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【&donutsコラム】求めよさらば与えられん

(この記事は文藝春秋がnoteで開催する「#未来のためにできること」コンテストの応募作品として、&donutsプロジェクトの立ち上げメンバー・柳尾が書いたものです)


働くことは楽しい。新しい命を授かり、母になれたことも幸せ。

でも、“母として働くこと”は想像以上に大変だった。時短勤務では以前のようには仕事が片付かないし、子どもの体調不良を理由に有給をひと月で8日間も消化したこともあった。

すべてが中途半端なのが悔しくて、同僚にも子どもにもよく謝っていた。

当時、かっこいいワーママ像や完璧な母親像があった。それに対し、二次元の視点で「できる・できない」「良い・悪い」などと判断していたから、苦しかったのは当然だ(笑)。

もっといい方法があるに違いないと信じて学んでいく中で、望みをかなえるビジョンの力を知った。私がワクワクする働き方って?

もっと自由に働きたい。
信頼しあえる仲間と、それぞれの才能を活かせる共創コミュニティにしたい。

そんな未来を思い描くと、心が震えた。

2016年夏、夫の旧友で、株式会社イノベーター・ジャパンの代表を務める渡辺と出会い、職住近接プロジェクト「&donuts(アンドーナツ)」を立ち上げた。郊外オフィスで地域のポテンシャル人材を雇用して、積み上げてきたキャリアを活かせるプラットフォームを創設。サステナブルな働き方で、長期的なキャリア形成を目指した。

想いに共感してくれた人たちがメンバーに加わってくれた。バックグラウンドやライフスタイル、価値観などは異なるけれど、共通の土台みたいなものがあり、お互いをリスペクトしている。個々が違うからこそ視点が多様になるし、「自分の不得意は誰かの得意(逆も然り)」と助け合い、共創する喜びがある。

今、私の世界は感謝で溢れている。

── 当たり前だと思っていた、向こう側を見てみる。
昔から他人の目を気にして自分を取り繕うことは日常茶飯事だった。職業人・母・妻・娘・社会人…いろいろな面でそうしていたから、苦しいはず(笑)。少しずつ手放したら、私の人生は誰のせいでもなく、すべてを自分で選んでいる感覚になれた。

── 本当の音「本音」で生きる。
「本当はどうしたいの?」って自分に聴いてみる。夢みたいな大きな話でなく、通勤時間に聞く音楽やランチに食べるものなど、日常の一つひとつでやってみる。他人の目や思い込みを排した、私が心から喜ぶことを選ぶ。

これが、より良き未来のために私ができること。

私の世界を作っているのは、自分しかいない。