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物置の その奥で

ボクは
物置の奥のほうで
ホコリをかぶりながら
キミが また
見つけてくれるのを待ってる

キミは
新しいオモチャに夢中で
もうボクのことなんか
忘れてしまってるんだろうな

それでもね
キミの傍にいられた日々を
ボクは忘れちゃいないんだ

いつかまた
キミがボクを見つけてくれて
傍に置いてくれるんじゃないかって
そう想いながら
そう願いながら

ボクは
物置の奥のほうで
ホコリをかぶりながら
キミが また
見つけてくれるのを待ってる

ある日
一筋の光が差し込んだ

「なぁに? その汚いの」
誰かの声

久々にボクを手に取ってくれたキミ

ボクについていたホコリを
少しはらって キミは言った

「これ もういらないや」

そうさ
その日から ボクは
ホコリをかぶった
ただのゴミになった

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断捨離やミニマムな生活が流行っている世の中で
捨てられていくモノたちに
もしも気持ちがあったなら
それはどんなものなのかと考えた時に
哀し気な思いがわいてきて
それをそのまま言葉にしました。
(片付けられなくて 増える一方でも困るのですけどね💦)

物であっても 気持ちであっても
それとお別れするときは
感謝をこめて 敬意をこめて
そんな気持ちが添えられれば
きっと
どんなモノも気持ちも
ゴミにならずにすむんじゃないかな。

と ポツリ 独り言

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