16.ワクチン狂想曲
時々。ある日の一日を閉じ込めておきたいと思うことがあります。その時間、思い、妄想はその時だけのもの。あとで思い出し、のぞいてみようとしても、時間もかたちも少しずつ歪み、違うものに味付けされてしまうものだから、です。ですからこれは、2021年8月最終週の、日記であると。そう思って読み進めていただければ幸いです。
ファイザー製のコロナワクチンを接種するために、家から10分ほどの病院まで歩いて行く。待合のロビーでは、小川洋子さんの「ドミトリイ」という短編を広げていて、とても大切な