日記 20200906 嵐の夜に
自分の両親は宮崎に移住している。東日本大震災の後すぐに、色々と「終活」的なことを考え、母の生まれた宮崎で、なるべく東京との行き来が便利な街にマンションを買って移り住んだ。父も会社員最初の赴任地が宮崎の某市で、そこで母と出会った、ということもあり、納得しての移住だった。二人とも初めてのマンション暮らしで、「オートロックもゴミ収集も全てラクチン」と悪くなさそうではあった。
自分はあまり両親には連絡をしない。何かあれば用のあるほうから連絡をする、というのが長らくの親子関係だったし、息子から見てもしっかりしている親なので、まさか自分が積極的に気に掛けるような必要は特にない、と強く思い込んでいるのかもしれない。
ただ、今日の台風は、どうやら少し様子が違う。 テレビでは、両親の住むマンションがおそらくどこかに含まれるであろう夜景を映し出し、大淀川の河川敷が水没しかかっている様子をヒステリックに伝えている。これはさすがに心配になったが、もう時刻は22時過ぎ。寝ているか、もしくは避難所にいたら周囲には人がいて、いずれにしろ電話ははばかられる。
そこでワンコールだけですぐに切った。そしたらすぐに折り返しで母の声。
「電話もらったみたいだけど」といつもの落ち着いた声。 これで、どうやら安全な場所にいることだけはわかった。 たわいもない会話をしてすぐに電話を切ったけど、やはりもう少し明るいうちに電話しておくべきだったか、と少し後悔。でもひと安心。
ただし、風雨の影響はこれからが本番だそう。 大淀川上流のダムは夜半に計画放水もするらしい。
東京に長く住んでいると、 「台風は寝ている間に通り過ぎるもの」 と思い込みがちだけど、やはりそんな甘くはないことを、身に染みて思い知るようなことにならなければよい、 とだけ願って床に着きます。
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