同棲してから、きのこ帝国「東京」が好きになった
日本のアーティストで好きなのは誰ですか?
という質問に僕は迷いなく、きのこ帝国を入れるだろう。
パンクやメロコア少年だったのに、歳を重ねるにつれて、こういった音楽に自分がハマるとも思ってすらいなかった。
きのこ帝国の中で一番嫌いな曲がクロノスタシス。
2番目が東京だ。
理由はみんな好きだから。有名だから。それだけ。
それに自分は関東出身で、幼少期から東京なんて身近に感じていたし、電車でも車でもすぐに行ける場所だった。
帰りを待つ相手なんていねぇよ馬鹿野郎!
と心の中で唾を吐きつつ、Kate NashのI hate you this Christmasを聴いていたいつぞやのクリスマス。
ただ、あの曲の見方が少し変わったからここに残しておこうと思う。
僕は、直近で大きな生活の変化があった。
死んでも良いと思えるほど好きな人と一緒に生活を始めた。
20代前半では、「神様それではひどいなり」と言いたくなるような出来事ばっかりだったせいか、もうコロッと死なねぇかな〜なんて考えていたのから打って変わり、自分の生きる意味が、隣でスヤスヤと寝息を立てている。
在宅ワーク中、相手の洗濯物を取り込んでいるとき、シャッフルしていたスマホから流れてきたきのこ帝国の東京。
冒頭の
「日々あなたの帰りを待つ ただそれだけでいいと思えた」
この一文に全てが詰め込まれている気がして、どうしようもなくなった。結果、今こうして溢れてしまった感情を言葉に換えている。
それだけでいいと思えた。それだけでいいんです本当に。
あなたの帰りを待てるこの現状がいかに幸せなことか、噛み締めながら生きている自分には刺さりまくりなんです。
全然畳み方の分からない下着。どこにかけていいのか分からないトップス。こんなのに足はいるのかよって言いたくなるようなスキニー。
大嫌いだった洗濯物は、いつの日からか、離れているのに相手のことを知れる大切な時間になっていた。
自分の洗濯なんて畳みもせずにハンガーにかけっぱでクローゼットに押し込んでいた。
けれど今は相手の洗濯物を畳んで、自分のも畳むようになった。
なんて言ったら良いか分からないけど、多分愛だと思う。
無条件っていうか、見返りなんて微塵も思っていないし、これやったら楽だろうなとか、嬉しいだろうなとかそれしか考えていない。
まぁ洗濯物くらい日頃から畳んどけって話なんですけど。
あなたの帰りを待つ
毎日そう思えることって本当に幸せなことだと思うんです。帰ってくる人がいる。帰ってきてほしい人がいる。
在宅中、時間があるのでゴミを捨てたり、洗濯をしたり、家事的なことをやっているけど、いつも頭の中にいるのはあなたのこと。
いっしょにやりたことが浮かんで、作りたいご飯が浮かんで、やばそうな大根が冷蔵庫に眠っていることに気づいて。
早く帰ってきてほしい。気をつけて。最近冷えてきたから部屋を暖めておくから。
玄関で抱きしめたいし、今日はどんな1日だったか嬉しそうに話すあなたの顔を早く見たい。
歌詞の終わりにある、
まだあなたの心の中、ほかの誰かがいるのだとしても
には触れないでおこうと思います。
ダメージを食らってしまうので僕が持たないです。うっ....。
なーーんてまだまだザコい自分と対峙する日々。
引っ越したばかりのこの街のことはなーんにも知らなくて、それでも落ち着いた雰囲気とか、柔らかい日差しがとても好きです。
あなたとならどこへ行っても都なんだろうけど。
今日は金曜日。早く帰ってきてほしいけど、向こうもご飯の予定があるらしいし、僕も久しぶりの友人とご飯。
帰ったら暖かいお風呂で体を休めよう。
待っているだけでこんなに笑顔になれるんだってさ。