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メダ語開発日記 #1

みなさんどうもこんにちは。アンドロメダです。
オリジナル言語を作るマニアックな記事、第二回です。前回の記事はこちら↓

the Birth of "Meda"

さっそく本題に入っていきます。とはいっても、メダ語の基本的な内容をまとめた記事はまた別に出すので、このシリーズではメダ語にちょっとずつ手が加えられていくのを眺める感じになると思います。

さて、前回はメダ語のメ、いや「メ」の「ノ」の部分にすら触れられなかったので、どんどんとその中身を解説していきます。

といっても、単語だけ紹介する回とかあっても普通に退屈そうなので、今後このシリーズでは「文法」「単語」「その他」の3セクションをセットにして一つの記事にしていく手法をとっていきます。

文法編 #1

最初に習うものといえば

みなさんは中学1年生(僕より若い世代はもっと早くに教わったかもしれませんが)のとき、初めて手渡された英語の教科書で、最初に何を学びましたか?

そう、代名詞 "私は/私が" の I ですよね!!

僕も最初はこれを学んで、「英語というのはなんて自己主張の強い言語なんだ」と思ったものです。随分勝手なこじつけですが。
ということで、まずは"I"や"you"にあたる「人称代名詞」を決めていきます。

一人称: na
二人称: jo
三人称: ka / tei
joは「ヨ」と読みます。†Jörmungandr†のヨです

うーむ、これだけ見てもパッとしませんね。特にteiなんか、絶妙にダサい気がします。それに、kaは「彼」に通じるからいいとしても、teiが「彼女」には到底思えな…

と思ったそこのお前!!!!!

かかったな。(何に?)
kaは「人」用の代名詞、teiは「物」用の代名詞だ。残念だったな、この言語には文法的性はおろか、代名詞における性別の区別すら無い!

ジェンダーの問題はデリケートなのでこうさせてもらいました。間違えると怖いのでシンプルに「あの人」とかでよくない?って思う。

I を習ったらまずは自己紹介

僕の英語の教科書に載っていた最初の例文は、
I am 〜. の形でした。多分どの教科書でもそうだと思うので、次はbe動詞の表現を決めていきます。

しかし、ここでアンドロメダはあることに気がつきます。

普段使っている日本語で、「である」を動詞として意識したことないな…

そうです。「私はアンドロメダです」という文は英語では "I am Andromeda." ですが、
日本語においては、「アンドロメダです」が述語としてはたらくのであって、動詞は存在しないのです。

よし、be動詞的な動詞は採用しないことにしよう。代わりにこうだ!!!!

Na Andromeda. (私はアンドロメダです。)

他の全ての文に動詞を使うのならば、「動詞を使わない」ことが「be動詞を使う」ことと等しくなるのです。このように「無を標識として使う」やり方は、「無標」と呼ばれるもので、言語学ではいろいろ難しい意味やらなんやらがあるんですが、今回僕がみなさんにお伝えしたいのはこの一点、「無標識も標識である」ということです。この考え方、人工言語に限らずシステムの無駄を省きたいときに使えるので、ぜひ覚えて帰ってください。(誰得案件)

文法については次回以降どしどし紹介していきますが、今回はこの辺りで。

単語編 #1

『名簿ドSに服と痙攣』

さて、文法編では人称代名詞を紹介しましたが、今回の単語編では次回以降登場する新出単語を…

紹介しません!!!!

メダ語は「語尾で品詞が判別できる」という特徴を持っています。そう、この記事を読んでいる方ならば(6割くらいは)既知であろう、有名な人工言語エスペラントで使われているシステムです。よって、まずは「各品詞の語形」を説明していきます。

…と、これでそれぞれの品詞について箇条書きで解説していくのもいいですが、それじゃあつまらない。というわけで、先にみなさんに覚え方を伝授しましょう。こちらです!!

『名簿 服ずらす ドSに 服と 痙攣』
名詞:母音(/複数型:ras)/動詞:s/副詞:to/形容詞:ren

なんかエロティックに聞こえるのは否めませんが、まあ覚え方としてはこれで十分でしょう。何度か口ずさめばおそらく二度と忘れません。
さあどうぞ!(観客のコールを確認する)
もう一回!(沈黙と孤独)

はい。このルールさえ頭に入っていれば、単語の品詞がわかります。単語の品詞がわかれば文構造がわかるので、学習のしやすさの観点で言えばこのシステムは理にかなっていると言えるでしょう。

さらに、語尾で品詞が定まるのであれば、
語尾を変えることで品詞を変えることだってできるわけです。

例:pao(太陽) → paoren(明るい) → paore(明るさ)

う〜んシステマティック!!気持ちいい!!

次回以降の単語編ではイカした語彙をバンバン紹介していきます。もうしばらくお待ちを。

音素編 #1

メダ語、存亡の危機

音素編(多分今回だけ)ではメダ語を実際に話すために設定したことがらについて書いていきます。

まず、メダ語を口頭で使用可能なものにするためには、「音素」を定める必要があります。「音素」はその言語それぞれが持つ音の最小単位で、言語に関係なく分類される「音声」とは異なる意味を持ちます。例えば、「日本語には英語のthに相当する音素はない」とは、「日本語は英語のthがカバーする範囲の音を表す単位を持たない」という意味となります。

さて、開発初期段階でのメダ語は、日本語とほぼ変わらない子音を持っていました。k,g,s,z,t,d,p,b,f,v,n,m,r,y,w…
前提知識として、発音時喉が震えるような子音は「有声子音」そうでない子音は「無声子音」と呼びます。例えば、bとpはそれぞれ同じ発音方法で、「有声-無声」の差が2つの子音を区別しています。

ここで、私の脳裏にふと過ぎったのは、中国語や韓国語を母語に持つ方の喋るちょっとカタコトな可愛い日本語です。(日本語話者のみなさんが抱くそれらのイメージはだいたい同じでしょう)
その中で特筆すべきは、濁点が付くべき箇所でつかなかったり、その逆もしばしば起きたり…これはなぜ起きるのかというと、この2言語にはそもそも「濁音-清音」つまり「有声-無声」の対立がない からです。
ざっくりと厳密でない言い方をすると、代わりに「pと息交じりのp」みたいな対立が存在します。

だからって、どうしようもないだろそんな問題ww

悪魔の方のアンドロメダ

でも、ここで自身が楽をするためだけに、少なくとも約15億人の話者が習得に苦労するようなシステムを残すのは、新たな言語の設計者として、正しい選択といえるのでしょうか。

答えはNO―—
この日、メダ語から「有声-無声」は消え去った。

これ以降、メダ語では思い切って無声子音と有声子音を区別せず、その対立があるような子音は全て無声のほうで表記することにしました。よって、メダ語で使える子音は k, s, t, f, p, r, n, m, y, w の10個に絞られました。







…って、ちょっと待て~~~~い!!!!!!!!!!!
それやと、「メダ語」が「メタ語」になってまうやろが~~い!!!

はい。さすがにそこは譲れなかったので、今後も「メダ語」でいかせてもらいます。茶番終わり!次回は母音と子音それぞれについて書きます!

今回のまとめ

今回出てきたメダ語の特徴をおさらいしておきます。

  • S(主語)+C(補語)で「S=C」の文を表せる

  • 品詞は語尾で見分けられる

  • 子音はたったの10個

初回からかなり思い切ったことばっかりしたなぁ。(満足気)
言語学をかじったことある人なら「お~~~~そうくるか」そうでない人なら「はえ~~~~」みたいな内容だったと思います。わくわくしてきましたね!!!(誰目線?)

ここだけの話、実はメダ語は9割がた完成してて、もう4回分くらいの記事の内容はあるので、僕のモチベーション次第で更新が早まると思います。

…僕のモチベーションを上げる方法は?そうだ。わかったならさっさと行きな。(いいねコメントTwitterでの共有、とても励みになるのでぜひお願いします。)

それでは、みなさんどうもさようなら。アンドロメダでした。

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