楽しもう。

滅法楽しくない。三浦春馬、竹内結子、芦名星、神田沙也加…と、あいついで同年代が命を絶った2020年代よりこちら、「30代、40代は楽しい」なんて嘘だ、と確信を強くしていた。とはいえ本当に身近にいる同年代は子育て真っ盛りで、それはお気楽な独身には想像もできぬハードな日々を生きているのだろうけれど、そこには「確かなもの」があるわけで、それは「楽しみ」だろうし、そうであってほしい。
一方、仕事に手応えがあるでもなく大した趣味もない独身30代は楽しくない。お金も時間も、自分のために使うにはあまりに虚しい。年末年始絶望していたと書いたが、いよいよ本格的に何も楽しくないことに気がついてしまったのがそれだ。
退職を考えて、就職の世話をしてくれた恩師に電話をした。36歳にもなって進路相談を持ちかけるほど手のかかる教え子は私の他におるまい。終盤で言われた「楽しいことを探せば?」の一言は一見、ありがちな助言である。しかし私はここで気がついたのだ。何でもかんでも楽しいと感じる20代(まぁ当時もそれなりに悩みはあったのだが)、友達や恋人が楽しいことを運んできてくれる20代(思えば私が楽しいことをもたらしたことはあっただろうか、という自省は今は落ち込むからやめておく)は、もう終わっていたのだと(6年前に。)だから楽しくない、のではなく、楽しいことを自分で探しに行く必要が、30代独身にはあるのだ。
危うく一生懸命生きるところだった、ではないが、もしかしたら、去年仕事につまずかなければ、私は自分が置かれている相当まずい状況に気づけなかったかもしれない。30代は楽しくないのだ。自分が楽しくしようとしない限り。カメラロールを辿ってみると、最後にフルマラソンを走ってから、4年経っていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?