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iPhone 15 Pro Maxレビュー

筆者は毎年、最新の最上位iPhoneを1台、最高のカメラ性能を誇るAndroidスマートフォンを1台、計2台のスマートフォンを買うようにしている。今年もその例に漏れず、iPhone 15 Pro Maxを購入した。

元々iPhoneのレビュー記事を書こうとは全く思っていなかったのだが、「2023年に買ったガジェットまとめ」なる記事を書こうと思いiPhoneの章を書き始めるといつの間にか5000字を超えてしまったので、単体の記事にした。

いつも通り画像は1枚もなく、細かいスペックに関する言及やAntutuの計測結果なども無い。従って、一般的な内容のレビューをお求めの場合は他をあたるべきである。オススメはGSMArena(英語)、小白测评(中国語)である。


1. 売買について

まずiPhoneそのものについて触れる前に、iPhoneを売買する段階において、今年は特に多くの失敗をしてしまったことに言及したい。それらの失敗について列挙すると共に、来年以降iPhoneを購入する際どのような対策を行うのか明記する。

1-1. iPhone 14 Pro Maxの売却について

筆者は例年通り、新しいiPhoneが発売される3週間ほど前に手持ちのiPhoneを売ることで、手持ちのiPhoneをできるだけ高く売ろうとした。しかしこの際、2点失敗してしまった。1点目は売る場所である。筆者は8月末にiPhone 14 Pro Maxを大阪のワールドモバイルにて12.5万円ほどで売却した。しかし聞くところによると、ソフマップの方がより高値で売れるとのことだ。来年もソフマップの買取価格がより高値であるとは限らないが、買取価格についてもっと精査してから売ろうと思う。2点目は売るタイミングについて。iPhone 14 Pro Maxを手放してからiPhone 15 Pro Maxを入手するまで、3週間程度であればiPhone無しでも生活できると考えて8月末に売却したのだが、iPhone 15 Pro Maxは大変人気だったため実際入手できたのは5週間以上後のことだった。Felica非搭載のvivo X90 Pro+のみで1か月以上過ごすのは正直キツかった。更に、iPhone 15 Pro Max入手後にiPhone 14 Pro Maxを売ったとしても、買取価格はさほど変わらないようだった。従って、来年からは新しいiPhoneを手に入れた後に古いiPhoneを売ろうと思う。

1-2. iPhone 15 Pro Maxの予約について

例年通り、新型iPhoneは発売1週間前に予約開始だったのだが、予約時に失敗してしまった。新型iPhoneは郵送よりもApple Storeでの受け取りを選択する方が、より早く入手できる可能性が高い。筆者は京都市在住であるため、Apple京都での受け取りを選択すればより早く入手できる可能性があったのだが、そのことを失念していた。気づいた時には、既にApple京都での受け取りを選択できなくなっていた。従って来年は、すぐにApple京都での受け取りを選択しようと思う。

2. iPhone 15 Pro Maxを買って良かったこと

反省会を終えたところで、iPhone 15 Pro Maxを2か月ほど使用して、特に良いと感じたことについて触れる。先述した通り、筆者は毎年最上位の最新iPhoneを購入していることもあり、昨年iPhone 14 Pro Maxを購入したときはiPhone 13 Pro Maxからの変更点が少なかったため、あまり良い・悪いといった感想を抱かなかったのだが、今年は違った。

2-1. 原神のグラフィックが非常に綺麗

筆者は2年ほど前から原神というゲームにかなり心血を注いでいる。もう1台Androidスマートフォンを所持しているものの、基本的に原神はiPhoneでプレイするようにしているが、その理由は主に3つある。1つ目は、そもそもiPhoneにしかSIMを入れていないという理由である。原神はいつでもすぐにプレイできるようにしたいため、基本的にメイン端末として使用しているiPhoneでプレイするようにしている。尚、課金する際はPlayストア経由の方が安いため、Androidスマートフォンから課金している。2つ目の理由は、バッテリー持ちの良さである。原神は端末に大きな負荷がかかるゲームであるため、バッテリーの消費量も大きい。バッテリー持ちの良いスマートフォンでなければ、長時間のプレイや出先で気軽にプレイすることは難しい。3つ目の理由は、ロード速度が早さである。iPhone 15 Pro Maxとvivo X90 Pro+やXiaomi 13 Ultraを比較した際、iPhoneは原神の起動時やワープ時、秘境に入る際のロード速度がより高速だった。毎日プレイする場合、わずかなロード速度の差はプレイ体験に大きな影響を与える。以上の理由はiPhone 14 Pro Maxでプレイしていた時も共通していた理由だが、iPhone 15 Pro Maxに機種変したことで、更にもう1つ理由が増えた。それはグラフィックの綺麗さである。iPhone 15 Pro MaxではMetalIFXと呼ばれる画質向上機能を原神プレイ時に使用することが可能だ。原神というゲームにおいて、グラフィックの綺麗さは非常に大きな意味を持つため、グラフィックにおけるアドバンテージは他の要素と比べて高く評価されるべきである。目に見えて驚いた点であり、毎日恩恵を受けている点でもあるため、筆者にとってグラフィックの向上は最もiPhone 15 Pro Maxを「買ってよかった」と思えたポイントだ。MetalIFXによる画質向上は、原神を含む一部のゲームでしか利用できないため、多くの方々にとっては無関係であるが、A17 Proチップの優秀さ、そしてハードウェアの進化をすぐにソフトウェアの進化へとつなげることができるiOSの優位性を如実に表した例と言えるだろう。

2-2. カメラソフトウェア

正直iPhoneのカメラにはあまり期待していなかった。スペックとか以前に、色味が悪くてコントラストが強すぎ、シャープネスもキツすぎる、と絶望的に画質調整が終わっていたからだ(動画撮影を除く)。しかしそれもiPhone 14シリーズまでの話。iPhone 15 Pro Maxになってからは美しい色味でダイナミックレンジも非常に広くなった!…というわけではないのだが、かなりまともな写りになったことは確かである。白飛びや黒潰れは新しくなったSmartHDRのお陰か大分マシになったし、シャープネスも少し強めだが常識の範囲内だと思う。レンズフレアゴーストについても、ゴーストは未だ健在だがフレアについては結構減った印象を受ける。今まで写真撮影を行う際は、iPhoneには目もくれずvivoで撮影していたのだが、15 Pro Maxを入手してからはiPhoneでも撮ってみよう、と思うようになった。また友人からオススメのスマートフォンを質問された際、今までは心の中の(iPhoneは個人的にカメラが絶望的だから許せないけど…)等という思いを胸の奥にしまいながら、「やっぱiPhoneがいいんじゃない?」と返していたのだが、iPhone 15シリーズ登場以降は胸を張ってiPhoneを推せるようになった。vivo X90 Pro+のような中華ハイエンドスマートフォンと比べれば、iPhoneの写真撮影性能は平凡なものだが、多くの人々にとってスマートフォンの選択肢は国内で正規販売されているものに限られることを踏まえると、iPhoneでまともな写真が撮れるようになったことは重要な進化だと捉えることができるだろう。

2-3. 5倍望遠カメラ

iPhone 15 Pro Maxにおけるカメラの進化について、注目すべき点は単に写りが良くなったことだけではない。新しく搭載された5倍望遠カメラは、筆者に大きな驚きを与えた。ただし、5倍望遠カメラ自体に特筆すべき点はない。寧ろ5倍の望遠カメラしかないということは、等倍から5倍までを広角カメラによるデジタルズームで補わなければならず、とりわけ3倍から5倍はiPhone 15 Proよりも画質が落ちることを意味する。そして望遠の倍率としては5倍よりも3倍の方が扱いやすいため、個人的には倍率をそのままにセンサーサイズを大型化してほしかったというのが正直なところだ。また、昼間撮影では5倍同士で比較した場合、iPhone 15 Pro Maxよりvivo X90 Pro+の方が綺麗に撮影できる印象を受けた。しかし、iPhone 15 Pro Maxの望遠カメラが本領を発揮するのは夜間である。iPhone 15 Pro Maxの望遠カメラは、広角カメラ同様ナイトモードに対応している。望遠カメラは広角カメラに比べ手ブレしやすいため、ナイトモードを使用する場合でも手持ちであれば撮影時間は長くて3秒程度である。ところがiPhone 15 Pro Maxの望遠カメラは5倍という高倍率にも関わらず、手持ちで10秒のナイトモードに対応している。しかも、それでいてほとんど手ブレしないのである。iPhone 15 Pro Maxはこの強力な望遠ナイトモードのお陰で、手持ち撮影かつ低照度環境下という厳しい条件においても比較的高画質で撮影することが可能である。加えて、三脚等を用いてiPhoneを固定すれば、広角カメラと同じように望遠カメラでも最大30秒のナイトモード撮影を行える。vivoのSuperRAWを用いた撮影のような特殊な例を除いて、望遠カメラで30秒もの長時間のナイトモード撮影を行えるスマートフォンは他に類を見ないのではなかろうか。少なくとも国内で正規販売されているスマートフォンに限れば、夜景望遠撮影性能の覇権候補であることは間違いないだろう。筆者が所有するもう1台のスマートフォンであるvivo X90 Pro+は、一定以下の照度になると、手持ちでの望遠夜景モード撮影ができなくなるのだが、iPhone 15 Pro Maxがまさかvivo X90 Pro+の写真撮影性能における数少ない欠点を補ってくれるとは思ってもみなかった。来年vivo X100 Pro+を購入すればこのアドバンテージもほとんど無価値なものになるかもしれないが、それでも今まで特に面白味のなかったiPhoneのカメラが筆者を驚かせてくれたこと、カメラ性能に期待が持てるようになったことで来年からiPhoneを買う楽しみが1つ増えたことは喜ぶべきであろう。

2-4. USB-C

長らく物議を醸していたiPhoneの充電端子問題だが、この度iPhone 15シリーズにて遂にUSB-C端子が搭載された。USB-Cになって感動、というわけではないが、iPhoneもiPadもAndroidスマートフォンもTWSイヤホンも同じケーブルで充電できる、という当たり前にできるべきことが当たり前にできるようになったことの重要性は非常に大きいと言えるだろう。

2-5. ベゼルレス化

iPhone 15 Proシリーズ最大のウリといえば、やはりチタニウムフレームだろう。iPhone 15 Proシリーズのホームページを開いたとき、一番初めに飛び込んでくるのは「Titanium」の文字とクールなiPhone 15 Proの側面である。筆者も購入直後しばらくは、フレームのデザインや軽さに興奮したものである。しかし購入から2か月経過した現在、黒縁のケースに入れて使っているため側面のデザインは基本的に見えず、重さについてもiPhone 14 Pro Maxに比べれば格段に軽くなったものの、スマートフォン全体でみれば重い部類であることに変わりはないので、もはやありがたみを感じなくなった。一方現在でも良いなと思うiPhone 15 Pro Maxの筐体に関する進化点は、(強いて言えば)ベゼルの細さである。数値上の差は0.数mm程度なのかもしれないが、体感では思ったより細く感じる。iPhoneのベゼル幅はiPhone 12以来ほとんど変化がなく、Androidスマートフォンのベゼル幅についても停滞気味だったが、iPhone 15 Pro Maxは改めて狭額縁ディスプレイの魅力に気づかせてくれた。そして先日発売されたXiaomi 14やMeizu 21についてもiPhone 15 Proに負けじとベゼルレス化されたが、チタニウムフレームにせよ高性能望遠カメラにせよ、世界初でなくともiPhoneが取り入れた途端にブームの様相を呈するというのは昔から変わらず、iPhoneの影響力が未だ健在であることを何よりも感じる瞬間である。

3. まとめ

iPhone 15 Pro Maxを入手する前のこと、そして買ってよかったことについて紹介した。「買ってよくなかったこと」については、iPhone 14 Pro Max比で劣化したと感じる要素が無いため、特にない。今年のiPhoneは特に進化が大きいと感じた一方で、絶対に買いだと断言するほどでは無いというのも事実である。また筆者がなぜ毎年iPhoneを買うようにしているのか、という核心的な部分については今回触れていないため、iPhone 15 Pro Maxがスマートフォンとしてオススメかどうかというような絶対評価ついては言及を控えておく。いつも通り独りよがりな内容となったが、以上を以てiPhone 15 Pro Maxのレビューとする。

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