見出し画像

いわきFCを通じて感じていること


 はじめまして。いわきFCを応援している「Andy」です。チームのホームタウンに在住しています。

 昨年から本格的にいわきFCを応援するようになりましたが、大きな感動や興奮と共に、さまざまなことを感じ、考えるようになりました。

 せっかくのポジティブな思いを、頭の中に留めておくだけでは勿体無いと思い、ここで書き記していきたいと考えています。

 今後、サッカーの内容についてや、現地での観戦記なども書いていきたいと思いますが、まずは、いわきFCが、地域や、自分を含めたホームタウンの人々に、どのような影響を及ぼしているのか、自分なりに感じていることを、書いてみます。


「いわき」を地元と思えなかった

 いわきFCのホームタウン「いわき市」は、昭和41年、14市町村が合併して誕生し、合併から長きに渡り、市町村として最大の面積を誇った、非常に大きな市です。(現在は15位)

 そのように、もともと別々の自治体として発展し、かつ、文化、地理的にも多種多様であるため「いわき市」としての一体感や、地元としての愛着、誇りといった気持ちは、薄かったのではないかと思います。

 どちらかというと、たとえば「小名浜」「常磐」など、文化、地理的にまとまりのある、合併前の市町村レベルでの地域を、地元として認識していた方が多いのではないかと思います。自分は、そうでした。

同じ傷を負ったことで、同じ地域だと感じるようになった

 体験や感情を共有することで、心理的な距離が縮まると言います。
 2011に東日本大震災がありました。多くの被災地域と共に、いわき市一帯も大きな被害を受けました。またそれに加え、原発事故にも見舞われました。

 いわき市、浜通り一帯は、自然災害に加え、原発事故による影響があり、他の被災地に比べて、特殊かつ複雑な状況となりました。

 しかし、震災後ここで生活する中で、地域の人々は皆同じ不安を感じ、それを乗り越えて、今もここに暮らしていると感じるようになり、少しずつ、いわき市全体や浜通り地域に対する心理的な距離が、近づいていったように感じます。

いわきFCが誕生。しかし…

 震災からの復興が進む中、2015年、いわきFCが誕生しました。(厳密には、元々あったローカルクラブの運営権を株式会社ドームが取得したのですが、経過の詳細は省略します)
 
 華々しい記者会見、開幕戦でヘリコプターで登場した加藤ミリヤが国家斉唱…
 今となっては大きな誤解だと分かりますが、当時は「勢いのある新興スポーツブランドが「復興支援」の名目を掲げて、好き勝手に派手にやっている」と感じていました。

 元々サッカーはそれなりに好きで、地元にJリーグのチームが生まれるのならば、いいことだとは思いました。
 しかし、新興企業のビックマネーで作られたチームを、地元の、自分のチームとして受け入れられるか、まだわかりませんでした。また、復興支援の冠に価値がなくなったら、すぐに撤退してしまうのではないかとも、設立当初は思っていました。

 そう思っているうちに、アンダーアーマーの巨大物流拠点が、その少し後に、いわきFCパークが完成しました。これだけの設備投資をしたのなら、一過性のものでは無さそうだと感じるようになりました。
 そして、J1クラブにも引けを取らない充実したトレーニング施設で鍛え上げ、毎年異常な得失点差で優勝・昇格を繰り返していきました。そうしたニュースに触れるごとに、少しずつ興味が湧いてきましたが、身近に感じ、地元のクラブとして応援しようと思うところまでは、まだ至りませんでした。

 取り組みの先進性に関心しつつも「新興企業が「いわき」の名を冠してド派手にやっている」というイメージがまだ拭えませんでした。

J2昇格、その後の苦難が、身近に感じさせてくれた

 いわきFCがJFLに昇格した頃、世間はコロナ禍に見舞われました。個人的には、この時期、外出する意欲やエンタメへの興味が薄れていました。その中でもいわきFCは順調にJFL、J 3を優勝し、J2へと昇格していました。

 2023年、コロナ禍も落ち着きを見せ、外出やエンタメへの興味を取り戻しつつありました。
 そういえばいわきFCは今年からJ2らしい。清水エスパルスやジュビロ磐田など、有名チームも多数在籍している、一度試合を見てみようか…そう思って調べてみると、これまで見たことがないくらい負けていました。

 そして、いわきFCの親会社であるドームも、伊藤忠商事に買収されていました。
 勢いのある新興企業が、大金を投じてド派手にブチかまし、毎年大差をつけて優勝している…そのイメージが一気に崩れ去りました。

 それと同時に、アウェーユニにはいわき市のPR戦略「フラシティいわき」の柄が使われていることや、マスコットキャラがフタバスズキリュウをモチーフとしていることなど、ホームタウンの施策や地域の文化を尊重していることも知りました。

 そんなチームが、低迷し、苦難に喘いでいる…そのような状況になって初めて、身近に感じるとともに、応援が必要なのでは無いか?という気持ちが芽生えました。

いわきFCを応援することで、地域としてのいわきに目を向け、誇りを感じるようになる

 そうして、2023シーズンの序盤、初めていわきFCの試合を現地観戦しました。
 現地観戦を始めてからの数試合は全て負け試合でした。特に熊本戦は0−4と、スコア・内容ともに一方的な試合でした。(島村選手(現 柏レイソル)のドリブルが特に印象的でした)

 しかし、チームを詳しく知るほどに、負け試合だとしても、現地観戦を重なるほどに、魅力を感じるようになっていました。

 唯一無二のフィロソフィ、アグレッシブなサッカー、センスの良い発信、そしてアウェーサポからのチームやホームタウンへの高評価…

 いわきFCを通じて「いわき(FC)」と、ポジティブなイメージが徐々に結びついていき、これまで感じることが無かった、いわき市民としての自覚や、いわき市に対する郷土愛のような気持ちも生まれてきました。

 スタジアムでは、多くの若者や子どもたちが、一生懸命かつ楽しそうに応援しています。ポジティブな気持ちを乗せた「いわきFC」という声援を聞くほどに、いわき市、浜通り地域に対して、地元としての自覚と愛着のような気持ちが増していくように感じました。

 大人の自分にすらそう思わせるのだから、子どもたちや若い人たちが、いわきFCの活躍と発展とともに成長することが、地域の未来をどれほど明るくするだろうか…

 応援を続ける中で、ただのスポーツチーム以上の価値を感じるようになりました。

 ここで生まれたから、ここで生きているだけ。そう思っていた、そうとしか思えなかったこの地に、愛着を持ち、地域の未来に希望を感じさせてくれる…地域の価値、魅力、そして未来を照らす光、正に、横断幕にも書かれている「浜を照らす光」のような存在であることが、一番魅力を感じている部分です。

 もちろん、スポーツクラブ、エンターテイメントとして、とても魅力的であることも間違いありません。その面については、今後、こちらのNOTEで書いていきたいと思います。

浜を照らす光をともに

 ここいわき市、浜通りで、苦難に見舞われながらも「いわき市を東北一の都市にする」「日本のフィジカルスタンダードを変える」という、唯一無二のコンセプトの実現に向け「魂の息吹くフットボール」の実践に挑むいわきFC。

 その挑戦を通じて、自分に、そして多くのファンに、サッカーの興奮と感動、それ以上のものを既に与えてくれています。

 そして、J1昇格、新スタジアム建設に向けて更なる挑戦を続けていますが、その実現のためには、自分をはじめとする地域の人々やファンの理解と応援が不可欠です。

 そのために、まずはスタジアムに足を運び、ファン・サポーターの輪を少しでも広げられるよう努め、チームの戦いを後押ししていきたいと思います。(これまで5人くらい観戦に連れていき、中にはシーチケを買ってくれた方もいました)

 また、生活のためであることは勿論ですが、いわきFCとともに良い地域を作っていくためにも、仕事に励んでいきたいと思います。

 挑戦をただ傍観するだけではなく「浜を照らす光をともに」という気持ちで、日々しっかりと生き、いわきF Cを応援していきたいと思います。
 
 長くなりましたが、今回は以上です。
 夏休みの宿題のような、拙い文書になってしまいました。
 最後までご覧いただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?