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親の口出し

2020年5月10日

雨が降る、と天気予報が言っていたし、緊急連絡も来ていた。西の雲は暗く厚い雲で、先日の雷のような天気になるのではないかと思った。
晴れているうちに遊びに行こうと思い、お昼ご飯を食べずに11時半に近くの公園へ行く。スケートボード、ホッピング、HENSHIN BIKE、バスケットボール。お決まりのセット。
体が全体的に重くて、調子が上がらない。子どもたちが遊ぶのを見ながら、スケートボードに乗ってみたり、ホッピングしてみたりして、だらだら過ごした。風が強くなってきて、雨も降りそうな雰囲気が出てきたので、家に帰る。
ネットで買った、スライドボードが届いていた。早速やってみる。ももにかなりくるな、なんて話す。何故だか息子が30分連続でやり、汗だくでふらふらになっていた。

『習得への情熱』 ジョシュ・ウェイツキン 吉田俊太郎訳 みすず書房

子どもが立派に育って欲しい、なんてことを、立派に育たなかった親が思ったりする。子どもはみな天才なのに、親のほとんどが凡才なので、子どもは成長とともに才能を刈り取られていく。

『習得への情熱』は元天才チェスプレーヤーで、のちに太極拳世界一になる作者の習得の履歴を残した本。自身の記録なので、もちろん主観的な面は多いが、それ故に、成長する、習得するとはどういう経験なのか、が熱を持って追体験できる。単なる実用書に終わらない。

彼の両親が与えた影響を彼自身が分析しているシーンが数多く出てくる。その度に胸が痛む。ついつい、や、どうしても、なんて言葉で子どもたちの成長を阻害してしまう。
子どもはより素直に正しいと思っていることをダイレクトに感じて口に出す。大人の言い訳に違和感を感じても、そうなんだろうな、と素直に反応する。

世界一になって欲しいとか、世界一になりたい、とかそういうことではないが、世界一を目指さなければ、世界一にはなれないし、その苦しみも分からない。世界一とてつもなく尊い。尊いけど、それが全てじゃない。相反する二つの価値観を同時に持つことができたら、楽しいだろうなと思う。

2つに一つ、レースに勝つかただ走るだけ走るか。

『長距離走者の孤独』のスミス少年のセリフ。その二つをどちらも手にすることができたなら、まさに真に勝つということ。いいな、一度でいいから、体験してみたいもの。息子にも体験して欲しいもの。
馬鹿みたいにスライドボードやってたので、いつかできそうだな。あいつなら。

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