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本当に心から好きなのか?

「僕の好きなもの」というテーマで書くという事だが、何から書き始めればいいのだろう。

まずはざっくりした話から始めよう。「好きなもの」と聞いて僕が思い浮かべるのは、1987年に日比谷公園で「パンクロック」を歌うブルーハーツの甲本ヒロトの姿だ。

「僕 パンクロックが好きだ 中途半端な気持ちじゃなくて ほんとに心から好きなんだ 僕 パンクロックが好きだ」

彼が歌う姿からは本当に好きなものに対する愛情そのものが滲み出ている。説明なんかいらない。みんな分からないかもしれないけど、ただただ心から好きなんだ!彼は全てをアティテュードで表現している。これがロックンロールだ!と身体ひとつで叫んでいる。

本当に好きなものは時に言葉で表すことが出来ない。だからこそ、たとえ人に理解されなくとも自分の中で一生の宝物のように大事に抱きしめるもので、それはとても小さく些細なものでもいいし、そんな何気ないものこそが人生の分岐点に立たされた時にそっと手を差し伸べてくれる。人間ってものはちょっとしたことで一日中悩み、ちょっとしたことでふと立ち上がれるちっぽけなクソ野郎なんだ。

みんなはどんなものを大切に抱えているのだろう。

少年時代、初めてホームランを打った時の感触。初めてビートルズを聞いた時の衝撃。映画 "Reservoir Dogs"のオープニング。村上龍の短編小説「走れタカハシ」。ランサーエボリューションのターボエンジン音。松本民藝館のウィンザーチェア。京都の北端で食べたゴーヤチャンプルー。Devin HesterのキックオフリターンTD(2007年スーパーボウル)。バーナード・リーチの大皿。仲間と焚き火を囲んで語り合った夜…(だめだ、キリがない。)

僕の人生はこういうもので作り上げられている。これらは僕の好きなものであり、僕の人生の糧でもある。

僕の好きなものなんてどうでもいいかもしれないけれど、まあ気長に付き合ってやって欲しい。いつかどこかで役に立つ糧みたいなのを少しでも分け与えることが出来たら嬉しいなぁ。

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