少雑に指を動かしているだけでお手軽に音ゲーが上手くなった感を味わえます。とはいえこんな意識なので、当然鍵盤力の向上は望めず。ビートマニアに地力を逆輸入できなかったのも宜なるかなであります。

9. KALPA

本格的に始めた時期:大3?
最高到達点:多指レート24.98
最も印象深い曲:L2 -Reminiscence-

オバラピと似たジャンルに位置する高密度鍵盤ゲームで、違いは5kであることとフリックが存在しないことです。当然Cytusを通ってきていると印象深い曲もこうなる。最近活発にアップデートをしている印象で、僕自身23の99%埋めが楽しくなってきてモチベーションが戻っている機種でもあります。

10. Arcaea

本格的に始めた時期:大4
最高到達点:12.82
最も印象深い曲:Lost Desire

一瞬だけ触ってinkar-usi[FTR]に破壊され、iPad Proを買って再度向き合ったらめちゃくちゃ伸びた、そんな機種です。卒論と向き合いながら半年ちょっとでポテ11台から12.8まで突っ走った記憶が一番強いですね。ちなみにアーク力とボルテのつまみの地力はあんまり関係ないと思います。現在はユメステの影響もあって引退中ですが、なんかCybernecia CatharsisにBEYOND譜面が来たとかで、折を見て復帰することになりそうです。

11. オンゲキ

本格的に始めた時期:M1
最高到達点:16.82
最も印象深い曲:最っ高のエンタメだ!!

サークルの新歓企画に参加したら何故かCHUNITHMで15.4を3クレ分連奏する羽目になり、精も根も尽き果てて崩れ込むようにオンゲキの椅子に腰を下ろす異常成人男性(22)。そこで彼が出会ったのは、良質なボーカル曲と豊富なデバイスを巧みに活用した神譜面の数々だったーーー。

(実話です)
音ゲーのきっかけって何になるかわかりませんね。

流石に16.8にもなるとインペリアルの貯金はもう使い果たしており、あとは14+↑との過酷な殴り合いを残すのみです。とはいえ最近また15が伸び始めていてモチベが高め。16.8踏めたしいいかあとか思ってたんですが、16.9くらいは欲をかいて狙ってもいいのかも?

12. Phigros

本格的に始めた時期:M1
最高到達点:まだ触り始めてすぐなので特になし
最も印象深い曲:FULi AUTO SHOOTER

⇧なんでこいつ15じゃないんですか?

最近CHUNITHMと激ヤバコラボをして話題となった機種。本当に無料でいいんですか?

それはそうとこの記事を書こうと思い立ったきっかけの1つに、Phigrosでの「あれ?俺意外と反転ギミック上手い?」があったんですよね。なんか入れっぱなしでやってないしちょくちょく触るか、くらいのノリだったんですけど、触ってよかったです。今年のおうちサブの予定。

あとがき

ということで、地力移植をテーマに音ゲー人生を振り返る記事でした。思い立ったが吉日とばかりにキーボードに指を走らせていたら気づいたら12000字に届く勢いになっていました。研究に某活に忙しい1年がすでに確定的ですが、音ゲーも楽しみ続けて最後の交流戦は12機種全部に出場する勢いで行きたいですね。







あ、リフレク…



ん?







おしまい

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