絵本「たびする木馬」
木馬のブランが、長い長い年月をかけていろいろなことを経験していく、とても静かな物語です。
大きな遊園地の大きなメリーゴーランドの一部だった頃の我が世の春な感じの時間。
そこから、たくさんの変遷があって、別れも寂しさもたくさん経験しましたが、ブランはいつでも目の前にある小さな幸せをみつけることがとても上手です。
あー、もうこれでおしまいかなと思っても、必ず、小さくても思いがけない希望が目の前にあらわれます。
そうやって乗り越えた先に、環境や自分の居場所や存在の仕方は変わっても、自分にとっての根本的な幸せが何かということに気づき、その幸せがあることに心から感謝します。
ブランにとっての幸せは、
誰かを乗せて走ること。
自分のせなかから笑い声が聞こえること。
絵本の最後の一行が、そのことを教えてくれます。
幸せと苦しみは波のように交互にやってくるけれど、自分の好きなことを知っていれば、きっといろんなことを乗り越えられる。
そう、教えられたような気がしました。
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