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酒と食の狭間で

2月28日を持ちまして35歳となりました

トヨタ自動車のお膝元愛知県豊田市から上京して早13年

思い返せばアッと言う間でしたが非常に濃密な時間を経験させて頂きました

2008年、当時20歳の私が酒業界で生きていくことを決心して、もう15年という時間が過ぎました

世間の常識を全く知らない状態から、酒蔵の皆様、親方、シェフ、同士のソムリエ、兄弟、皆様に良くして頂きました。

がむしゃらに走って来た道も思い返すと、誰も教えてくれない知識の源が様々な場所に限りなく存在していました

テイスティングの物差し、料理との合わせ方、付加価値の付け方、etc

答えがない世界であがく1人だった為、造り手の考え、職人のノウハウに触れるたびに己の解釈に置き換え、活かしてゆくことを大切にしました。

これは受け売りですが「修業時代に大切なことは知ることではなく、考えることです。出来る限りの思考を持ち転化すること」

35歳になった今、酒の販売を通して造り手の考えを密接に繋げられるポイントがまだまだ限りなくあると思っています。

酒とは土地固有の風土の表現であり、生産者の感性や想いの発露、自然と思考がミックスされた精神性が溶けこんだ液体、それが今は技術面のみ表に出てしまっていると感じています。

鮨屋さんで美味しい鮨を食べているのに、米の給水時間や炊飯時間を知ることが必要でしょうか?お互いの仕事にリスペクトを持つ同士をコネクトすることが本来の酒屋の機能なのではないかと思います。

手前味噌ですが、今年一番良かったのは、世界で活躍する鮨屋の親方に勢いのある若き蔵元を繋げられたこと。

「最後にオススメの1杯を」の問から繋げられたことはこれからの時代を創るコネクトだったと。

それはこれから答え合わせをしていきます

この年齢になり代替えの利く仕事をしたくない気持ちが一層強くなり、一度考え直し、挑戦することが出来ないかを模索しています。

現在アルコールは世界的に見ると生産過剰であり、時代に合わないもの、産地を主張できないものはやがて消滅してゆきます。

今まで以上に、液体にローカル思想の内在が求められてゆきます。

産地の冠はその土地の自然環境と人の活動に由来する農産物の個性を保証し、地域性や郷土性の継承にも繋がります。

酒と料理の狭間で、価値あるコネクトが出来る1つの力になることを目標に、35歳、使命を持って生きていきます。

皆様誕生日御祝いのメッセージ有難うございました。

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