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今の選択は未来の結果を生んでいる

スタンガンを突きつけられたような衝撃で目が覚めた。

そして、夢心地で霧の中を彷徨っていた僕は急に現実に戻った。

枕元にいたのは、

あの細長くって黒光りする胴体に、

足が何本もあって、

カサカサと忍び寄ってくるあいつだった。


「ムカデだ!!スプレー持ってきて!」

まだ隣で寝ている妻を叩き起こした。

ズキズキする側頭部を抑えながら、あいつの挙動を見守る。

妻が素早い対応で、あいつを捕まえ、処理してくれた。

すぐさま、熱湯で温めたタオルで側頭部を抑え、毒を出す。

びわの葉エキスのクリームを塗布し、なんとか痛みはおさまった。


怒りと絶望と悔しさといった感情がないまぜになった僕には2つのシナリオがあった。


<シナリオ①>

「なんで寝室にムカデが入ってくるんだよ!むかつくわ!」

イライラした僕は、やるせない気持ちを妻にぶつけた。

妻が何か言おうとしていたのに気づいてはいた。

が、人の言葉を受け止めるスペースが僕にはなかった。

妻は何も悪く無いのはわかっている。

でもこの気持ちをどこかに吐き出したかったのだ。

側頭部の痛みはおさまっていたものの、その痛みをかすかにまだ感じている。

「いつになったら痛みが治るんだよ、まじで最悪!」

心の中でそうつぶやいた僕は、何もかも投げ出したくなった。

いつも通り、朝のルーティンをこなすことや出勤前に通っているジムに行く気もなくなっていた。

何度も何度も心の中で自分の不運を呪い、何も手が付かなくなっていた。


<シナリオ②>

痛みがおさまった僕に妻がこんな一言をかけてくれた。

「ムカデさんが起こしてくれたんだね!」

僕ははっとした。

そうだ、7時に起きると決めていた僕がムカデに起こされたのは7時15分。

あのまま寝ていたら、今日の予定が台無しになるところだった。

一悶着で、朝のルーティンはお預けとなったものの、なんとか支度を整えた。

ジムへと向かい、いつも通り心地よい汗をかくことができた。

気づいたら側頭部の痛みはさほど感じなくなっていた。


人は常に選択肢を突きつけられている。

それは、

周りの環境に反応的に生きるのか?

周りの環境を受け入れて主体的に生きるのか?

今の選択は未来の結果を生んでいる。


今回はシナリオ②を選択することができた。

1日を気持ちよく過ごすことができた僕は、

ある意味僕の目を覚まさせてくれた妻の優しさに包まれ、

今日も同じベットで夢を見るのだ。

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